ニュース
スバル、STI創立30周年記念コンプリートカー「WRX STI TYPE RA-R」。500台限定で499万8240円
回転バランスを極めた「バランスドBOXER」は329PS/432N・mを発生
2018年7月19日 11:10
- 2018年7月19日 発売(500台限定。12月17日まで受注)
- 499万8240円
スバルは7月19日、STI(スバルテクニカインターナショナル)と共同開発した「WRX STI」をベースとする限定車「WRX STI TYPE RA-R」を発売した。販売台数は500台限定で、12月17日まで受注を行なう。価格は499万8240円。
このモデルは、STIが富士重工業(現スバル)の子会社として1988年4月2日に創立し、2018年で創立30周年を迎えたことを記念するコンプリートカー。車名に与えられたRA-Rは「Record Attempt Racing(記録への挑戦)」の3つの頭文字を使ったものとなっている。
エンジンはベース車と同じ「EJ20」型の水平対向4気筒DOHC 2.0リッターターボだが、2017年10月にリリースした限定車「S208」でも採用された「バランスドBOXER」を採用。レースカーでも使われる手法によって回転精度を高め、ピストン&コンロッドの重量公差を量産車から50%低減。さらに回転バランス公差をクランクシャフトで85%、フライホイール&クラッチカバーで50%低減して、低回転からレブリミットまで精密なエンジン回転フィーリングを実現し、高回転域をキープしやすいようにした。
さらにトルクバンドを広くするため、「ボールベアリング・ツインスクロールターボ」を採用したほか、マフラーでも内部構造を一新。排気系の通気抵抗を量産車から約60%低減しており、出力を高めるほか、加速時のアクセルレスポンスの向上、伸びやかなエキゾーストサウンドなどに貢献している。エンジンルーム内にはボンネットのエアスクープから取り入れた外気の流入経路を整理する「パフォーマンスシュラウド」を追加し、エアクリーナーエレメントもSTI製の低圧損タイプに変更。
これらの改良により、TYPE RA-Rで搭載するバランスドBOXERではベース車から21PS/10N・mアップとなる最高出力242kW(329PS)/7200rpm、最大トルク432N・m(44.0kgf・m)/3200-4800rpmを発生する。
足まわりではハイグリップタイヤとしてミシュランの「PILOT SPORT 4 S」(サイズはベース車と同じ245/40 ZR18)を採用し、マットブラックカラーの「STI製BBS 18インチ 8 1/2JJアルミホイール」をセット。タイヤが持つグリップ力を引き出すため、サスペンションはKYB製の専用ダンパー&スプリングを開発。ダンパーはフロントが倒立式となり、車高は10mmローダウンしている。
「マルチモードVDC」は制御内容を変更し、VDCでトラクションモードを選択している場合に「アクティブトルクベクタリング」の作動が変化して、通常はフロントタイヤのみにブレーキ制御が効くところを、前後どちらのタイヤにもブレーキが働くようになる。さらにステアリングのギヤ比を11:1に変更する「クイックステアリングギヤボックス」も採用した。
このほか、強化された動力性能に対応するため、ハイμ仕様の「STIパフォーマンスブレーキパッド」を、シルバー塗装に変更したフロント モノブロック対向6ピストンキャリパー、リア モノブロック対向2ピストンキャリパーのブレンボ製ブレーキシステムに組み合わせる。
走行面では軽量化の徹底追究も大きなトピックとなっており、前出のSTI製BBSアルミホイールのほか、「ドライカーボン製エアロドアミラーカバー」を採用。ウォッシャータンク容量を4Lから2.5Lに削減し、さらにベース車で採用する「ポップアップ式ヘッドライトウォッシャー」「リア間けつワイパー&ウォッシャー」「リアフォグランプ」「フロントフードインシュレーター」「大型フロア下アンダーカバー(トランスミッション下、床下センター)」「STIロゴ入りステンレス製サイドシルプレート(フロント)」「リアシートセンターアームレスト(カップホルダー付)」「スペアタイヤ」などを軽量化のため装備から除外。トータルでベース車から約10kgの軽量化となり、パワーウエイトレシオは4.498kg/PSを達成。0-100km/h加速4.8秒の加速性能のほか、旋回時の限界G、スラローム通過速度など多方面で走行性能を引き上げる要因となっている。
外観ではチェリーレッドストライプを配した「メッシュタイプフロントグリル」と「リアバンパー」、ブラックカラードタイプの「STIエンブレム付サイドガーニッシュ」のほか、「RA-Rリアオーナメント」「STI 30th ANNIVERSARYエンブレム」などを装着。ボディカラーは「WRブルー・パール」「クリスタルホワイト・パール」「クリスタルブラック・シリカ」「ピュアレッド」の4色を設定している。
インテリアではレッドステッチが施されたファブリック&トリコットを表皮に使う「フロントスポーツシート&リアシート」を採用し、インパネ加飾パネルをRA-Rロゴ入りのハイグロスブラックに変更。シフトノブはブラックの「STI製ジュラコンMTシフトノブ」となり、レザー調の素材を使ったドアトリム、ドアアームレスト、コンソールリッドにもレッドステッチを与えてスポーティテイストを演出する。また、トランクスペースにはタイヤパンク修理キットを備えたサブトランクが用意される。
このほかTYPE RA-Rでは、ベースとなるWRX STI向けにSTIが用意している「STI PERFORMANCE PARTS」の装着に対応。内外装を個性化したり、走行性能を好みに合わせてコントロールする「フレキシブルパーツ」などを追加することで自分好みにカスタマイズできるようになっている。