ニュース

日産、2018年度 第3四半期決算。売上高は5.9%増の3兆457億円ながら、純利益76.7%減の704億円で増収減益

営業利益と純利益に「ゴーン氏の報酬92億円」を計上

2019年2月12日 発表

2018年度 第3四半期決算を発表する日産自動車株式会社 CFO(最高財務責任者)軽部博氏

 日産自動車は2月12日、2018年度 第3四半期決算を発表した。第3四半期の直近3か月(2018年10月~12月)の売上高は前年同期(2兆8755億円)比で5.9%増となる3兆457億円、営業利益は同(824億円)25.4%増の1033億円、当期純利益は同(3016億円)76.7%減の704億円。また、第3四半期累計3か月のグローバル販売台数は同(137万5000台)2.6%減の134万台とした。

 2018年度 第3四半期累計9か月(2018年4月~12月)では、売上高は前年同期(8兆5280億円)比で0.6%増となる8兆5784億円、営業利益は同(3642億円)13.9%減の3137億円、営業利益率は同0.6%減の3.7%、当期純利益は同(5781億円)45.2%減の3167億円。また、第3四半期累計9カ月のグローバル販売台数は同(410万9000台)2.1%減の402万3000台となっている。

2018年度 第3四半期(3か月)の主要財務指標
2018年度 第3四半期(9か月)のグローバル販売台数
2018年度 第3四半期(9か月)の財務実績

 日産では厳しい市場環境の中で米国での販売台数が減少したものの「販売の質は向上している」としており、日本、中国、タイ、フィリピン、中南米などの市場では、市場全体で需要を上まわる販売台数を達成。事業が着実に改善していると表現している。

 なお、2018年度の営業利益と当期純利益に「過年度の財務情報において計上されていない金額」として92億円を減益要因として費用計上。これは2018年11月に日産の取締役会から代表取締役の解職、会長職の解職が決議されたカルロス・ゴーン氏に支払われるとされながら、これまで会計に計上されていなかった報酬を「保守的に見た場合の金額」とのなる。これは現時点で実際にはゴーン氏に支払われておらず、92億円が最終的にどれだけの金額になるかは今後の捜査結果などによって決定するという。

 また、第3四半期までの実績から、2018年度の通期見通しを当初設定した数値から修正。グローバル販売台数を592万5000台から32万5000台減の560万台としたほか、売上高を12兆円から4000億円減の11兆6000億円、営業利益を5400億円から900億円減の4500億円、当期純利益を5000億円から900億円減の4100億円と全面的に下方修正している。

2018年度の通期販売台数見通しを32万5000台下方修正
2018年度通期の業績見通しもそれぞれ下方修正した