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【NGK 鈴鹿2&4】SF開幕戦は、65号車 牧野任祐選手がデビュー戦でポールポジション獲得
2位もデビュー戦のアレックス・パロウ選手で、ホンダ勢が1-2-3-4からスタート
2019年4月20日 18:20
全日本スーパーフォーミュラ選手権 開幕戦「2019 NGKスパークプラグ鈴鹿2&4レース」が4月20日~4月21日の2日間にわたり、鈴鹿サーキットで開催されている。4月20日の15時45分からは予選が行なわれ、このレースがデビュー戦となる牧野任祐選手(65号車 TCS NAKAJIMA RACING SF19)が鮮烈なポールポジションを獲得した。2位も同じくTCS NAKAJIMA RACINGのアレックス・パロウ選手(64号車 TCS NAKAJIMA RACING SF19)で、パロウ選手もデビューレースでフロントロウ獲得となった。
3位は昨年のチャンピオン山本尚貴選手(1号車 DOCOMO DANDELION M5Y SF19)が入り、4位にはチームメイトの福住仁嶺選手(5号車 DOCOMO DANDELION M5Y SF19)が入り、ホンダ勢が1-2-3-4という結果となった。
3度の赤旗という大波乱となったQ1、TCS NAKAJIMA RACINGの2台が1-2を獲得
15時45分という通常よりもやや遅いタイミングで始まった予選1回目(Q1)、2018年までであれば14台まで予選2回目(Q2)に進むことができたが、2019年は12台までQ2に進むことができることになっており、参戦台数が1台増えて20台になったのと合わせて、より激しいQ1が展開されることになった。
Q1開始後、各車がタイムを出せていない段階で、このレースがデビュー戦の坪井翔選手(39号車 JMS P.MU/CERUMO・INGING SF19)が2コーナーの入り口でスピンして、そのままタイヤバリアにクラッシュして赤旗。これでこのレースがデビュー戦の坪井選手は赤旗を出した原因となってしまったことで、この段階で予選終了となりQ1敗退が決定してしまった。
残り15分強から再開されたQ1だが、今度はデグナーでアーテム・マルケロフ 選手(7号車 UOMO SUNOCO SF19)がタイヤバリアに突っ込む。これで再び赤旗になり、こちらもスーパーフォーミュラデビュー戦となるマルケロフ選手はQ1敗退が決定してしまった。
マルケロフ車の排除が終了し、残り12分弱で再開されたQ1は、ようやくタイヤが暖まった各車がタイムアタックに突入しようとした瞬間、スプーンの出口でハリソン・ニューウェイ選手(51号車 GOLDEX TAIROKU RACING SF19)がハーフスピンしてコースに戻ってきた所、イン側に避けようとした中嶋一貴選手(36号車 VANTELIN KOWA TOM'S SF19)の車両に接触。両車ともに大破し、破片がコースに散らばったため赤旗中断。両車を排除し、デブリを片付ける作業が行なわれた。この作業にはかなりの時間がかかることになった。
長い中断後、Q1は残り5分強で再開。タイヤを温めるのには時間がかかるため、ほとんどの車両はこのタイミングでピットロードの出口に並ぶことになった。最後尾の車両がピットロードを離れる頃には残り4分強となっており、ほぼ全車ピットアウトの周を別にして2周程度しかできないという計算になり、多くの車両はそのうちの1周はタイヤを温めないといけないため、実質的に最終周のワンアタックということになってしまった。
このQ1でトップタイムをマークしたのはこのレースがデビュー戦となるアレックス・パロウ選手(64号車 TCS NAKAJIMA RACING SF19)で、2位はチームメイトで同じくデビュー戦となる牧野任祐選手(65号車 TCS NAKAJIMA RACING SF19)となった。3位は野尻智紀選手(16号車 TEAM MUGEN SF19)となっており、以下4位と5位にもホンダ勢が入り、ホンダ勢が1-2-3-4-5と5位までを独占した。
ここQ1で敗退が決まったのは、13位の大嶋和也選手(8号車 UOMO SUNOCO SF19)、14位石浦宏明選手(38号車 JMS P.MU/CERUMO・INGING SF19)、15位 トリスタン・シャルパンティエ選手(17号車、REAL SF19)、16位ダニエル・ティクトゥム選手(15号車、TEAM MUGEN SF19)で、17位以下はQ1でクラッシュした各選手となった。この中には2015年、2017年のスーパーフォーミュラ王者の石浦選手が含まれており、それがこのQ1がいかに接近して厳しい戦いだったかを示している。
