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2018 DTM 第6戦 ブランズハッチレポート

2018年8月11日~12日(現地時間)開催

予選1の「パドック・ヒル・ベント」でコースアウトし、サンドトラップを通過してバリアに激突するガリー・パフェット

 8月11日~12日(現地時間)、イギリスのブランズハッチ サーキット(3.916km)ででDTM(Deutsche Tourenwagen Masters)第6戦のレース1とレース2が、それぞれ18台が参加して行なわれた。ブランズハッチでの開催は2013年以来5年ぶり。

 なお、イギリス人ドライバーはメルセデスのガリー・パフェットとポール・ディレスタ、アウディのジェミー・グリーンの3人が参戦している。

8月11日に行なわれたレース1(18台で41周。晴れ)

 ドライバーズポイントのトップ3、メルセデスのガリー・パフェット(ゼッケン2、Mercedes-AMG Motorsport PETRONAS)が148ポイント、メルセデスのポール・ディレスタ(ゼッケン3、Mercedes-AMG Motorsport REMUS)が121ポイント、BMWのティモ・グロック(ゼッケン1、BMW Team RMG)が101ポイントで迎えた第6戦。

 予選1で、ガリー・パフェットが「パドック・ヒル・ベント」コーナーでサンドトラップを通過し、タイヤバリアに激突(そのまま自力で脱出してピットへ)。ポールポジションは、今期2度目となるメルセデスのダニエル・ジュンカデラ(ゼッケン23、Mercedes-AMG Motorsport REMUS)。

ポールポジションを獲ったダニエル・ジュンカデラ
グリッドガール

 決勝でダニエル・ジュンカデラはスタートでもたつき、2番グリッドからスタートしたルーカス・アウワー(ゼッケン22、SILERPFEIL Energy Mercedes-AMG Motorsport)に先行を許してしまう。しかし、ピットストップをルーカス・アウワーより2周早めの7周目で済ませたダニエル・ジュンカデラは、15周目にトップに立ってレースをリード。その後トップを譲ることなくチェッカーを受けて、DTMでキャリア初優勝を飾った。2位はBMWのオーグスト・ファルフス(BMW Team RMG)、3位はルーカス・アウワー。

 14番グリッドからスタートしたアウディのロイック・デュバル(Audi Sport Team Rosberg)は、ピットストップを早々の1周目に終える作戦をとるも、坂をかけ上がってフルブレーキの「ドルイド」ヘアピンで突っ込んでしまい黄旗の原因に。1周リタイアに終わってしまった。

ルーカス・アウワーを先頭に「ヘイル・ウッド ヒル」を駆け上がる各マシン
「ドルイド」ヘアピンをクリアしていくマシンを後方から
ニコ・ミューラー(51)、ジェミー・グリーン(53)、マイク・ロッケンフェラー(99)という3台のアウディによるポジション争い
ギリギリまで攻めてたびたび砂煙を巻き上げるアグレッシブな走りのジェミー・グリーン
2周目の「ドルイド」ヘアピンで突っ込んでしまい、1周リタイアに終わったロイック・デュバル
トップを走行するルーカス・アウワーと追うダニエル・ジュンカデラ
序盤で3位を走行するオーグスト・ファルフス
ポール・ディレスタ、ニコ・ミューラー、ロビン・フリジンの3台がテール トゥ ノーズの接戦
トップを走行するルーカス・アウワーに迫るダニエル・ジュンカデラ
序盤に3位を走行するオーグスト・ファルフス
序盤に5位を走行するガリー・パフェット
序盤10周目。ジョエル・エリクソン(47)、マイク・ロッケンフェラー(99)、ロビン・フリジン(04)の3台が横並びで「ドルイド」ヘアピンをクリア
9周目~11周目にトップを走行するエドアルド・モルタラ。後方はパスカル・ウェルライン
15周目からトップに立ったダニエル・ジュンカデラにオーグスト・ファルフスが続く
ルーカス・アウワー(22)、レネ・ラスト(33)、フィリップ・エング(25)の3位争い
横並びで「ドルイド」ヘアピンをクリアするマルコ・ウィットマン(11)とジェミー・グリーンの9位争い
ポール・ディレスタの背後につけるニコ・ミューラー(51)
7位を走行するパスカル・ウェルラン
8位を走行するエドアルド・モルタラ(48)
ティモ・グレック(16)、ロビン・フリジン(04)、ジェミー・グリーン(53)の中盤の10位争い
ロビン・フリジンを追うジェミー・グリーン
トップを走行するダニエル・ジュンカデラ
251km/hのトップスピードをマークしたロビン・フリジン

 完走は17台となり、ガリー・パフェットが156ポイントでトップを堅守。2位ポール・ディレスタ(121ポイント)のほか、106ポイント獲得でルーカス・アウワーが6位から3位に浮上。元F1チャンピオンのデーモン・ヒル氏がレース1の優勝者に優勝トロフィを渡すプレゼンテーターを務めた。

