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佐藤琢磨選手がインディ500ウィナーとして、中嶋一貴選手がル・マン24時間ウィナーとして優勝車とともに参加した「モースポフェス 2019 SUZUKA」
ホンダとトヨタがモータースポーツを盛り上げる
2019年3月4日 09:14
- 2019年3月2日~3日 開催
鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)で3月2日~3日、モータースポーツが持つ魅力や運転する楽しさなどを紹介するイベント「モースポフェス 2019 SUZUKA~モータースポーツファン感謝デー~」が開催された。
トヨタ自動車、本田技研工業、モビリティランドの3社の共催で行なわれたこのイベントは、半世紀以上の歴史を持つ鈴鹿サーキットを舞台に行なわれ、昨シーズンの2018年にル・マン24時間レースやWRC(世界ラリー選手権)、MotoGPといった世界のトップカテゴリーで優勝を飾ったトヨタとホンダのレースマシンが登場したほか、国内外のレースで活躍している多彩な4輪&2輪マシンが走行する姿を披露した。
ル・マン24時間レースで優勝したトヨタ「TS050-HYBRID」とホンダ「CBR1000RR」
2018年6月にトヨタの8号車「TS050-HYBRID」がル・マン24時間レースで初参戦から33年目にして初となる優勝を果たしたことはこれまでにもCar Watchでたびたび取り上げてきているが、それに先立つ2018年4月に、2輪のEWC(世界耐久選手権)第2戦として開催されたル・マン24時間レースでホンダの5号車「CBR1000RR」が優勝。2018年は日本メーカーのマシンが4輪&2輪でそろってル・マンウィナーとなっている。
イベントではTS050-HYBRIDを中嶋一貴選手、CBR1000RRをジョシュ・フック選手が操縦し、鈴鹿サーキット・国際レーシングコース(東コース)に同時にコースイン。集まったファンに凱旋走行を披露した。
“夏の風物詩”のプレシーズンマッチに国内4大メーカーが集結
鈴鹿サーキットの“夏の風物詩”イベントとして40年の歴史を持つ“鈴鹿8耐”こと「鈴鹿8時間耐久ロードレース」。イベントではホンダに加え、スズキ、ヤマハ発動機、川崎重工業の国内4メーカーのマシンで参戦しているチームが集まり、国際レーシングコース(東コース)を使ったプレシーズンマッチを実施した。
鈴鹿「SRS」出身の佐藤琢磨選手が“インディ500ウィナー”として凱旋
2017年5月に世界三大レースの1つ「インディ500」で日本人初優勝を果たした佐藤琢磨選手は、レーシングドライバー育成機関「SRS(鈴鹿サーキットレーシングスクール)」を首席卒業したことをきっかけに、その後のレースキャリアのステップアップを重ねていったというキャリアを持つ。
その佐藤琢磨選手がインディ500で優勝したマシン「ダラーラ DW12」(26号車)を使い、ドライビングテクニックを学んだ鈴鹿サーキットで凱旋走行を実施。走行の最後にはホームストレート上でドーナツターンを披露した。
SUPER GTデモラン
日本国内を中心に行なうレースながら、世界的にも高い人気を誇るSUPER GTも最新マシンの走りを披露するデモランを実施。GT500クラスにワークス参戦するレクサス(トヨタ自動車)、日産自動車、ホンダの3社から各2台のマシンが参加し、さらに5チームからGT300クラスのマシンも集まって、フリー走行やレースのように2クラスのマシンが混走するもデモランが行なわれた。
従来型を上まわるポテンシャルを披露したスーパーフォーミュラ「SF19」
2019年から実戦投入されるスーパーフォーミュラのニューマシン「SF19」は、4月20日~21日に鈴鹿サーキットで開催されるシーズン開幕戦を前に、このイベントでシェイクダウン走行の披露、シーズンキックオフデモレースを実施した。
3月3日午後に実施されたデモレースはあいにくのウェットコンディションとなったが、それに先駆けて午前中に実施されたフリー走行では、各チームにデリバリーされたばかりのマシンながら好タイムを連発。2018年の年間チャンピオンである山本尚貴選手は、「SF14」で記録した鈴鹿サーキットでの予選トップタイムを超える1分36秒台前半のラップタイムを計測し、ニューマシンが秘める高いポテンシャルを見せつけた。