Q2でもTCS NAKAJIMA RACINGの2台が1-2を獲得、Q1と同じパロウ選手、牧野選手の順に
予定より大幅に遅れて16時46分に始まったQ2では、12台から8台に絞られる。残り時間を調節して出て行った各車だが、このQ2でもタイムシートの上位を独占したのはTCS NAKAJIMA RACINGの2台だった。1位はアレックス・パロウ選手、2位は牧野任祐選手で、スーパーフォーミュラデビューの二人が上位を再び独占した。特にパロウ選手は2位の牧野選手にコンマ4秒の差をつけており、1位からQ2落ちとなる9のタイム差が0.88秒しかないことを考えると、この差は非常に大きいと言えるだろう。3位は小林可夢偉選手(18号車 KCMG Elyse SF19)で、4位には福住仁嶺選手(5号車 DOCOMO DANDELION M5Y SF19)と5位には山本尚貴選手(1号車 DOCOMO DANDELION M5Y SF19)とDOCOMO TEAM DANDELION RACINGの2台が入った。
Q2で敗退したのは、国本雄資選手(4号車 ORIENTALBIO KONDO SF19)、野尻智紀選手、ルーカス・アウアー選手(50号車 Red Bull SF19)、ニック・キャシディ(37号車 VANTELIN KOWA TOM’S SF19)となった。
牧野選手が最後の最後で最速タイムをマークしてデビュー戦ポールを獲得、歴史的な快挙を実現
ホンダ4台(TCS NAKAJIMA RACING2台、DOCOMO TEAM DANDELION RACING2台)、トヨタ4台(carrozzeria Team KCMG1台、ITOCHU ENEX TEAM IMPUL2台、KONDO RACING1台)という内訳となった予選3回目(Q3)は7分で行なわれた。全車でていくかと思われたが、DOCOMO TEAM DANDELION RACINGの2台は他の車が一周してきた後で出てきた。タイヤの消耗をギリギリまで抑えて、一発にかけるつもりのようだ。他のチームは2周かけてウォームアップを行なっている中で、ウォームアップを1周だけにするというのはギャンブルではあるが、タイヤを温める自信があるということだろう。
そうした中で、コース上でトップタイムをマークしたのは、Q1、Q2でトップタイムをマークしたパロウ選手。それに対してその直後にわずか0.233秒差で2位となったのが山本選手。これで決まりかと思われたところ、最後の最後に大逆転でトップタイムをマークしたのは、Q1とQ2では2位だった牧野選手。昨年はF2を走っていて優勝経験もある牧野任祐選手だが、スーパーフォーミュラは今回がデビューレース。そのデビューレースでいきなりポールポジションを獲得し、おそらく国内トップフォーミュラでは史上初めてとなる鮮烈なデビューを飾ることになった。2位はチームメイトのパロウ選手で、TCS NAKAJIMA RACINGが1-2でフロントローを独占した。3位は山本選手、4位は福住選手で、ホンダエンジン搭載車が1-2-3-4に並ぶことになった。
5位は関口雄飛選手(19号車 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF19)、6位は山下選手、7位は平川亮選手(20号車 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF19)、8位は小林可夢偉選手(18号車 KCMG Elyse SF19)となった。
順位 | カーナンバー | ドライバー | 社名 | エンジン | チーム | Q1 | Q2 | Q3 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 65 | 牧野任祐 | TCS NAKAJIMA RACING SF19 | HONDA/M-TEC HR-417E | TCS NAKAJIMA RACING | 1分38秒111 | 1分36秒758 | 1分36秒060 |
2 | 64 | アレックス・パロウ | TCS NAKAJIMA RACING SF19 | HONDA/M-TEC HR-417E | TCS NAKAJIMA RACING | 1分37秒615 | 1分36秒346 | 1分36秒089 |
3 | 1 | 山本尚貴 | DOCOMO DANDELION M1S SF19 | HONDA/M-TEC HR-417E | DOCOMO TEAM DANDELION RACING | 1分38秒315 | 1分36秒932 | 1分36秒312 |
