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ソニー、カーエレ名古屋で4K~5Kクラスの車載用イメージセンサーを世界初公開

ユーザーの要望により、アスペクト比を縦方向に拡大

第1回 名古屋カーエレクトロニクス技術展のソニーブースでは、車載用イメージセンサーを展示していた

 9月5日~7日にポートメッセ名古屋(愛知県名古屋市港区金城ふ頭)で開催された「第1回 名古屋カーエレクトロニクス技術展」(以下、カーエレ名古屋)。このカーエレ名古屋は、リードエグジビションジャパンが主催して行なわれたもので、東京で毎年1月に開催されているオートモーティブ ワールドの名古屋版になる。

 東京での開催同様に、さまざまなメーカーが新技術や新製品を出展していたが、本記事では車載用イメージセンサーの世界初公開を行なっていたソニーを紹介する。

ソニー車載イメージセンサーの取り組みなど

 ソニーは2014年10月に、当時世界最高感度の車載カメラ向け1/3型有効127万画素CMOSイメージセンサー「IMX224MQV」を発表。これはソニーとして初めて自動車向け電子部品の信頼性試験基準「AEC-Q100」に対応するイメージセンサーで、ここからソニーの車載向けイメージセンサー事業が本格化した。

 このイメージセンサーは、すでに市販車の先進安全装備に搭載されており、低照度に対応することで夜間の認識性能の改善などを実現している。

 そのソニーがブースで展示していた車載用イメージセンサーが、車載カメラ向け1/2.7型有効245万画素CMOSイメージセンサー「IMX390CQV」、1/1.7型有効742万画素CMOSイメージセンサー「IMX324」、1/3.8型有効123万画素CMOSイメージセンサーSOC(System-On-Chip)「ISX019」。IMX390CQVやIMX324はIMX224MQVに比べ、画素数などの性能を向上。とくにIMX390CQVはLFM(LED Flicker Mitigation)という機能でLED信号やLED看板などが明滅しないようになっているという。

IMX390CQVの展示。電子ミラーでの利用を提示していた
こちらはISX019の展示。SoCでプロセッシング機能を搭載するため、後処理が楽。それを活かして、リアカメラやサラウンドビューカメラなどへの用途を提案

 ISX019はイメージプロセッシングエンジンを一体型としたイメージセンサーで、あらかじめ映像生成されているため利用者はこのISX019から出力される映像信号を加工することに注力できるという。展示ではこのISX019を利用したサラウンドビュー表示やリアカメラ表示などが行なわれていた。

 また、ソニーはこの展示会向けに新たな車載用イメージセンサーを世界初公開。このイメージセンサーは、4K~5K程度の解像度を持ち(詳細は非公開)、アスペクト比もこれまでの横長(16:9)のものから、縦(高さ)方向を拡大した3:2になるという。

IMX290の映像
IMX390の映像。LFMによってLED看板などが見えやすいほか、全体的に感度もよくなっている
世界初公開となった次世代車載用イメージセンサー。3:2のアスペクトレシオかつ広角対応で、広い範囲を見ることができている。解像度は高いが、感度もよさそうだ
Automotive CMOS image sensor - LED Flicker Mitigation -

 これは、ユーザー(つまり自動車メーカーや自動車部品メーカー)からの要望によるもので、縦方向を拡大したのは道路上の情報をより多く見たいためであると言う。また、横長から正方形に近い形となったことで、魚眼レンズなども組み込みやすくなり、高解像度を有効に利用でき、画像プロセッシングした場合の有効画素も多くなる。より少ないカメラ数で、より多様な機能を実現できるようになるとのことだ。