トヨタ、Uberと自動運転車の協業拡大。Uberの自動運転キットとトヨタガーディアンシステムを搭載したAutono-MaaS車両「シエナ」を2021年導入

Uberの自動運転キットとトヨタガーディアンシステムを搭載したAutono-MaaS車両「シエナ」のシステム図

　トヨタ自動車は8月28日、ライドシェアサービスを行なっているUberと自動運転車に関する技術での協業を拡大すると発表。Uberの自動運転キットとトヨタのガーディアンシステム搭載したライドシェア専用車両を、20121年にUberのライドシェアネットワークに導入する。また、同日トヨタがUberに5億ドル出資することも発表された。

　自動運転車となる専用ライドシェア車両は、トヨタのミニバン「シエナ」で最初の自動運転モビリティサービス“Autono-MaaS”専用車両になるという。Autono-MaaS車両は、コネクティッドカーの基本的な情報基盤として機能する“MSPF（モビリティサービス・プラットフォーム”に常時接続し、Uberの自動運転キットとトヨタのガーディアン（高度安全運転支援）システムを搭載する。

　両社は、Uberとトヨタが自動運転技術の今後を見据える際に、規模の拡大という意味でも、今回の協業は非常に重要なものと位置づけている。今後両社は協業を通じ導入する量産型の自動運転車両の運営や、第三者を含む運営会社についても検討していく。

　今回の協業拡大について、トヨタ 副社長であり“コネクティッドカンパニー”プレジデントの友山茂樹氏、Uber CEOのダラ・コスロシャヒ氏、TRI（Toyota Research Institute） CEOでトヨタのフェローであるギル・プラット氏は以下のコメントを発表している。

トヨタ 副社長 友山茂樹氏

　世界最大のライドシェア企業の一つであるUber社との提携は、トヨタがモビリティカンパニーへと変革する上で、重要なマイルストーンになるでしょう。トヨタとUber社、両社の技術とプラットフォームを連携させたライドシェアサービスは、安全で安心な自動運転モビリティサービスの実現へ向けた一つの道筋になると考えています。

Uber CEO ダラ・コスロシャヒ氏

　今回の協業は、Uber社にとって前例がないものであり、常に世界水準の技術を自社のネットワークに導入するという決意を示しています。我々の目標は、Uber社のネットワークに、世界で最も安全な自動運転車を投入することであり、今回のトヨタとの合意はその実現に向けた大きな一歩になります。我々の先進技術と、トヨタの安全へのコミットメントや世界的に有名な製造技術との組み合わせは、ごく自然な調和であり、両社が協力して生み出される成果が大変楽しみです。

TRI（Toyota Research Institute） CEO ギル・プラット氏

　Uber社の自動運転キットとトヨタのガーディアンシステムの双方が、二重に周辺状況をリアルタイムで監視することで、車両の総合的な安全性を高めます。両社の自動運転技術の開発と導入を加速させる今回の協業に期待しています。