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ネッツトヨタ東京、長野オリンピック 金メダリストの清水宏保氏も参戦する2018年モータースポーツ活動発表会
「憧れていたレース参戦がようやく実現しました」と清水選手
2018年3月2日 19:42
- 2018年3月1日 開催
TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race(86/BRZ Race)やNetz Cup Vitz Race(ヴィッツレース)に「ネッツ東京レーシング」として参戦しているネッツトヨタ東京は3月1日、東京都世田谷区にあるGR Garage 東京若林で2018年度のレース参戦体制に関する発表会を開催した。
発表会では最初に、モータースポーツ事業部 チーフマネジャーの吉川氏からネッツトヨタ東京のモータースポーツ活動について説明があった。吉川氏は「弊社は2013年からモータースポーツ活動を始めていて、ヴィッツレース、86/BRZ Race、ラリーにも参戦し、モータースポーツ活動のノウハウを蓄積してきました。そこで得たノウハウはお客さまにクルマの楽しさをよりたくさん知っていただくことに生かしてまいりました」と、モータースポーツ活動を単なる挑戦だけでなく、店舗におけるユーザーサービスにつなげていると解説した。
そしていよいよ本題の2018年モータースポーツ活動の内容だ。参加カテゴリーは2017年同様、86/BRZ Race、ヴィッツレース、TOYOTA GAZOO Racing Rally Challenge(TGRラリー)とのこと。それぞれのドライバーは、86/BRZ Race・プロフェッショナルシリーズには2017年同様、脇阪寿一選手が引き続き参戦。そして2017年はヴィッツレースに参戦していた社員ドライバーの水谷大介選手が、今シーズンから86/BRZ Raceのクラブマンシリーズに参戦する。
次にヴィッツレースのヴィッツ関東シリーズだが、ここにはなんと長野オリンピックのスピードスケートで金メダルを獲得した清水宏保選手がドライバーとして参戦することになった。さらにもう1台、社員ドライバーであり、2017年までは86/BRZ RaceとTGRラリーに参戦していた長山等選手がヴィッツレースに参戦。
最後にTGRラリーだが、このカテゴリーにはモデル、タレント、クルマ系メディアでの執筆などなど幅広いフィールドで活躍する塚本奈々美選手が86で参戦。塚本選手とペアを組むコ・ドライバーは2014年に「チームランドクルーザー トヨタオートボディ」でダカールラリーにドライバーとして参加した経歴を持つ寺田昌弘選手が担当する。
また、TGRラリーのC-1クラスにもネッツトヨタ東京の社員から公募する1チームが参戦予定で、こちらの車両はアクアとなる。ドライバーまだ未定とのこと。
「1つでも上の順位を目指していきます」と清水選手
続いては選手1人ずつのインタビュー。最初は清水選手だった。マイクを取った清水選手に司会者から「ヴィッツレースに参戦するとのことですが、参戦を決めた理由を教えて下さい」という質問。それに対して清水選手は「レースが大好きで、SUPER GTも脇阪さんがドライバーとして走っていたときから見に行っていました。それに実は長野オリンピックに出ているころから『クルマのレースがやりたい』と思っていたくらいレースに憧れがあったんですが、それがようやく実現しました」と語った。
そして「スケート競技の現役を退いてからは“清水さん”と呼ばれていましたが、レースに出ることになって、また“清水選手”と呼んでもらえるようになったのがうれしいですね」とのこと。そして「目標は?」の問いには「とにかく一生懸命やって、1つでも上の順位を目指していきます」と答えた。
次はTGRラリーに参戦する塚本選手がマイクを取った。塚本選手はレース経験は豊富だがラリーは初参戦という。これについて塚本選手は「TGRラリーが非常に盛り上がっているという話はいろいろなところから聞いています。そんな競技に参加できることを楽しみにしています。ただ、私自身、ラリーに出たことがないのですが、これまで86/BRZ Raceで培ってきた技術をラリーの場で生かしていければと思っています。それになんと言っても、寺田選手という大先輩が一緒に乗ってくれることが心強いです」とのこと。
続いては、コ・ドライバーとして参戦する寺田選手。寺田選手からは「私にはハイラックスやランドクルーザーのイメージがあるようで、86でラリーに出ると言うとピンとこない人もいたようですが、実はTRDラリーチャレンジが行なわれていたとき、ヴィッツのコ・ドライバーとして参戦したことがありますので、背の低いクルマのラリー車に乗るのは初めてではないのです」とのこと。
そして「そのときも美しい女性がドライバーでした。今回も美しい女性の横に乗れますので非常に楽しみにしております。塚本選手はクルマの扱いに関してはレースやドリフトで経験を積んでいらっしゃるので、ターマックに関してはボクより上手です。ただ、ラリーは1回ミスしてしまうとそれが大きく響くので、その部分だけは的確にアドバイスしていきたいと思っています」とジョークを交えてコメントした。
ここからはネッツトヨタ東京の社員ドライバー2人の紹介だ。まずは86/BRZ Race クラブマンシリーズに出場する水谷選手。2017年はヴィッツレースに参戦していたが、2018年の活動を社内で検討した結果、今シーズンは86/BRZ Raceを担当することになったという。水谷選手は2014年にも86/BRZ Raceに参戦しており、その年はシリーズランキングが13位と、本人曰く不本意な結果になったとのこと。そこで「今年はそれを巻き返す意気込みでいます」と語っている。
長山選手からは「去年は86でしたが、今年はヴィッツに乗ることになりました。ヴィッツのレースは初めてなので、水谷選手にいろいろと習ってレースで上の順位を狙えるようになりたいと思っています」と語られ、長山選手は練習のためにすでに何度かサーキットでヴィッツに乗っているとのことだが、「自分が乗るのはGRスポーツのレーシングパッケージですが、前のモデルと比べるとリアの剛性が上がっているのがすぐに分かります」との感想も紹介された。
最後は86/BRZ Raceのプロフェッショナルシリーズにフル参戦する脇阪選手だ。脇阪選手からは「こういう参加型のモータースポーツに今年も出させていただけることに感謝しています。ネッツトヨタ東京がモータースポーツに参加してから5年目になりますが、モータースポーツ活動自体が年々大きくなってくることにものすごく喜びを感じています。ボクは普段から“モータースポーツをメジャースポーツにする”ということに取り組んでいます。その一環としてお手伝いをさせてもらっているクルマの販売店が行なうモータースポーツ活動、これが1部署にとどまらず、その輪が会社全体に広がっていくことにも喜びを感じています」。
「また、今年は清水選手という世界一の選手が、われわれと共にレースに出てくれるということもとてもうれしいことです。このような環境の中、われわれと一緒に活動してくれるネッツ東京レーシングのメンバーは、レースで体験して覚えたクルマの楽しさというものをお客さまに伝えてほしいと思います」と語った。
最後はネッツトヨタ東京 代表取締役社長の片山守氏が締めの挨拶を行なった。片山社長からは「2013年のヴィッツレース参戦から始まって、2016年から脇阪さんにわれわれのクルマに乗っていただいています。そのあたりから大変レベルが上がってまいりまして、われわれのレース活動はより高いものを目指すようになりました。そして塚本さんにも合流していただき、今年からは清水さん、寺田さんというビッグネームにも参加していただくことになって、このような大変強力な布陣で2018年シーズンに取り組んでいけることになりました。私どものネッツ東京レーシングはナンバー付きのクルマでレースをしています。そんなお客さまに一番近いところでモータースポーツの楽しさを広めていきたいと思っていますので、ぜひよろしくお願いします」と語り、ネッツトヨタ東京 2018年モータースポーツ活動発表会は終了した。