ニュース
【F1日本グランプリ 2018】初日練習走行。メルセデス2台の走りが他を圧倒
予選は10月6日、決勝は晴天が予想される10月7日
2018年10月5日 23:23
- 2018年10月5日~7日 開催
「2018 FIA F1世界選手権シリーズ 第17戦 Honda日本グランプリレース」が、10月5日~7日の3日間にわたり三重県鈴鹿市にある鈴鹿サーキットで行なわれている。初日となる10月5日には午前中にフリー走行1回目(FP1)、午後にフリー走行2回目(FP2)が行なわれ、初日のトップはFP2でトップタイムをマークしたメルセデスのルイス・ハミルトン選手が獲得した。
2位も同じくメルセデスのバルテリ・ボッタス選手で、メルセデスの2台だけが1分28秒台に入れる驚速ぶりを示しており、事前の予想通りメルセデスの2台が日本グランプリを支配する可能性が高まってきている。3位はハミルトン選手と50ポイント差でランキング2位となっているセバスチャン・ベッテル選手。
注目のトロロッソ・ホンダは、FP2でエースのピエール・ガスリー選手のパワーユニットにトラブルが発生し、その修正に時間がかかったが残り15分で再スタートができてFP2は13位。ただし、FP1では11位になっており、トラブルがなければもう少し上の順位が望めそうだ。チームメイトのブレンドン・ハートレー選手はFP1はテストに集中してタイムアタックをしなかったこともあり17位だったが、FP2では10位につける好調ぶりを示しており、クルマのポテンシャル的には十分に予選3回目(Q3)に進めるパフォーマンスがありそうだ。
メルセデス勢が1-2。マクラーレンのフェルナンド・アロンソ選手がコースアウトするなど引き続き厳しい展開に
台風24号の影響で天気が崩れると予想されていた三重県鈴鹿市の天気だが、午前中に行なわれたFP1のスタート時に雨は降っておらず、トラックはドライの状況で始まった。路面温度はスタート時には22℃だったが、最終的には27℃程度まで上昇した。午後のFP2、明日のフリー走行3回目(FP3)はいずれも降水確率が50%を超えており、雨の可能性があると予想されたため、通常の午前中に比べると多くの周回が行なわれるセッションとなった。
比較的静かなセッションとなっていたが、いくつかのアクシデントが発生した。まず、セッションの中盤にはマクラーレンのフェルナンド・アロンソ選手(14号車 マクラーレン・ルノー)がデグナーの1つ目でスピンしてグラベルに飛び出した。しかし、運がよいことにアロンソ選手はグラベルに埋まることはなく、グラベルの端で停止することができ、そのままグラベルを突っ切ってコースへ復帰することができた。しかし、マクラーレンは、ストフェル・バンドーン選手の代わりにFP1を走り、2019年にマクラーレンの正ドライバーに昇格する予定のランド・ノリス選手(47号車 マクラーレン・ルノー)共々、長い間タイムシートの一番下に沈んでおり、最終的にFP1は18位、FP2は17位と低迷。引き続き今回の日本グランプリでもマクラーレンの苦闘は続きそうだ。
もう1つのアクシデントは終盤のシケインで発生した。ガスリー選手(10号車 スクーデリア・トロロッソ・ホンダ)が、タイムアタックに向けて前との間隔を取るためにスローダウンしているところに、ハミルトン選手(44号車 メルセデス)があわや追突しそうになり、ギリギリよけたもののシケインを止まりきることができず、エスケープロードに逃れて難を避けることになった。この件は審査委員会により審査が行なわれ、ガスリー選手に対して譴責(けんせき)が出されることになった。
FP1のトップタイムはそのハミルトン選手。2位もチームメイトのボッタス選手(77号車 メルセデス)で、メルセデス勢が他のチームを圧倒した。3位はダニエル・リカルド選手(3号車 レッドブル・レーシング・タグホイヤー)、4位はキミ・ライコネン選手(7号車 フェラーリ)、5位はベッテル選手(5号車 フェラーリ)、6位はマックス・フェルスタッペン選手(33号車 レッドブル・レーシング・タグホイヤー)となった。
いわゆるBリーグと通称されるトップ3チームに続く7位はエステバン・オコン選手(31号車 フォースインディア・メルセデス)で、以下ロマン・グロージャン選手(8号車 ハース・フェラーリ)、9位シャルル・ルクレール選手(16号車 ザウバー・フェラーリ)、10位マーカス・エリクソン選手(9号車 ザウバー・フェラーリ)となった。
フリー走行1回目の順位表
