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Dynaudioサウンドシステムを搭載したフォルクスワーゲン限定車「DYNAUDIO Edition」体験レポート
ティグアンでDynaudioを試してみた
2018年2月5日 16:46
- 2018年2月1日 発売
- ゴルフ:362万9000円
- ゴルフ ヴァリアント:376万9000円
- ティグアン:471万9000円
フォルクスワーゲン グループ ジャパンは2月2日、前日に発表した「ゴルフ」「ゴルフ ヴァリアント」「ティグアン」のプレミアムサウンドシステム搭載限定車「DYNAUDIO Edition(ディナウディオ エディション)」の説明会を開催した。会場では実車に乗り込み、Dynaudioのサウンドシステムを実際に視聴することができた。
本国ではオプションとして用意されるDynaudioのサウンドシステム
今回導入した限定車のDynaudioのサウンドシステムは、ドイツ本国などでは通常のオプションとして用意されており、ゴルフ以上の上級車種で搭載を選択することができる。Dynaudioの搭載にあたってはアンプからスピーカーまで車種別にセッティングを施しており、単にDynaudio製のスピーカーユニットを搭載しただけではないという。
日本国内のフォルクスワーゲン車でDynaudioのサウンドシステム搭載は、2008年登場の「パサートCC」に実績があるが、それ以降、搭載車は用意していなかった。今回は限定車として導入し、合わせてレザーシートやほかの人気オプションともセットで提供する。
具体的にDynaudioの手が入っているところは、オーディオをはじめカーナビゲーションシステムやコネクテッドカーを実現する純正インフォテイメントシステム「Discover Pro(ディスカバー プロ)」にDynaudioの音に関するメニューが追加されるとともに、Dynaudioがチューニングしたアンプ、スピーカーが搭載される。
ゴルフ、ゴルフ ヴァリアント、ティグアンの国内導入モデルでは、通常、4枚の各ドアやドア上部に低域用と高域用のそれぞれ2つのスピーカーが搭載される8スピーカー仕様だが、「DYNAUDIO Edition」ではさらにスペアタイヤのホイール部分に10.5L デュアルコイルサブウーファーを装着している。
ティグアンについてはそれらに加えて、ダッシュボード上にセンタースピーカーを装着した10スピーカー仕様。ドルビープロロジックIIに対応し、サラウンドサウンドに変換して臨場感と深みのある音質を提供しているという。
視聴すれば違いが分かる「DYNAUDIO Edition」
ティグアンの「DYNAUDIO Edition」に乗り込み、実際に視聴。クラシックからボーカル、さらに録音の古い歌謡曲まで聴いてみたが、全体的にクリアかつ明瞭。録音の古いソースではテープのヒスノイズまで濁りなく聞き取れる。
サウンドキャラクターでオリジナル、ソフト、ダイナミックと好みの音質で楽しめるほか、特に人の声を明瞭に聞き取りやすいモードとして「スピーチ」が用意される。
また、サウンドフォーカスとしてリスニングポジションを設定できる。全体のほか、フロント左、フロント右、リアに切り替えが可能。全体を指定するよりもポジションを指定した場合はさらにクリアに聞こえる。
リアシートでも同様で、それぞれのドアにスピーカーがあることで音源が前方にあり反射音ではない音が耳に伝わってくる。リアシートに座っていて音量を上げてもうるささを感じない。
オーディオのソースとしてはハイレゾに対応。持ち込んだWAVやFLAC形式での再生にも対応した。
念のため、同じティグアンで通常のディスカバー プロを搭載する車両に乗り換え、同じソースを聴いてみたが、Dynaudio搭載車とは薄紙が1枚あるかないかほどの違いが感じられる。分かりやすいところでは、高音の小さい音が潰れずに聞こえるかどうかの違いがあり、音楽の気持ちよさという点では差が出てくるものと思われる。
ただ、通常のティグアンの音がわるいかというとそうではない。通常車でも高い音から低い音まで嫌な共振がなく確実に聞こえてくるという印象で、Dynaudio搭載車ほどではないにしろ細かな音の再現性は高い。
カーオーディオの音質はアンプやスピーカーだけの性能で決まるわけではなく、内装の素材や取付、ボディパネルの状態なども大きく左右する。特にオーディオ性能を謳っているわけではないノーマルのティグアンでこの音質を実現できるベースがあるからこその「DYNAUDIO Edition」の音質なのだと実感できる。
単にDynaudioのユニットを供給しているのではない
Dynaudioについては国内代理店であるDYNAUDIO JAPAN 代表取締役の前田正人氏が説明した。
Dynaudioは1977年登場のブランド。一貫してデンマークの自社工場で製造していることが特徴で、重要パーツも全て自社製造している。ホーム、カー、プロフェッショナルの3つの分野のスピーカーを手がけている。目指しているものは「音楽愛好家に色付けの少ない、全く色づけをしないスピーカー」として「こちら側で音楽を解釈するようなことをしないスピーカーを作りたい」という。
ホームやカーオーディオのスピーカーのほか、プロフェッショナル用が放送局やスタジオなどで使われ、「世界の音楽スタジオの3分の1がDynaudioだと言われ、再生する場でも製造する場でもDynaudio」と説明した。
カーオーディオ製品はアフターマーケット向けに展開していたが、フォルクスワーゲンとの関わりは2001年から開始。最近のデータではフォルクスワーゲン向けに年間86万5000基のスピーカーを納入しているという。
開発体制についても、Dynaudioの開発現場は通常はオープンな場所だが、フォルクスワーゲンのシャシーが入っていると言われる立入禁止の場所があると本国のラボの様子を説明。「ユニットを供給しているのではない」とし、セッティングまできちんとしていることを強調した。
なお、今回の共同開発にDYNAUDIO JAPANは関わってはいないが、前田氏は「我々にとっては、大きな後押しになる。Dynaudioをこれで知ってもらう」と限定車に期待を寄せた。
Dynaudioのシステムを搭載しながら割安な価格設定
今回の限定車「DYNAUDIO Edition」は、ゴルフ、ゴルフ ヴァリアント、ティグアンのいずれもTSIハイラインをベースに特別装備を加えたもの。Dynaudioのサウンドシステムのほか、通常は選べない組み合わせも提供される。
ゴルフ、ゴルフ ヴァリアントは通常用意されない茶色のレザーシート、「ヴォルケーノブラウンマイクロフリース&ナパレザーシート」の装備や専用17インチアルミホイールを装備する。
ティグアンのシートは通常も選べるサフラノオレンジレザーシートだが、通常、レザーシートは電動パノラマスライディングルーフなどとセット装着だが、「DYNAUDIO Edition」ではレザーシートのみの装備ができる。また、専用19インチアルミホイールも装備される。
ボディカラーも通常のラインアップにないインジウムグレーメタリックを3車種に用意、ゴルフとティグアンは通常オプション色のオリックスホワイト マザーオブパールエフェクトも選択できる。さらに、通常はブラックとなるルーフアンテナがボディ同色仕様となることも「DYNAUDIO Edition」だけの装備となる。
価格面ではゴルフ、ゴルフ ヴァリアントではディスカバープロを含むテクノロジーパッケージとレザーシートが装備されることなどを考慮すれば「DYNAUDIO Edition」は非常に割安な設定。ティグアンについても通常とは違ってレザーシート単体で装備できることや19インチアルミホイールの装備からお得感が高いものとなっている。