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ポルシェ、マイチェンした新型「マカン」発表会。デザイン、走行性能、安全装備が進化
千葉県木更津市に総合スポーツドライビング施設「ポルシェ エクスペリエンス センター」ができる!
2018年12月19日 21:06
- 2018年12月19日 開催
ポルシェ ジャパンは12月19日、東京都品川区のB&C HALLにおいてマイナーチェンジを行なったミドルサイズSUV「マカン」の発表会を開催した。新型マカンの価格は669万円のワングレードで、導入当初には「ファーストエディション」(889万円~)、「シュポルトエディション」(916万4000円~)も用意される。新型マカンの正式発売は2019年夏を予定している。
搭載される直列4気筒2.0リッターターボエンジンは最高出力185kW(252PS)/5000-6750rpm、最大トルク370Nm/1600-4500rpmを発生し、トランスミッションには7速PDK(ポルシェドッペルクップルング)を組み合わせて駆動方式は4WD。0-100km/h加速は6.7秒、最高速は225km/hとなっている。
ポルシェ エクスペリエンス センターを千葉県木更津市に設置
発表会では、ポルシェ ジャパン 代表取締役社長の七五三木敏幸氏がポルシェにおける日本市場での取り組みの紹介を行なうとともに、執行役員 マーケティング部長の山崎香織氏が新型マカンのプレゼンテーションを実施。
七五三木社長は、ポルシェが2018年に70周年を迎えたことと、次の年に向けての進化と挑戦についてスピーチ。七五三木社長はベールを被ったままの新型マカンを背に「ポルシェは今年で創業70周年となります。この記念すべき年の締めくくりとして、本日新型マカンを発表させていただきます。本日は3つのテーマでお話をいたします」と挨拶。
最初のテーマはポルシェ70周年の軌跡を振り返ることだ。七五三木社長は「ポルシェ ジャパンでは、70周年記念として5月28日に新型カイエンの発表を行ないました。そしてこれを皮切りにさまざまな取り組みを行なっています。その1つにポルシェ70周年を記念して製作した世界最大の新聞折り込み広告がありますが、こちらは新型カイエンの発表会場にて世界最大の新聞折り込み広告としてギネスに認定されました」と述べるとともに、「6月8日はポルシェが70周年を迎える日ということで、6月に大きなイベントを2本開催しました。1つが6月16日~17日に富士スピードウェイで行なった“ポルシェ・エクスペリエンス・ディ”です。ポルシェ70周年という記念すべき日を、ポルシェオーナーさま、そしてポルシェファンの皆さまとともに祝うイベントとして開催し、大勢のお客さまにご来場いただきました。このイベントではポルシェ カレラカップ ジャパン、ポルシェ カレラカップ アジアといったレースプログラムと合わせ、最新モデルを取りそろえた特別試乗会、そして70台のポルシェでのパレードランなど、ポルシェの世界を十二分に体感いただける2日間となりました」と、ファンイベントが会されたことを紹介。
続けて七五三木社長は、「そしてもう1つが6月18日に箱根ターンパイクを貸し切って開催した“ポルシェ・トリビュート・ツアー”です。ここでは昨年のル・マン24時間耐久レースを制した919 ハイブリッドをベースに開発されたEV『919 tribute』を走らせました。このクルマは世界の主要都市を巡る“919トリビュート・ツアー”のためのクルマであり、それが来日して箱根ターンパイクを走り抜けたのです」。
「このイベントで訴えたものは、919 ハイブリッドで培った電動化技術を市販車に投入する、ポルシェの電動化モビリティへの挑戦でした。動力源が内燃機関からモーターになってもポルシェはポルシェであり続けるというメッセージを込めて、日本から世界に発信しました。そして7月には“ポルシェ グラマラス キャンプ”を開催。こちらではスタイリッシュな非日常的な空間のなか“かけがえない人と分かち合えるひとときを”というテーマのもと、グランピングや試乗会を存分に楽しんでいただきました」。
「7月21日にはフルモデルチェンジした新型カイエンの日本での発売が始まりました。新型カイエンでは新開発した軽量ボディにパワフルなエンジン、そして先進のPORSCHE CONNECTを搭載しています。そんな新型カイエンはこれまで以上に他の追随を許さない“真の本格スポーツSUV”としてお客さまからご好評をいただいております」と、70周年を記念して開催した大きなイベントについて紹介を行なった。
続いて、2019年に向けたポルシェ ジャパンの取り組みについて紹介を行なった七五三木社長は、「これまで何度かお伝えしてきたポルシェ ジャパンからの3つの約束について、その進捗をご報告します。まずは“魅力的なポルシェをご提供し続けることで日本の消費を刺激します”という件について。これに関して2009年以降、ポルシェ ジャパンは毎年販売台数を増やしています。2018年も前年度台数を上まわる販売を見込んでおります。ポルシェは世界的にも好調な販売を記録しており、本年の販売台数は25万台を超える見込みです。そのなかで日本は世界で6番目となる販売成績を出していて、ポルシェにとって日本のマーケットは非常に重要なものとなっています。そして、この勢いをさらに伸ばしていくために2019年以降に新たに5つのポルシェ正規販売店をオープンします」と語った。
