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10万人を超えるモータースポーツファンが来場。「モータースポーツジャパン 2019」レポート

「一番身近にモータースポーツを感じるイベント」、東京 お台場で開催

2019年4月6日~7日 開催

入場無料

14回目の開催を迎えた「モータースポーツジャパン」は、さまざまなジャンルの選手や監督、関係者が東京 お台場に集結し、モータースポーツの魅力を伝えるイベントだ

 モータースポーツを通じてクルマやバイクの魅力を伝えるイベント「モータースポーツジャパン 2019 フェスティバル イン お台場」が、4月6日~7日の2日間にわたり東京 お台場で開催された。春の開催となって5年目、2日間にわたり天候に恵まれた2019年の入場者数は6日に4万6485人、7日に5万7989人の累計10万4474人(すべて主催者発表)と、大いに盛り上がりを見せた。

 会場のレイアウトは2018年同様で、アクティブゾーン(A会場)、エクスペリエンスゾーン(B会場)、カルチャー&レジェンドゾーン(C会場)とジャンル別に3つのゾーンで構成され、いずれの会場も終日無料で楽しめた。

アクティブゾーン(A会場)

スープラのD1マシンによるデモンストレーションラン

 アクティブゾーン(A会場)は、特設走行エリアと自動車メーカーやインポーター、各種パーツメーカー、自動車関連の専門学校、サーキットなどの展示ブースが連なるモータースポーツジャパンのメイン会場とも言えるエリアだ(展示車両は既報の別記事を参照)。

MX-5(ロードスター)のスカイアクティブシャシーを展示したマツダ
TS050 HYBRID/TOYOTA Gazoo Racing
三菱自動車工業
日野自動車
ダイハツ工業の技術研究会がレストアした「P-5」はエンジン始動も行なった(別記事参照
ホンダブースで展示されたカブはSUPER GT GT500マシンのカラーリング
BMWの新型Z4 M40i
ADVANカラーのSF14/YOKOHAMA
新型スープラのNASCARマシン/GOODYEAR
TCR JAPAN
関谷正徳氏といとうりな選手/競争女子
富士スピードウェイはSUPER TEC24時間レースをはじめとする「耐久レースの富士」をアピール
JAF
ホンダテクニカルカレッジ関東
モンスターエナジー
バラエティに富んだ車種と気取らない明るい雰囲気がモータースポーツジャパンの大きな魅力だ

 特設走行エリアではSUPER GTやWRC、全日本ラリー、ダカールラリー、ドリフトなどカテゴリーを超えたさまざまなマシンのデモンストレーションランのほか、本物のコンペティションマシンや最新のスポーツカーへの同乗体験走行など、見るだけではなく体験できるプログラムも多数用意されていた。

WRCに参戦しているヤリスWRCのデモンストレーションラン
新井敏弘選手はインプレッサ WRC 98と全日本ラリー参戦中のWRX、2台のデモランを行なった
TEAM TOYO TIRES DRIFT
リーフNISMO RC
MOTUL AUTECH GT-R(2013年/SUPER GT)
日野レンジャー(ダカールラリー2018参戦車)
トヨタとBMWの共同開発による兄弟車、スープラとZ4によるデモンストレーションランも披露された(別記事参照

 また、カテゴリーを超えたプロフェッショナルドライバー同士で争われるメーカー対抗カート大会が行なわれた。こちらはサーキットなどの競技会場では見られない、ドライバーのリラックスした笑顔が見られるのも大きな特徴だが、実は現在トップカテゴリーで走る多くのレーシングドライバーがカート出身。そもそもが負けず嫌いの集団だから、走り始めればかなりの真剣モードだ。

NUTEC presents メーカー対抗カートレース
ヘイキ・コバライネン選手、山内英輝選手、宮田莉朋選手をはじめ、参加したレーシングドライバーの多くがカートのトップドライバー経験があり、ラリードライバーにはいささかハードルの高い局面もあったが、それでも会場では終始笑顔だった
日産移籍後初勝利とのアナウンスに笑う平手晃平選手(アナウンサーはピエール北川氏)

 なお、4月6日には2020年の開催を目指す「Rally Japan」に関する記者発表もA会場で行なわれ、こちらは開催に向けた進捗状況のほかテストイベントと位置付けられた「Central Rally Aichi 2019(仮)」の開催を発表。また、WRC プロモーターGmbH マネージングダイレクターのオリバー・シースラ氏が日本のファンに向けて挨拶を行なった。