順位 | カーナンバー | ドライバー | 車両 | タイム | トップとの差 | 周回数 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 44 | ルイス・ハミルトン | メルセデス | 1分28秒691 | ー | 25 |
2 | 77 | バルテリ・ボッタス | メルセデス | 1分29秒137 | +0.446s | 26 |
3 | 3 | ダニエル・リカルド | レッドブル・レーシング・タグホイヤー | 1分29秒373 | +0.682s | 32 |
4 | 7 | キミ・ライコネン | フェラーリ | 1分29秒627 | +0.936s | 20 |
5 | 5 | セバスチャン・ベッテル | フェラーリ | 1分29秒685 | +0.994s | 20 |
6 | 33 | マックス・フェルスタッペン | レッドブル・レーシング・タグホイヤー | 1分29秒841 | +1.150s | 30 |
7 | 31 | エステバン・オコン | フォースインディア・メルセデス | 1分30秒591 | +1.900s | 28 |
8 | 8 | ロマン・グロージャン | ハース・フェラーリ | 1分30秒814 | +2.123s | 22 |
9 | 16 | シャルル・ルクレール | ザウバー・フェラーリ | 1分30秒929 | +2.238s | 27 |
10 | 9 | マーカス・エリクソン | ザウバー・フェラーリ | 1分31秒073 | +2.382s | 29 |
11 | 10 | ピエール・ガスリー | スクーデリア・トロロッソ・ホンダ | 1分31秒073 | +2.382s | 20 |
12 | 55 | カルロス・サインツ | ルノー | 1分31秒100 | +2.409s | 23 |
13 | 11 | セルジオ・ペレス | フォースインディア・メルセデス | 1分31秒272 | +2.581s | 29 |
14 | 20 | ケビン・マグヌッセン | ハース・フェラーリ | 1分31秒274 | +2.583s | 28 |
15 | 27 | ニコ・ヒュルケンベルグ | ルノー | 1分31秒418 | +2.727s | 18 |
16 | 18 | ランス・ストロール | ウィリアムズ・メルセデス | 1分31秒508 | +2.817s | 27 |
17 | 28 | ブレンドン・ハートレー | スクーデリア・トロロッソ・ホンダ | 1分31秒908 | +3.217s | 23 |
18 | 14 | フェルナンド・アロンソ | マクラーレン・ルノー | 1分32秒034 | +3.343s | 21 |
19 | 35 | セルゲイ・シロトキン | ウィリアムズ・メルセデス | 1分32秒513 | +3.822s | 26 |
20 | 47 | ランド・ノリス | マクラーレン・ルノー | 1分32秒5683 | +3.992s | 30 |
アンタッチャブルなメルセデス勢だけが1分28秒台をマーク、トロロッソ勢はトラブル発生も高い競争力を確認
ところが、午後になっても結局天気は崩れることはなく、FP2もドライのままセッションが行なわれ、各チームともに日曜日の決勝を見据えたセッティングやデータ取りにいそしむこととなった。
各車とも早い時間からコースに飛び出していくが、時間が経ってもトロロッソ・ホンダのエースドライバーであるガスリー選手がコースインしない。ガスリー選手は、チームのホスピタリティブースで映像を見守っている様子が画面に映し出され、ガレージではメカニックがクルマの後部にとりついて作業する様子が映し出された。燃料系のトラブルということで、パワーユニットまわりの修復を行ない、ガスリー選手はピットにとどまらざるを得ない状況になっていた。結局、ガスリー選手は残り15分でコースインして10周だけ周回をすることが可能で、そうした状況の中でも13番手のタイムを出してみせた。状況を考えればわるくないタイムと言える。チームメイトのブレンドン・ハートレー選手(28号車 スクーデリア・トロロッソ・ホンダ)は10位につけており、トロロッソ・ホンダのパフォーマンスは十分中段勢で戦っていけそうな気配が見えている。
トロロッソ・ホンダは前回のロシアグランプリのFP1/FP2でスペック3と呼ばれる新スペックのエンジンを投入したものの、決勝レースでは元のスペック2に戻して戦っており、今回の鈴鹿に向けて万全の準備をしてきただけに、通称Bリーグと呼ばれる、トップ3チーム(メルセデス、フェラーリ、レッドブル)を除いた中段勢の争いでのトップも十分見えている状況だ。
