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名古屋 ものづくりワールド 2019が開幕。河村名古屋市長、トヨタ自動車/TRI-AD 鯉渕氏などがテープカットに参加

「世界のイノベーションのトップを走る名古屋を作っていきたい」と河村名古屋市長

2019年4月17日~19日 開催

オープニングセレモニーのテープカットに臨むトヨタ自動車株式会社 先進安全領域 領域長 兼 TRI-AD CTO 鯉渕健氏(左)、リード エグジビション ジャパン株式会社 代表取締役社長 石積忠夫氏(中央)、名古屋市市長 河村たかし氏(右)

 トヨタ自動車や三菱重工業などの製造業を抱える中京地区は、今や日本製造業の中心地と言っても過言ではないほど、グローバルにもメジャーな多くの企業が本拠地を構えている。その中京地区の製造業向けに、各種のソリューションを紹介する「名古屋 ものづくりワールド 2019」が4月17日~19日の3日間にわたって、愛知県名古屋市のポートメッセなごやで開催されている。

 初日となった4月17日にはオープニングセレモニーとして、中京地区を代表する製造業の代表と、主催者リード エグジビション ジャパン 代表取締役社長 石積忠夫氏、名古屋市市長 河村たかし氏などが参加してテープカットが行なわれた。

「次世代3Dプリンタ展」が追加され、5つの展示会から構成

「名古屋 次世代3Dプリンタ展」に展示されている3Dプリンターで打ち出したバンパー。Stratasysのブースに展示されていた

 今回開催されている名古屋 ものづくりワールド 2019は、「名古屋 次世代3Dプリンタ展」「名古屋 設計・製造ソリューション展」「名古屋 機械要素技術展」「名古屋 工場設備・備品展」「名古屋 航空・宇宙機器 開発展」の5つの展示会が包含される形になっており、今回から「名古屋 次世代3Dプリンタ展」が新しく追加されている。基本的にB2B(Business to Business、業者間)の展示がメインとなっており、各種の展示も製造業向けのB2Bソリューションが中心になっている。展示会場では3Dプリンターを利用して製造したバンパーや、カーボンを利用して作られたホイールなど、現在開発中の素材を活用した展示が行なわれている。

Stratasysの展示では、3Dプリンターを利用して打ち出されたホンダのバイクのロゴ、3Dプリンターで出力されたテールランプのカバーなど自動車関連の展示が多かった
リコーブースではSlab(エス.ラボ)のペレット溶融積層方式3Dプリンターを参考展示。バンパーを製造していた
ダッソー・システムズが開発したCATIAなどの3D CAD/CAEソフトウェアの展示も多数行なわれていた
熱可熱可塑性カーボン(CFRTP)を材料にした自動車用ホイール。プレス加工で製造する。JWL規格の最低条件をはるかに上まわる強度を持ちながら、重量はアルミの半分程度になるという。当初はコストが高いため、市販車よりは電気コミューターやレーシングカー向けなどでの使用を想定している

 中京地区には、世界でトップシェアを争うトヨタ、MRJで日の丸ジェットの復権を目指す三菱航空機の親会社である三菱重工業、ボーイングの重要部品を製造するスバルの半田工場など、重要なメーカーや工場が多数存在している。また、ティア1の部品メーカーとなるデンソーやアイシンも本拠地は中京地区に置いており、トヨタも含めれば自動車産業の“メッカ”といっていいだろう。

 名古屋 ものづくりワールド 2019のオープニングセレモニーには、そうした中京地区を拠点にしている製造業のトップが集合した。トヨタからはトヨタの自動運転開発をリードするトヨタ自動車 先進安全領域 領域長 兼 TRI-AD CTO 鯉渕健氏、デンソーからはデンソー 経営役員 山崎靖彦氏、アイシンからはアイシン・エィ・ダブリュ 常務執行役員 安藤俊行氏などが参加。そのほかにも、スバル、三菱自動車工業、三菱重工業などからも幹部社員が参加して行なわれた。

トヨタ自動車株式会社 先進安全領域 領域長 兼 TRI-AD CTO 鯉渕健氏
株式会社デンソー 経営役員 山崎靖彦氏
アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 常務執行役員 安藤敏行氏
株式会社SUBARU 執行役員 若井洋氏

主催者を代表してリード 石積社長と、地元自治体を代表して河村名古屋市長があいさつ

 参列者を代表してあいさつに立ったのは、主催者代表のリード エグジビション ジャパン 代表取締役社長 石積忠夫氏、地元自治体代表の名古屋市長 河村たかし氏の2人だ。

リード エグジビション ジャパン株式会社 代表取締役社長 石積忠夫氏

 石積氏は「昨年より110社参加者が増え、かつ200社は海外からとなっている。来場者は3万8000人となる見通しで、そのうち半分が愛知県外からの参加になっており、宿泊は約2万泊になる見通し。そうした来場者の宿泊飲食などの支払いなどにより、3日間で地元への経済効果は40億円となる見通し。河村市長にお願いしたいのは、今回会場の都合で200社ほど断わらないといけなかった。ぜひとも今後は拡張をご検討いただきたい。名古屋は楽市楽座で発展した街で、こうした展示会はまさにそうした楽市楽座の発展系だ」と述べ、展示会に参加する来場者の半数が愛知県外からとなり、その経済効果が40億円に上っていると説明した。

名古屋市長 河村たかし氏

 続いてあいさつした名古屋市の河村市長は「私は常に官僚だけが栄えている士農工商ではだめで、今回お見えになっている実業界の方、さらには街のレストランなどで頑張って働いている納税者こそが大事だと考えている。そのため、名古屋市では1000億円の減税を行ない、市民の皆さんにお返ししたところ、直後は税収が減ったが、最終的には1000億円増えた。名古屋ではそうした産業の育成に力を入れており、投資を行なっている。展示会場に関しても200社をお断わりしているとのことなので、将来的に10ヘクタールの規模に拡張していきたいし、あおなみ線の輸送力も増強し、東京ビッグサイトに負けない規模にしていきたい。世界のイノベーションのトップを走る名古屋を作っていきたい」と述べ、今後もポートメッセなごやの拡張や、名古屋駅からポートメッセなごやへの鉄道となるあおなみ線の輸送力増強などを検討していきたいとした。

 その後、河村市長、石積社長、トヨタの鯉渕氏、デンソーの山崎氏、アイシンの安藤氏などが参加して開幕のテープカットが行なわれ、名古屋 ものづくりワールド 2019が開幕した。

テープカットの様子