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【フォーミュラE 第1/2戦 香港】フォーミュラEマシンを意外なほど近くで見られるピットウォーク

ドライアイスで冷やされるバッテリー

2017年12月2日~3日(現地時間) 開催

仮設テントの並ぶピットエリア。ピットウォークではこのエリアを歩くことができた

 12月2日(現地時間)に中国 香港の市街地特設コース「香港セントラル ハーバーフロント サーキット」で開幕した、世界シリーズ「FIA フォーミュラE選手権」(以下、フォーミュラE)の2017/2018年シーズン。

 このレースも、日本で行なわれているスーパーフォーミュラ、SUPER GT同様のピットウォーク時間が設定されている。購入したパスにもよるが、ピットウォーク可能なパスであれば、このピットウォーク時間に各種のフォーミュラEマシンやピット作業を見て回れる。

 香港のサーキットは市街地の特設サーキットだけあって、各チームのピットも仮設テントによるもの。そのため、ピットとの距離が近いほかピット作業をオープンに観察することができ、人によっては興味深く見ることができるだろう。

各チームのピットにはドライバーの顔写真が大きく掲載されており、お目当てのピットが分かりやすいようになっている。この辺りは日本のレースでも工夫してほしいところ
小林可夢偉選手のピット。ちょうどこの時間はスポンサー招待枠のピットツアーが行なわれており、招待客が多数訪れていた
作業中のアウディピット。1号車の作業を見学中
1号車の作業を見学していたら66号車も入ってきた。車検を終えて戻ってきたようだ
66号車もジャッキアップ。各部のチェックが始まった
PCをセットして何やらデータのチェック
使用しているPCはデルだった
しばらくしたらバッテリーをドライアイスで冷やし始めた。充電時などバッテリーが熱を持つ(それによる劣化もある)ため、各チームドライアイスで冷やしていた
前輪のブレーキディスクまわり。シンプルかつ高剛性な作りに見える

 日本のSUPER GTでピットウォークを見慣れていると、このフォーミュラEには明確な違いが存在する。SUPER GTのピットウォークでは、基本ドライバーなどがピットの前に出てきてくれ、チームによってはテーブルを用意してサイン会などを実施。グッズを配るチームもあり、ファンとのコミュニケーションを積極的に図ろうとしている。一方、このフォーミュラEのピットウォークは、ピット作業が見られるだけで、そこにはファンとのコミュニケーションを図ろうという意図は見えない。これは、海外のレースでは基本的なスタイルで、日本のSUPER GTや、それに追随したスーパーフォーミュラのサービスが素晴らしすぎるだけだろう。

 とくにSUPER GTでは、ピットウォークのパスを持っていなくてもドライバーとファンが触れ合えるよう、決勝日の午前中の練習走行を廃止。その代わりにスタンド裏のイベントスペースなどへの参加時間をドライバーに提供した。一部のチームには練習時間、セッティング時間が減ることへの不満があったようだが、SUPER GTを運営するGTアソシエイションの坂東代表は、「サーキットへ訪れてくれるお客さんを大切にしたい」と以前記者会見で語っていた。その辺りのスタンスも含めて、フォーミュラEのピットウォークを楽しむのがお勧めだ。

こちらは車検エリア。各チームが1台ずつマシンを持ってきて車検を受けていた
車検を受けたマシンと、これから車検を受けるマシンがお見合い。おおらかでゆったりした運営状況が見て取れる

 ドライバーは常時いないものの(いてもファンサービスなどはせず仕事をしている)、仮設テントのため圧倒的な近さでマシンを見ることができる。ピットが通路の両側に並び、車検テントもその一角にあるため、マシンを運ぶすぐ横でさまざまなものを確認でき、写真撮影も比較的制限されていない。本記事に掲載した写真も、報道エリアからのものは一切使わず、ピットウォーク可能なパスで入れるエリアから撮影したものばかりだ。フォーミュラEを観戦する機会があったら自分なりの視点で楽しんでみるのがよいだろう。