イベントレポート

【LAオートショー 2018】ポルシェ、第8世代となる新型「911」(type992)LAオートショーで発表

「911 GT2 RS Clubsport」も初公開

2018年11月27日(現地時間)開催

プレスカンファレンスで公開された新型「911」

 ポルシェは11月28日(現地時間)、「LAオートショー 2018(LOS ANGELES AUTO SHOW)」のプレスデーで、第8世代となる新型「911」(type992)を発表。前夜にロサンゼルスにあるポルシェエクスペリエンスセンターに設けられた特設会場にて、一部のメディアや招待された顧客などに向けてワールドプレミアされた新しい911が、ショー会場でもお披露目された。

 ポルシェは1951年にニューヨークで正規販売店を設けてから60年以上にわたり、北米をセールスの重要な拠点と考えていて、現在ではカリフォルニアだけで26のディーラーを設けているという。2017年の北米での販売台数は5万5000台を数え、新型の「パナメーラ」や「カイエン」が好調なセールスを牽引しているという。新世代となった911を加えることで、2019年はさらに販売台数の向上が見込まれる。

 ポルシェはこれまでもLAオートショーで新型モデルのワールドプレミアを実施してきたが、今回は基幹モデルとなる911を発表することになった。それだけポルシェでは北米市場を重要視していて、スポーツモデルとなる911にとっても主戦場となる。

第8世代となる新型911(type992)
会場に展示されたカレラ 4S。最高出力450PS、最大トルク528.8Nmを発生する水平対向6気筒の3.0リッターターボエンジンを搭載し、駆動方式は4WD
フロントボディが従来から45mmワイドになり、フロント20インチ、リア21インチのホイールを採用

 新型の911は水平対向6気筒 3.0リッターターボエンジンを搭載し、最高出力が450PS、最大トルクが390lb-ft(528.8Nm)で、最高速は308km/h(カレラ S)を記録する。先代に対して最高出力は30PS、最大トルクは約30Nmのアップとなる。0-100km/h加速はカレラ Sが3.7秒で、4WDのカレラ 4Sは3.6秒。燃料消費量はカレラ Sで8.9リッター/100km、カレラ 4Sで9.0リッター/100kmとなっていて、性能はアップしていながら環境性能も向上している。

 インテリアは完全に新しいデザインを採用していて、直線的なダッシュボードは1970年代の911を彷彿とさせる。PCM(ポルシェ・コミュニケーション・マネージメントシステム)のセンタースクリーンは10.9インチで、新しい構造により敏速に操作することが可能になったという。スクリーン下の5つのスイッチは、重要な車両機能に直接アクセスすることができる。常にコネクティビティするシステムには新しい機能も組み込まれ、デジタル化の次の段階に踏み入れているとする。

カレラ 4Sのインテリア

 また、新たなアシスタンスシステムとして「ウエットモード」を標準採用している。路面の水を検知するウエットモードは、ドライバーがステアリングのスイッチを操作することで任意に切り替えができ、安全性を重視するセッティングも選択可能。

 エクステリアは先代の意匠を引き継ぎつつ、よりワイドでスポーティな姿に仕立てている。フロントボディは45mmワイドになり、リアには可変式のリアスポイラーを装備。ヘッドライトは新しいLEDタイプを採用し、フロントリッドからヘッドライトのラインは初代911をオマージュしている。

同様のカレラ 4Sになるが、装着するホイールなどの仕様が異なる展示車
カレラ Sもお披露目された
レッドのブレーキキャリパー
マフラーは4本出しタイプ
エンジンを車両後方に設定し、フロントノーズに収納スペースが設定される
同じくLAオートショーで初公開された「911 GT2 RS Clubsport」
搭載するエンジンは水平対向6気筒の3.8リッターターボ。最高出力は700PSを発生する。トランスミッションは7速PDKで、車重は1390kg
ブース内にはカリフォルニアにイメージに合わせた初代911を展示

真鍋裕行

1980年生まれ。大学在学中から自動車雑誌の編集に携わり、その後チューニングやカスタマイズ誌の編集者になる。2008年にフリーランスのライター・エディターとして独立。現在は、編集者時代に培ったアフターマーケットの情報から各国のモーターショーで得た最新事情まで、幅広くリポートしている。また、雑誌、Webサイトのプロデュースにも力を入れていて、誌面を通してクルマの「走る」「触れる」「イジる」楽しさをユーザーの側面から分かりやすく提供中。AJAJ・日本自動車ジャーナリスト協会会員。