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自工会 豊田会長、米国通商拡大法232条に基づく調査について「米国経済と雇用に悪影響をもたらすことがあってはなりません」とコメント
2019年2月21日 13:48
- 2019年2月21日 発表
自工会(日本自動車工業会)は2月21日、米国 商務省による輸入自動車・同部品に対する米国通商拡大法232条に基づく調査を受け、「米国のお客様の不利益のみならず、米国自動車・同部品産業や、輸入自動車販売店の経営を揺るがし、米国経済と雇用に悪影響をもたらすことがあってはなりません」という豊田章男会長のコメントを発表した。以下に豊田会長のコメント全文を掲載する。
日本自動車工業会の会員企業は、競争の激しい米国市場において、お客様に最適な製品を提供することを第一に考え、全米19州に24か所の生産拠点と44か所のR&D拠点を持ち、92,000人超の直接雇用を創出しています。最新の調査では、日系自動車メーカーによる経済波及効果も含めた雇用創出は152万人にのぼるとの試算結果も出ており、米国自動車産業の一員として経済と雇用の成長にも大きく貢献してきたことを誇りに思っています。なにより米国のお客様に我々の製品をご愛顧頂いているお蔭と感謝しております。我々は、米国内における新技術研究開発はもとより、生産性向上や人材育成等を通じ、米国自動車産業の持続的発展と国際的な競争力向上にも努めています。企業がこうした努力を継続していくためには、国際ルールに基づく自由な貿易・競争環境と、そのもとで発展したグローバルなサプライチェーンの活用が不可欠です。
我々は、多様化する米国のお客様の選択肢を拡大し、新技術車など市場に新たな需要を生み出してきた輸入自動車が、米国の国家安全保障を脅かすことはないと確信しています。輸入制限的な措置が、米国のお客様の不利益のみならず、米国自動車・同部品産業や、輸入自動車販売店の経営を揺るがし、米国経済と雇用に悪影響をもたらすことがあってはなりません。
我々は、トランプ政権の米国の雇用と経済を成長させるという目標を共有しており、今後も米国に根差した事業活動を継続したいと強く願っています。今後、日米政府間において、両国自動車産業と経済の発展に向けた前向きな協議が行われ、また、トランプ大統領に我々の想いをご理解頂き、慎重かつ適切な判断を下されることを強く希望します。