次に紹介したのは、日本市場にゼロエミッションカーを導入する件について。七五三木社長は「2018年6月、これまでの電動化プロジェクトの象徴として使われてきたMISSION Eは、正式に“TAYCAN(タイカン)”と命名されました。タイカンとは、ポルシェのエンブレムの中央にいる跳ね馬のイメージに基づいたもので、意味は“生気あふれる若馬”です。われわれとしても、このクルマには新たな時代の幕開けを象徴するモデルとして時代の先頭を走り自ら切り開いていくストーリーを感じています。日本では2020年の発売を予定していますが、すでにたくさんのお客さまからご関心を寄せていただいています」と説明した。
そして最後はユーザーへのスポーツドライビングの提供、そしてポルシェ カレラカップ ジャパン、GT3カップといった参加型モータースポーツへの継続的なサポートを続ける件だ。そしてこの件に関わる新しいプロジェクトとして、“総合スポーツドライビング施設”ポルシェ エクスペリエンス センターを千葉県木更津市に設置する計画が正式に決定したことが発表された。
この施設には、ポルシェが独自に設定するユニークでダイナミックなコースが用意される予定で、七五三木社長は「スポーツドライビングとポルシェの世界観を十二分に体感いただける、国内唯一無二の施設になる予定です。完成は2021年を予定しています」と、ポルシェオーナーだけでなく、クルマが好きな人にとってのビッグニュースを発表した。
七五三木社長からの大きな発表の後は、いよいよ新型マカンのアンベール。プロジェクションマッピングを用いて後ろの壁とベールにイメージ映像が映されたあと、ベールが取られて新型マカンが現れた。
新型マカンのターゲット層はデジタルネイティブなミレニアル層
ここからは、ポルシェ ジャパン 執行役員 マーケティング部長の山崎香織氏が登壇して新型マカンの解説を行ない、「マカンは2013年にデビューし、日本では2014年から販売されています。マカンの投入により、コンパクトSUVのセグメントにスポーツカーというジャンルを創造しました。ローンチ以来、5年間で35万台を超える販売を記録しましたが、日本においては年間販売台数の約3割を占める非常に重要なモデルとして位置付けられています。そして本日、新型マカンがデビューいたしました。新型マカンのキーメッセージは“人生の妥協なき挑戦者たちへ”というものです。常識やトレンドにとらわれることなく、信じるのはただ1つ、自らが開いた道のみという、自分自身にとっての真の楽しみを求めていく姿勢を表現したもので、このようなメッセージに共感される方にはぜひとも新型マカンにお乗りいただきたいと思います」と、新型マカンのイメージを語った。
次に新型マカンのターゲット層に関してだが、ここでは人生に前向きで行動派のアクティブパーソン、そしてデジタルネイティブなミレニアル層を挙げた。ミレニアル層については現時点ではあまりクルマに乗る機会は少ないと見ているようだが、常に新しい刺激を求めているこの世代には「ぜひとも新型マカンでスポーツカーを自在に操る楽しみを味わっていただきたい」と山崎氏は強く語った
また、新型マカンの特徴については「3つの点が挙げられます。まず1点目はポルシェDNAがより際立つデザインです。これは他のSUVとは異なるスポーツカーとしてのデザインをいっそう洗練しました。例えば、フロントまわりはよりワイドなグリルと新たにデザインされたLEDヘッドライトがあります。そして、何よりも印象的なのはパナメーラやカイエン、911でも使われる3Dデザインが施されたリアのLEDテールランプです」と、デザインについて解説。
続けて「2点目は、さらに進化したドライビングダイナミクスです。新型マカンは直列4気筒2.0リッターターボエンジンを積み、最高出力180kW(252PS)、最大トルク370Nmを発生します。トランスミッションは7速PDKが組み合わされ、ポルシェならではの走りを実現します。シャシーもより進化させ、快適で優れた走行バランスとスポーツカーらしいハンドリングを両立。そしてオプションとしてモードスイッチ付きスポーツクロノパッケージも用意しています」とスペックを解説。
そして3点目の特徴として充実した安全装備と先進のインフォテインメントを挙げ、「日本市場で重要視されている安全装備ですが、新型マカンでも例えばACC(アダプティブクルーズコントロール)やレーンチェンジアシストなどは、日本のみの特別標準装備となっています。また、新たに搭載された9.1インチタッチディスプレイのポルシェ・コミュニケーション・マネージメントがドライブに役立つさまざまな情報をもたらします」と、新型マカンの装備内容について紹介した。