4月6日には2020年の開催を目指す「Rally Japan」に関する記者発表も行なわれた(別記事参照

エクスペリエンスゾーン(B会場)

「みんなの楽ラク運転講習会」や国内外の最新モデルの同乗試乗体験ができる「ふれあい試乗会」など、体験型イベントが行なわれたB会場

 エクスペリエンスゾーン(B会場)は、AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)による「みんなの楽ラク運転講習会」や国内外の最新モデルの同乗試乗体験ができる「ふれあい試乗会」など、体験型イベントが行なわれるゾーン。

 2017年よりAJAJが行なってきた「U-18運転予備校」も今年開校された。こちらは自動車免許を持たない18歳以下の参加者が実際に運転体験をするという意欲的なプログラムで、ゾーン全体が年齢層を問わずクルマの楽しさを感じながら安全に対する意識向上を促す興味深いプログラムが多数用意されていた。

自動車免許を持たない18歳以下の参加者が実際に運転体験をするという意欲的なプログラム「U-18運転予備校」

 また、自動車メーカーによる歴史的モータースポーツ車両の「レジェンド展示」もB会場で開催されていた。なお、今年の展示はホンダが担当した「Legend of the HONDA」。1961年、高橋国光氏が日本人ライダーとして初めて世界選手権を制したRC162からNS500、NSR500を経て最新マシンRC213VまでのGPマシン、4輪ではホンダのF1に初の優勝をもたらした1965年のマシン RA272から2019年仕様のカラーリングが施されたRed Bull Toro Rosso STR13までのF1マシンなど、歴史的に見ても貴重なマシンが東京の中心部で野外展示されている様は圧巻であった。

「Legend of the HONDA」
2輪ではRC162(1961年)から最新のRC213Vまでを展示した
4輪はF1展示。RA272(1965年)からRed Bull Toro Rosso STR13まで展示
RC162にまたがっていたのはまさかの本人、高橋国光氏

カルチャー&レジェンドゾーン(C会場)

桜やチューリップが咲き、非常に春らしい美しさに包まれたC会場

 ダイバーシティ東京 プラザに隣接したカルチャー&レジェンドゾーン(C会場)では、ヒストリックカーやモータースポーツ車両のレプリカなどオーナーカーの展示が行なわれた。

 春開催になってから最も早い4月上旬開催、かつ天候に恵まれた今年は桜やチューリップが咲いて非常に春らしい美しさに包まれた会場となり、オーナーの手によって大切に維持されたヒストリックカーやオーナーの想いがこもったレプリカの展示で来場者を楽しませた。

カローラIIやカローラFX(しかもLIMITED)、そしてカローラ レビンなど昭和の時代に発売されたクルマをホイールに至るまで完全ノーマルの姿で平成最後の春に眺められるのも、今よりも輸入車購入のハードルが高かった時代のアウディ クワトロがこれだけ揃うのも、ホンダの“エス”を一堂に見られるのも、とても貴重かつ至福の時間。日ごろから維持管理し、出展してくれたオーナーの皆さまに感謝としか言いようがない
季節にも天候にも恵まれた会場で、オーナーの想いが目いっぱい詰まったクルマを眺めるのはとても楽しいものだ
日本でWRCが開催されていた時期にラリージャパンに参戦したマシンのレプリカ。ゼッケン14のスバル インプレッサは、2006年に新井敏弘選手がたった1戦だけWRカーで走った時のレプリカだ。同じラリーを走ったP.ソルベルグやC.アトキンソンのWRカーとは違うカラーリングやルーフ形状の細部までよく再現されている。A会場では、そんな新井敏弘選手がデモランを行ない、ラリージャパンの開催に向けての記者会見が行なわれていただけに、ことさら感慨深い
毎年用意される門型のゲートにラリーカーがよく似合う

 6日のオープニングイベントにて、このイベントのスーパーバイザーを務める近藤真彦氏が語った「目で見る、音を聞く、手で触る、そしてコミュニケーションをとる、一番身近にモータースポーツを感じるイベント」という開催趣旨が十分に表現されているイベントであった。

モータースポーツジャパンのスーパーバイザーを務める近藤真彦氏