南ゲートを入ってすぐの「GPスクエア」でも走行&展示イベント多数
鈴鹿サーキットの南ゲートとグランドスタンドの間にあるイベントエリア「GPスクエア」は、中央部分にデモ走行などを行なう「パフォーマンスエリア」を用意し、周辺に大型モニターを備えたイベントステージや参加メーカーなどの展示スペース、グッズ販売ブースなどを用意。展示車両などを眺めながらブースに足を運び、気になるデモ走行などが始まったらパフォーマンスエリア脇にすぐ移動して楽しめるレイアウトになっていた。
車両展示では国際レーシングコースで走行を披露したさまざまなチャンピオンマシン(一部レプリカ)に加え、「NSX」や「S660 カスタマイズモデル」のほか、発売前の「GR スープラ」右ハンドル車両、TOYOTA GAZOO RacingのGRラインアップモデルなどを用意。さらにル・マン24時間レースの優勝トロフィ、WRCの優勝カップ、MotoGPで3連覇を果たしたマルク・マルケス選手の記念ヘルメットなど、歴史に残る記念品の数々も展示されていた。
インプレッサ WRC 98とヤリスWRCが20年の時を超えて競演
フィールドの異なるレースをターゲットとしつつ、水平対向の「ボクサー」エンジンを搭載するという共通点を持つWRCの「インプレッサ WRC 98」、SUPER GT GT300クラスの「BRZ GT300」、ニュルブルクリンク24時間レースの「WRX STI NBRチャレンジ」の3台が競演した「SUBARU STI WRブルーに宿るチャレンジングスピリット」では、3台による隊列走行の終了後、新井敏弘選手が操るインプレッサ WRC 98がホームストレートに残って4輪ドリフトや定常円旋回といった迫力ある走行を披露。
するとそこに、TOYOTA GAZOO Racing WRTでチーム代表を務めるトミ・マキネン氏が、ヤリスWRCをドライブして乱入する(!?)という演出が行なわれ、そこから2台のWRカーがホームストレートでタイヤスモークを上げながらの競演を実施。とくにマキネン氏はホームストレート上に設置されたジャンプ台を使い、ヤリスWRCの車体5台分ほどの距離を豪快にジャンプ! 悪路を走破するWRカーの強靱さを強烈にアピールした。
日産 本山哲・トヨタ 脇阪寿一・ホンダ 道上龍の「新・永遠のライバル対決」
2018年まで鈴鹿サーキットで行なわれていた「モータースポーツファン感謝デー」の恒例行事となっていた「永遠のライバル対決 星野一義vs中嶋悟」は、2018年に最後のバトルを行なって終了となっているが、今回から「新・永遠のライバル対決」として、本山哲氏、脇阪寿一氏、道上龍氏の3人によるレースが実施されることになった。
まず最初にこれまでの振り返りとして、2018年までレースを行なっていた星野一義氏と中嶋悟氏がホームストレート脇のステージに登壇してトークを展開。続いて新たに対決を実施することになった本山氏、脇阪氏、道上氏の3人が加わって勝負に向けた意気込みなどを語った。
対決に使われるマシンは、本山氏が2008年のSUPER GTで年間優勝した「XANAVI NISMO GT-R」、脇阪氏が2002年のJGTC(全日本GT選手権)で年間優勝した「エッソ ウルトラフロー スープラ」、道上氏が2000年のJGTCで年間優勝した「Castrol 無限 NSX」の3台。予選は行なわれず、じゃんけんでスターティンググリッドを決定。3月2日のレースは本山氏、道上氏、脇阪氏の順番でローリングスタートが切られた。
初日のレースは途中にオーバーテイクによる順位変動があったものの、チェッカーフラッグを受けた段階ではスタート時と同じ、本山氏、道上氏、脇阪氏という順位となった。2日目となる3月2日も同様に進み、本山氏、脇阪氏、道上氏の順番でレース開始。レインコンディションで貴重な車両を使ったバトルとなったが、3氏ともひるむことなくバトルを展開。2日目は脇阪氏が勝利して、本山氏、道上氏と続いた。これにより、本山氏が1位、2位の合計ポイントでトップとなり、新・永遠のライバル対決初代チャンピオンの座を手に入れている。