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レッドブル・ホンダ、F1スペインGPでフェルスタッペン選手が3位表彰台。次戦モナコGPも「自信がある」と

ホンダF1田辺TDの誕生日に2度目の表彰台獲得

2019年5月12日(現地時間) 決勝開催

決勝レースで3位に入ったマックス・フェルスタッペン選手

 5月10日~5月12日(現地時間)の3日間にわたって開催されたF1世界選手権 第5戦 エミレーツ・スペインGPは、5月12日15時10分より決勝レースが行なわれ、予選2位からスタートしたルイス・ハミルトン選手(44号車 メルセデス)が優勝した。2位はチームメイトのバルテリ・ボッタス選手(77号車 メルセデス)。

 そのメルセデスの2台に次いで表彰台の3位を獲得したのはレッドブル・レーシング・ホンダのマックス・フェルスタッペン選手(33号車 レッドブル・レーシング・ホンダ)。この決勝レースが行なわれた5月12日は、ホンダF1の技術面を統括するホンダF1 テクニカルディレクター 田辺豊治氏の誕生日で、午前中にはホンダのホスピタリティにおいて、ホンダエンジンを搭載するドライバー4人と両チームのチーム代表、レッドブルのアドバイザーであるヘルムート・マルコ氏によるお祝いが行なわれたばかり。開幕戦オーストラリアGPに次いで今シーズン2回目となった表彰台は、田辺氏にとっても嬉しいプレゼントとなった。

スタート直後、フェラーリ同士の先陣争いの隙を突いたフェルスタッペン選手が3位に浮上

 5月11日に行なわれた予選では、バルテリ・ボッタス選手(77号車 メルセデス)が2位以下に圧倒的な差をつけてポールポジションを獲得。2位はチームメイトのルイス・ハミルトン選手(44号車 メルセデス)で、3位がセバスチャン・ベッテル選手(5号車 フェラーリ)。4位はマックス・フェルスタッペン選手(33号車 レッドブル・レーシング・ホンダ)で、いつもの4人が並ぶ。

 その後ろに5位 シャルル・ルクレール選手(16号車 フェラーリ)、6位にピエール・ガスリー選手(10号車 レッドブル・レーシング・ホンダ)が並ぶ展開になっており、レース前の予想では1位と2位のメルセデス同士の争い、3位以下はレッドブルとフェラーリの争いになると考えられた。

 結論から言えば、その予想どおりとなったが、予選とは異なる状況で1周目が展開した。レース開始直後、2位からスタートしたルイス・ハミルトン選手が鋭いダッシュを見せ、1コーナーまでにトップに浮上して1周目を終えた。ハミルトン選手はその後、ピットストップのタイミングも含めて一度もトップを譲ることなく終始レースをリードしてそのまま独走して優勝した。2位はやはり一度も2位から順位を譲ることのなかったボッタス選手。

 3位以下の順位は、スタートで一度フェラーリのシャルル・ルクレール選手に抜かれていたマックス・フェルスタッペン選手が、フェラーリのルクレール選手とセバスチャン・ベッテル選手が1コーナーで順位争いした結果、漁夫の利を得て3コーナーまでに3位に浮上する展開になった。

 これで4位に落ちたベッテル選手は、1コーナーの先陣争いで右フロントタイヤにフラットスポット(タイヤに局所的な異常摩耗が起きること)を作ってしまい、その結果としてペースが上がらず、フェルスタッペン選手を逃がす展開になった。そのため、フェラーリは5位を走っていたルクレール選手を前に出す決断をするが、その時までにフェルスタッペン選手とは10秒程度の差ができてしまったのだ。

予定されていた2ストップを確実に決め、3位表彰台を獲得したフェルスタッペン選手

F1スペインGP表彰台。左から2位に入ったバルテリ・ボッタス選手、ダイムラーAG CEOのディーター・ツェッチェ氏、ルイス・ハミルトン選手、マックス・フェルスタッペン選手

 そこで、フェラーリはルクレール選手のタイヤ交換時に3種類(ソフト、ミディアム、ハード)の中からハードに変更し、1ストップ戦略を採ることにして、レッドブルのフェルスタッペン選手を揺さぶる作戦に出る。すでにこの段階でソフトからソフトへと変更していてタイヤ交換義務(2つのコンパウンドを選ぶ必要がある)をこなす必要があったフェルスタッペン選手は、そうした揺さぶりにも動揺を見せずに、確実な2ストップ戦略をこなし、ルクレール選手をコース上でオーバーテイクする姿勢を見せた。

 しかし、レース終盤に下位の車両がクラッシュしたことで出たセーフティカーにより、ルクレール選手がピットインすると、そのまま3番手をキープしてゴール。最終的に4位はベッテル選手、5位はルクレール選手、6位はレッドブル・レーシング・ホンダのもう1台となるガスリー選手となった。

 ホンダのもう1つのチームとなるトロロッソも堅実なレースを行ない、予選9位からスタートしたダニール・クビアト選手(28号車 トロロッソ・ホンダ)が9位でポイントを獲得、予選12位で、ペナルティの車両があって11番手からスタートしたアレクサンダー・アルボン選手(23号車 トロロッソ・ホンダ)は入賞目前の11位となった。これにより、ホンダ勢は4台中から3台が入賞となり、着実な進歩を証明した。

優勝したルイス・ハミルトン選手
ダイムラーAG CEOのディーター・ツェッチェ氏(中央)と2位に入ったバルテリ・ボッタス選手(右)
シャンパンファイト

決勝の5月12日は、ホンダF1テクニカルディレクターの田辺氏の誕生日。表彰台がプレゼントに

レッドブル・レーシングのクリスチャン・ホーナー代表と抱擁するホンダF1テクニカルディレクターの田辺豊治氏

 なお、今回のスペインGPの決勝レースが行なわれた5月12日は、ホンダF1の技術面を統括するホンダF1 テクニカルディレクター 田辺豊治氏の誕生日で、レース前の午前中には、ホンダのホスピタリティスィートにおいて、誕生日のお祝いセレモニーが行なわれた。そのセレモニーには、レッドブル・レーシングのクリスチャン・ホーナー代表やアドバイザーのヘルムート・マルコ氏、トロロッソのフランツ・トスト代表、さらに両チームの4人のドライバーが参加し、田辺氏の誕生日が祝われた。

ローソクの火を消す田辺氏
田辺氏の誕生日をレッドブル、トロロッソの首脳陣とドライバーが祝った

 その時にはホンダの関係者が「じゃあお祝いは表彰台でね」と冗談で言っていたのだが、フェルスタッペン選手の快走はそれを現実にした。普段から謙虚な人柄で知られる田辺氏は静かに喜んでいたが、ホンダF1マネージングダイレクターの山本雅史氏、レッドブル・レーシングの代表であるホーナー氏などと一緒に表彰台の下で喜びを分かち合っていた。

ホンダの表彰台獲得を喜ぶホンダF1マネージングディレクターの山本雅史氏(左)、田辺氏(中央)、ホーナー氏(右)

 F1の次戦は5月23日~26日に開催されるモナコGP。今回のレース後の記者会見においてフェルスタッペン選手は、「とてもレッドブルが強いサーキットだし、自信がある」と述べているだけに、ホンダF1復帰後の初優勝への期待も高まるところだ。

田辺氏の誕生日を祝うケーキ、レース終了後にスタッフがおいしくいただいたとのこと