そのトロロッソ・ホンダのライバルになりそうなのが、FP1とFP2で7位になったオコン選手のフォースインディア、やはりFP1とFP2で同じく8位となったグロージャン選手のハース、FP1で10位、FP2で9位となったエリクソン選手のザウバーといったあたり。その3チームとトロロッソ・ホンダが、予選でQ3進出の4枠を巡って争う展開になっていきそうだ。
FP2でトップタイムをマークしたのはFP1と同じくハミルトン選手。2位にはチームメイトのボッタス選手が入り、FP1に引き続いてメルセデス勢の1-2となった。このメルセデスの2台だけが1分28秒台に突入しており、文字通り驚速ぶりを印象付けた。3位はフェラーリのベッテル選手、4位はレッドブルのフェルスタッペン選手、5位はフェラーリのライコネン選手、6位はレッドブルのリカルド選手と、フェラーリとレッドブルが入り乱れる状況で、明日の予選ではメルセデスの1-2が見えてきており、3位を巡ってレッドブルとフェラーリが争うという展開になっていきそうだ。
明日は12時からFP3、15時から予選が行なわれる予定になっている。心配された天気も午前中こそ小雨となる見通しだが、午後には雨もあがり、予選が始まる15時には晴れになるという予報が出ている。それまでに路面がドライになるかは分からないが、心配された台風の影響を受けることもなく、無事に予選が行なわれることになりそうだ。
フリー走行2回目の順位表
順位 | カーナンバー | ドライバー | 車両 | タイム | トップとの差 | 周回数 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 44 | ルイス・ハミルトン | メルセデス | 1分28秒217 | - | 31 |
2 | 77 | バルテリ・ボッタス | メルセデス | 1分28秒678 | +0.461s | 30 |
3 | 5 | セバスチャン・ベッテル | フェラーリ | 1分29秒050 | +0.833s | 36 |
4 | 33 | マックス・フェルスタッペン | レッドブル・レーシング・タグホイヤー | 1分29秒257 | +1.040s | 32 |
5 | 7 | キミ・ライコネン | フェラーリ | 1分29秒498 | +1.281s | 33 |
6 | 3 | ダニエル・リカルド | レッドブル・レーシング・タグホイヤー | 1分29秒513 | +1.296s | 27 |
7 | 31 | エステバン・オコン | フォースインディア・メルセデス | 1分30秒035 | +1.818s | 32 |
8 | 8 | ロマン・グロージャン | ハース・フェラーリ | 1分30秒440 | +2.223s | 32 |
9 | 9 | マーカス・エリクソン | ザウバー・フェラーリ | 1分30秒478 | +2.261s | 33 |
10 | 28 | ブレンドン・ハートレー | スクーデリア・トロロッソ・ホンダ | 1分30秒502 | +2.285s | 27 |
11 | 11 | セルジオ・ペレス | フォースインディア・メルセデス | 1分30秒510 | +2.293s | 28 |
12 | 27 | ニコ・ヒュルケンベルグ | ルノー | 1分30秒644 | +2.427s | 36 |
13 | 10 | ピエール・ガスリー | スクーデリア・トロロッソ・ホンダ | 1分30秒795 | +2.578s | 10 |
14 | 55 | カルロス・サインツ | ルノー | 1分30秒904 | +2.687s | 31 |
15 | 16 | シャルル・ルクレール | ザウバー・フェラーリ | 1分30秒906 | +2.689s | 26 |
16 | 20 | ケビン・マグヌッセン | ハース・フェラーリ | 1分30秒956 | +2.739s | 25 |
17 | 14 | フェルナンド・アロンソ | マクラーレン・ルノー | 1分30秒988 | +2.771s | 34 |
18 | 35 | セルゲイ・シロトキン | ウィリアムズ・メルセデス | 1分31秒087 | +2.870s | 39 |
19 | 18 | ランス・ストロール | ウィリアムズ・メルセデス | 1分31秒215 | +2.998s | 32 |
20 | 2 | ストフェル・バンドーン | マクラーレン・ルノー | 1分31秒981 | +3.764s | 32 |