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【モースポフェス 2019 SUZUKA】NTTドコモと鈴鹿サーキット、次世代ネットワーク「5G」の実証実験を開始

「新たなモータースポーツの観戦スタイルとレースの創造」

2019年3月2日 実施

「新たなモータースポーツの観戦スタイルとレースの創造」に関する連携協定を結んだ、株式会社NTTドコモ 執行役員東海支社長 谷誠氏(左)、株式会社モビリティランド 代表取締役社長 山下晋氏(右)

 3月2日、「モースポフェス 2019 SUZUKA」が開催されている鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)において、NTTドコモと鈴鹿サーキットを運営するモビリティランドの「新たなモータースポーツの観戦スタイルとレースの創造」に関する連携協定の締結式が行なわれた。

 締結式には、NTTドコモ 執行役員東海支社長 谷誠氏とモビリティランド 代表取締役社長 山下晋氏が出席。協定書に互いにサインを行ない、書面を取り交わした。

 この協定では、次世代スマートフォンの通信技術となる「5G」に関する実証実験を鈴鹿サーキットで行なっていくことがうたわれており、「モースポフェス 2019 SUZUKA」では、5G通信のデモ展示などを実施。8月に開催される「鈴鹿10時間耐久レース」では5Gを使った新たな実証実験を進めていくほか、5Gを使った新競技の開催検討を進めていく。

 NTTドコモがこの5G実証実験の相手に鈴鹿サーキット、ツインリンクもてぎを運営するモビリティランドを選んだのは、「モビリティランド 山下社長の熱意」とNTTドコモ 谷氏は語り、2018年に鈴鹿10時間レースを創設するなど、新たな取り組みを積極的に行なっている山下社長のモータースポーツにかける思いが、5G実証実験につながったという。

押印する谷誠氏
同じく押印する山下社長

 山下社長は、モータースポーツほどラップタイムなどデータを重視してきた競技はなかったものの、近年はほかのスポーツに競技データの提供で負けていたことが、大量のデータを高速に低遅延で送ることができる5Gに注目した背景だという。5Gの通信インフラが鈴鹿サーキットに完備されれば、実際に高速で走行するマシンと双方向で通信でき、観客の総意がマシンの性能などにリアルタイムで反映できるようにすることも可能だと語る。

 5Gを使って、どのような新しい競技をするのか会見では語られなかったが、それらを作るための実証実験を鈴鹿サーキットは行なっていく。

 鈴鹿サーキットに5G網が完備する時期やロードマップは明示されなかったが、実証実験を行なっていく以上、日本でも先端的な通信環境を備える場となることは間違いないだろう。

 レースを観戦する上で、高速な通信環境が装備されたサーキットはマルチ画面でのレース映像配信などができるため、観客にとって理想的。さらに、クルマの高速テスト走行が可能という環境は、通信機器メーカー、クルマメーカーにとって理想的な実験の場が出現することになる。

 5G通信網は2019年9月にプレサービス開始、2020年に本サービス開始となっているので、NTTドコモと鈴鹿サーキットが作り上げる「新たなモータースポーツの観戦スタイルとレースの創造」に期待したい。