DTMキャリア初優勝を飾りパルクフェルメでジャンプするダニエル・ジュンカデラ
DTMキャリア初優勝を飾り喜ぶダニエル・ジュンカデラ
中央は優勝のダニエル・ジュンカデラ、左は2位のオーグスト・ファルフス、右は3位のルーカス・アウワー
優勝者へのプレゼンテーターを務めたデーモン・ヒル氏
シャンパンシャワー
ゲルハルト・ベルガーITR代表
日曜日の朝に行なわれたピットウォーク

8月12日のレース2(18台で40周。曇りでほんの少しパラパラ雨が降るがドライコンディション)

レース2のセレモニー

 予選2は、ガリー・パフェットとポール・ディレスタのイギリス人同士、メルセデス同士の争いとなり、ガリー・パフェットがポールポジションを獲得。今期F1からDTMに復帰したパスカル・ウェルライン(Mercedes-AMG Motorsport PETRONAS)が3番グリッド。

 レースではスタートから、ガリー・パフェットとポール・ディレスタがサイド バイ サイドでトップ争い。ポール・ディレスタがトップに立つが、1周目にアウディのロビン・フリジンとメルセデスのルーカス・アウワーの2台がコースアウトしたため、2周にわたりセーフティカーが入る。

ピット側に傾斜したホームストレート。ポールポジションスタートのガリー・パフェット(02)とポール・ディレスタ(03)のイギリス人、メルセデス同士のサイド バイ サイドのスタート
ポール・ディレスタ(03)がトップで「ドルイド」ヘアピンをクリアして「グラハム・ヒル・ベント」へ
2周にわたりセーフティカーが入る展開になった
スタートから1周目でマシンにダメージを負ったオーグスト・ファルフス

 再スタート後もポール・ディレスタとガリー・パフェットのサイド バイ サイドの熾烈なトップ争いが続き、ポール・ディレスタがトップを堅守。9周目から30周目までピットストップを遅らせたジェミー・グリーンがトップを走行するが、31周目にジェミー・グリーンがピットに入るとポール・ディレスタが再びトップに。2番手のガリー・パフェットに続き、ディフェンディングチャンピオンのアウディのレネ・ラスト(Audi Sport Team Rosberg)が3位に浮上して、10周にわたってトップ3が激走。メルセデスが1、2でフィニッシュした。

 ロイック・デュバルはレース1のリタイアをはね除けるように、予選2のセッションいっぱいまで走り切って9番グリッドを獲得。レースでは10位を走行していたが、残り4周というところで左リアタイヤのスローパンクチャーの不運に見舞われ、37周 17位でレースを終えた。1周目にマシンにダメージを負ったBMWのオーグスト・ファルフスはリタイアし、完走は17台。

 177ポイントのガリー・パフェットがトップのまま変わらず。2位ポール・ディレスタ(148ポイント)、レースで5位に入賞したマルコ・ウィトマンは110ポイント獲得となり、6位から3位に浮上した。

再スタートでポール・ディレスタ(03)がトップを堅守
ポール・ディレスタ(03)がトップで「ドルイド」ヘアピンをクリアし、「グラハム・ヒル・ベント」へ
トップを走るポール・ディレスタ
マシンにダメージを負ったままレースを続行するオーグスト・ファルフス
早々にピットインを済ませてコースインするニコ・ミューラー(51)、ブルーノ・スペングラー(07)
早々にピットインするレネ・ラスト
序盤に3位を走行するエドアルド・モルタラ(48)
ピット作業のオーグスト・ファルフス。ピットアウトするのはフィリップ・エング(25)
レネ・ラスト(33)、パスカル・ウェルライン(94)の順位争い
ダメージ部分をテープで止めてレースを続行するオーグスト・ファルフス
中盤で3位から2位を走行するポール・ディレスタ(03)
ピットインを30周まで遅らせる作戦で、9周目から30周目までトップを走行するジェミー・グリーン
複数台が争うシーンのバックショット
「ヘイル・ウッド・ヒル」を駆け上がるトップのポール・ディレスタと2位のガリー・パフェット
「ヘイル・ウッド・ヒル」を駆け上がるジョエル・エリクソン(47)とロビン・フリジン
ロイック・デュバルのマシンで左リアタイヤのスローパンクチャーが発生
マルコ・ウィトマン(11)とマイク・ロッケンフェラー(99)の5位争い。マイク・ロッケンフェラーがインを取ろうとするもマルコ・ウィトマンがブロック
10周に渡り展開されたポール・ディレスタ、ガリー・パフェット、レネ・ラストの3台の争い
今期2勝目を獲得し、タイヤスモークを上げながら戻ってくるポール・ディレスタ
今期2勝目を挙げてガッツポーズするポール・ディレスタ
表彰式とシャンパンファイト。優勝ポール・ディレスタ、2位ガリー・パフェット、3位レネ・ラスト