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ポルシェ、2019年のモータースポーツ活動発表会。新たに「718 ケイマン GT4」のワンメイクレースとワンメイクeレース「Porsche E-Racing Japan」開催
ポルシェ ジャパン 七五三木社長もeレースへの参戦を示唆
2018年11月30日 23:02
- 2018年11月30日 開催
ポルシェ ジャパンは11月30日、東京 六本木にあるグランドハイアット東京において、2019年のモータースポーツ活動に関するプレスカンファレンスを開催。登壇したポルシェ ジャパン 代表取締役社長 七五三木敏幸氏から、新たに「718 ケイマン GT4 Clubsport」を導入してワンメイクレースを行なうこと、PS4用ソフトウェア「グランツーリスモSPORT」を使用したワンメイクeレース「Porsche E-Racing Japan」を開催することが明かされた(開催時期は現時点で未定)。
この「Porsche E-Racing Japan」開催の発表に伴い、ポリフォニー・デジタル 代表取締役 山内一典氏も登壇し、七五三木社長とともにeスポーツに関するトークショーが行なわれた。
はじめに登壇した七五三木社長は、今回のプレスカンファレンスを開催した理由について「本来、モータースポーツをトピックにしたプレスカンファレンスは実施しておりませんでした。近年、『ポルシェは他の自動車メーカーと同じになってしまったのではないか』という声が非常に多く伝わってきます。これはわれわれのコミュニケーションが十分でなかったというところで反省したいと思います。しかし、われわれの根底に流れているものは一切変わっていません。ポルシェにとってのモータースポーツ、それは他のブランドよりも非常に明確な意思に基づいた活動です。私たちポルシェはスポーツカーメーカーであり、モータースポーツはポルシェのDNAです」と説明。
2019年の具体的な施策については、19年目に突入する「ポルシェ カレラカップ ジャパン(PCCJ)」を引き続き開催することをアナウンスするとともに、開幕戦を4月13日~14日に岡山国際サーキットで行なうことなど、PCCJカレンダー(暫定)を公開した。
また、「本日は新しいニュースがあります」と前置きしつつ、2019年から新たに718 ケイマン GT4 Clubsportのワンメイクレースを開催すると発表。七五三木社長はこのワンメイクレースについて、「718 ケイマン GT4 Clubsportはその名のとおり、GT4カテゴリーに準じたカスタマーレーシングカーです。GT4車両におけるこのレースは全世界で大きなムーブメントとなっています。日本でも718 ケイマン GT4 Clubsportを導入することで、より多くの方々にモータースポーツの機会を提供したいと考えています。この車両は後日発表しますが、日本導入は2019年半ばを予定しています」と述べるとともに、同モデルによるワンメイクレース「Porsche Sprint Challenge Japan」について解説。
「Porsche Sprint Challenge Japan」は、従来から行なわれている「GT3 CUP CHALLENGE JAPAN」と、718 ケイマン GT4 Clubsportによるワンメイクレースを統合して開かれるとのことで、「開催骨子は、予選と決勝を同日に行なう1Dayでの実施となり、『911 GT3 Cup』との混走によるレース方式になります。スピード域の違いによって先頭集団を911 GT3 Cupカーが、後方から718 ケイマン GT4 Clubsportがスタートするローリングスタートを採用する予定です。718 ケイマン GT4 Clubsportは先ほどお話しした通り、日本導入は2019年半ばを予定しておりますので、718 ケイマン GT4 Clubsportのレースは2019年後半から始まる予定です。718 ケイマン GT4 Clubsportの導入で、よりエントリーに近いカテゴリーでのワンメイクレースを実施することにより、カスタマーレーシングのすそ野を広げていきたいと考えています」と紹介を行なった。
また、「グランツーリスモSPORT」を使用したワンメイクeレース「Porsche E-Racing Japan」については、「昨今、FIAが取り組みを強化しているeスポーツ。とりわけ自動車カテゴリーとしては“e-レーシング”というカテゴリーで盛り上がりを見せています。e-レーシングでは、ポルシェは日本をのぞく他のマーケットではXboxの『Forza MOTORSPORT』を使った取り組みを実施していますが、ここ日本においてはPS4の『グランツーリスモSPORT』を使用する予定です。2019年中にPorsche E-Racing Japanとしてワンメイクeレースを開催する予定です。詳細は追ってリリースで発表しますが、ポルシェもeスポーツの領域でもモータースポーツとして盛り上げ、より若い人たちにクルマの楽しみ、モータースポーツの面白さを伝えていければと思います」とアピールした。
そして最後に「ポルシェ ジャパンにとって、モータースポーツ活動はDNAと言うべき重要な活動です。今後もスポーツカーメーカーとして他の自動車ブランドのどことも違う活動を継続的に実施し、そして日本のモータースポーツシーンを盛り上げていきたいと考えています」と述べるとともに、ポルシェ ジャパンでモータースポーツのマネージャー職を務めてきた関本清人氏が退き、2019年から松岡直紀氏が就任することを発表している。
プレスカンファレンスの後に七五三木社長と山内一典氏の囲み取材が行なわれ、Porsche E-Racing Japanを開催するにあたって期待していることを聞かれた山内氏は、「もともと僕がグランツーリスモSPORTを作ったきっかけというのは、これまで以上に多くの方にリアルなモータースポーツに関心を持っていただくという大きな目標がありました。ですから、こういった形でポルシェがeスポーツのシリーズをはじめる、その先に(リアルワールドでの)カレラカップがあったり718 ケイマン GT4 Clubsportを使ったレースがあったりと、ストラクチャーがあるのは僕にとってすごく喜ばしいことなんです。ですから、きちんとサポートしないといけないと思っています」とコメント。
また、七五三木社長はPorsche E-Racing Japanの優勝者に対し、カレラカップや718 ケイマン GT4 Clubsportのワンメイクレースへの出場権を与えるといったサポートを検討していることを示唆するとともに、一番重要なことはモータースポーツのすそ野を広げていきたいことにあると説明を行なった。
なお、七五三木社長もPorsche E-Racing Japanに参戦する意向があるかどうか聞いたところ、山内氏から「Porsche E-Racing Japanではシニアクラスを作ろうかと考えています」とアシスト。これを聞いた七五三木社長は「それは朗報ですね。シニアクラスに行きたいと思います」と、参戦への意欲を示していた。