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日産、2022年度までに新型電気自動車3車種、e-POWER搭載車5車種を国内投入

国内の販売台数に占める電動駆動車の販売割合を40%に

2018年4月20日 発表

グローバル市場の電気自動車、ee-POWER搭載車投入計画。軽自動車の電気自動車、インフィニティブランドの電気自動車も計画している

 日産自動車は4月20日、中期計画「日産M.O.V.E to 2022」日本事業説明会を本社で開催。アジア・オセアニア事業担当 副社長 ダニエレ・スキラッチ氏、日本事業担当 専務執行役員 星野朝子氏が出席し、2022年度までに新型電気自動車3車種、e-POWER搭載車5車種を国内投入し、国内の販売台数に占める電動駆動車の販売割合を40%に高めることを発表した。

日産自動車株式会社 アジア・オセアニア事業担当 副社長 ダニエレ・スキラッチ氏
日産自動車株式会社 日本事業担当 専務執行役員 星野朝子氏

 日本市場に投入する新型電気自動車3車種の中には軽自動車も含まれており、軽の新型電気自動車はNMKVで開発されたものになる。また、中国市場においては、Cクラスセダン、Aセグメント、ヴェヌーシアブランド2車種を投入するなど攻勢を強めるという。2021年度にはインフィニティブランドでも電気自動車を投入。電気自動車ラインアップの拡充を図っていく。

日本市場では、2022年度までに新型電気自動車3車種、e-POWER搭載車5車種を投入していく

 ダニエレ・スキラッチ氏は、これにより中国市場で電動化技術やプロパイロットに代表されされる自動化の「ニッサン インテリジェント モビリティ」を進めていくとし、ヴェヌーシアブランドの積極的拡大などで日系No.1ブランドを目指していく。

「ニッサン インテリジェント モビリティ」の成功事例

 日本市場においては、ターゲットセグメント No.1ブランド戦略を推進。電動駆動車である「ノート e-POWER」を含む「ノート」が2017年度国内販売でコンパクトセグメント1位を獲得したように、各セグメントでのNo.1を積み重ねていく。この日本市場においても大きな柱となるのが「ニッサン インテリジェント モビリティ」で、ガソリン車から電気自動車やe-POWERモデルへの積極シフトを掲げている。

日本市場について

 その新しい戦略を象徴するのが、2022年度末までに全世界170カ国以上、9000店舗以上に導入するという「ニッサン・リテール・コンセプト」。これは赤いニッサンタブレットを基調とした外環を持ち、ワクワクの瞬間を演出する納車エリアを備える店舗で、クルマを画面上でカスタマイズできるデジタルコンフィギュレーターや店舗スタッフが持つタブレット端末による分かりやすいサービスを特徴としているという。

ニッサン・リテール・コンセプト

全世代がインターネットで購入車種を決める日本市場

 日本事業担当 専務執行役員 星野朝子氏によると、国内では2018年度第1四半期までに5店舗(神奈川県3店舗、兵庫県1店舗、福岡県1店舗)にパイロット導入し、2022年度までに日本国内で段階的に展開していくという。

商品購入動向

 日本市場全体については、年間販売台数は「500万台~520万台でステイする」と見ており、日産にとって日本市場は大切な市場だという。その日本市場で大切なことは「今のビジネスで成長する」ことと、「もう1つは、ゲームをチェンジするという」ことだとし、ゲームをチェンジするためのポイントが「ニッサン インテリジェント モビリティ」「ニッサン・リテール・コンセプト」になる。

 星野氏によると、現在の日産車の購入動向は、お客さまはインターネットで情報を集め購入車種を決めて来店するという。5年前までは若い世代に特徴的に出ている傾向だったが、2年前からは全世代に拡大。店舗訪問のきっかけも2015年度にインターネットがテレビを逆転しているとのデータを示した。

 この購入車種を決めて来店するお客さまに効果的なのが試乗してもらうこと。とくにリーフのような電気自動車、e-POWERのような電動駆動車は「テストドライブしてもらうのがものすごく大事」(星野氏)とし、ガソリン車よりも試乗後の購入率が高いという。また、先進安全運転技術であるプロパイロットも、「説明だけ聞くと、怖い、まだ早い、いらない」という人が多いが、「乗って使ってもらうと、もう離れない」とのこと。電動化技術と同様に試乗が大切であるとした。

 インターネットで購入決定、来店、試乗してすぐに契約という、購入課程の高速化に対応するように、日産は「ハイパーパーソナライズコミュニケーション」「ワンストップショッピングサポート」「オンラインと連動したシームレスサービス」「コネクティッドオーナーサービス」というお客さまにフォーカスしたデジタルでのサービスを提供していく。これらにより、お客さまの情報を共有し、「ここちよいサービス」(星野氏)を提供していくという。

 販売店についても国内を6つに分割するリージョナルセールスオフィス(RSO)を導入。「北日本RSO」「関東RSO」「首都圏RSO」「中部RSO」「西日本RSO」「九州RSO」の各リージョンに権限を委譲することで、各地域ごとの判断を早くする。

販売力の強化

カーシェアリングサービスの拡大

 日産はカーシェアリングサービスも拡大していく。「ニッサン インテリジェント モビリティ」を気軽に安心して快適に体験できる「NISSAN e-シェアモビ」は、利用されたお客さまから高い評価を受けているという。このステーション数は現在30ステーションだが、これも500ステーションに増やす。

 ダニエレ氏は、「電気自動車のテクノロジーは、お客さまの生活の向上に貢献している。2022年までに年間100万台電動駆動車を販売する」といい、他社の電動化戦略との違いなどについての質問が出た際には、実際にピュアEVである「リーフ」をグローバルで30万台以上販売、国内においても4月20日に10万台を突破した実績もあって、電気自動車市場においては「我々はリーダーである」と、今後の取り組みに対する自身を見せた。