4 | 5 | 福住仁嶺 | DOCOMO DANDELION M5Y SF19 | HONDA/M-TEC HR-417E | DOCOMO TEAM DANDELION RACING | 1分38秒209 | 1分36秒926 | 1分36秒388 |
5 | 19 | 関口雄飛 | ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF19 | TOYOTA/TRD Biz-01F | ITOCHU ENEX TEAM IMPUL | 1分38秒839 | 1分37秒052 | 1分36秒436 |
6 | 3 | 山下健太 | ORIENTALBIO KONDO SF19 | TOYOTA/TRD Biz-01F | KONDO RACING | 1分38秒821 | 1分37秒191 | 1分36秒730 |
7 | 20 | 平川亮 | ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF19 | TOYOTA/TRD Biz-01F | ITOCHU ENEX TEAM IMPUL | 1分38秒680 | 1分37秒040 | 1分36秒824 |
8 | 18 | 小林可夢偉 | KCMG Elyse SF19 | TOYOTA/TRD Biz-01F | carrozzeria Team KCMG | 1分38秒894 | 1分36秒916 | 1分36秒849 |
9 | 4 | 国本雄資 | ORIENTALBIO KONDO SF19 | TOYOTA/TRD Biz-01F | KONDO RACING | 1分38秒798 | 1分37秒232 | - |
10 | 16 | 野尻智紀 | TEAM MUGEN SF19 | HONDA/M-TEC HR-417E | TEAM MUGEN | 1分38秒199 | 1分37秒342 | - |
11 | 50 | ルーカス・アウアー | Red Bull SF19 | HONDA/M-TEC HR-417E | B-Max Racing with motopark | 1分38秒344 | 1分37秒562 | - |
12 | 37 | ニック・キャシディ | VANTELIN KOWA TOM’S SF19 | TOYOTA/TRD Biz-01F | VANTELIN TEAM TOM’S | 1分38秒718 | 1分37秒930 | - |
13 | 8 | 大嶋和也 | UOMO SUNOCO SF19 | TOYOTA/TRD Biz-01F | UOMO SUNOCO TEAM LEMANS | 1分38秒927 | - | - |
14 | 38 | 石浦宏明 | JMS P.MU/CERUMO・INGING SF19 | TOYOTA/TRD Biz-01F | JMS P.MU/CERUMO・INGING | 1分39秒078 | - | - |
15 | 17 | トリスタン・シャルパンティエ | REAL SF19 | HONDA/M-TEC HR-417E | REAL RACING | 1分39秒514 | - | - |
16 | 15 | ダニエル・ティクトゥム | TEAM MUGEN SF19 | HONDA/M-TEC HR-417E | TEAM MUGEN | 1分41秒436 | - | - |
17 | 51 | ハリソン・ニューウェイ | GOLDEX TAIROKU RACING SF19 | HONDA/M-TEC HR-417E | B-Max Racing with motopark | 1分48秒655 | - | - |
18 | 39 | 坪井翔 | JMS P.MU/CERUMO・INGING SF19 | TOYOTA/TRD Biz-01F | JMS P.MU/CERUMO・INGING | 2分02秒278 | - | - |
19 | 36 | 中嶋一貴 | VANTELIN KOWA TOM’S SF19 | TOYOTA/TRD Biz-01F | VANTELIN TEAM TOM’S | 11分07秒789 | - | - |
20 | 7 | アーテム・マルケロフ | UOMO SUNOCO SF19 | TOYOTA/TRD Biz-01F | UOMO SUNOCO TEAM LEMANS | 11分22秒469 | - | - |