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プロテニストーナメント「ポルシェ軽井沢オープン2019」の観戦に行ってきた
ポルシェがプロテニストーナメントをスポンサードする意義とは
2019年6月6日 00:00
- 2019年5月27日~6月2日 実施
軽井沢テニス協会は、5月27日~6月2日にわたり軽井沢会テニスコートで「ポルシェ軽井沢オープン2019」を開催した。
2018年に続き、ポルシェジャパンが特別協賛として同大会をサポート。タイトルスポンサーとして2016年より同大会に賛同し、出場する若手テニスプレーヤーの育成をサポートしている。
今回、同大会観戦のため軽井沢までのドライブで乗り込んだのは、ポルシェのSUV「カイエン ターボ」。東京から軽井沢まで約2時間、その乗り心地を楽しむことができた。
ドライブを経て到着したのは、長野県軽井沢町の軽井沢会テニスコート。同エリアに別荘を所有するオーナーのみが会員として使えるテニスコートだ。上皇上皇后両陛下のロマンスの地としても有名であり、2番コートでテニスをプレーされたという。なお、軽井沢会テニスコートは通常は一般開放されておらず、会員のみがプレーできる。ただし、ポルシェ軽井沢オープンの開催期間は一般でも入ることができるのだ。
第15回目となる今回は、大会名称を「軽井沢フューチャーズ」から「ポルシェ軽井沢オープン」に変更。この大会は世界男子テニスツアーの下部ランクのトーナメント戦に位置付けられ、上位トーナメントに出場するための登竜門的大会になる。装いも新たにスタートした同大会の会場にはたくさんのバナーが飾られ、エントランスには新型「マカン S」を展示。会場を訪れた観客やボールパーソンを務める参加者らが記念撮影を楽しんでおり、和気あいあいとした雰囲気。熱心に話を聞く未来のオーナーの姿もあった。アンケートに答えるとステッカーセットやメモ帳などをプレゼントしていた。
さっそく決勝戦会場へと向かうと、コートでは18歳以下を対象としたジュニアプログラムが実施されていて、約22名の参加者らが初球・中級・上級に分かれて練習をしていた。初球では、元全日本選手権チャンピオンの岡川恵美子選手、大会のトーナメント・コーディネーターの八田修孝氏らがボールパーソンとして参加する子供たちにコーチング。基本的なストロークとボレーといった練習後に1人ずつにアドバイス。岡川恵美子選手は「うまくなりたいならば自分で考えながら練習し、実践していくことが大切で目標を持つことが重要。自らが自分自身を強くします。大会で皆さんを待っています」とエールを送っていた。
中級では大会出場を果たしながら、惜しくも敗退した選手らがラリー形式で指導を行ない、上級ではマンツーマンでコーンを使った打球のコントロールをレクチャー。子供たちはリスクを回避するため適切な場所にショットを打つ練習を行なうわけだが、コーチはそこに打った理由を選手に聞いたあとに適切なアドバイスを送っていた。考え方の修正を行なうとともに、打ち直すことを繰り返し、「完璧」な形までじっくり持っていっていた。
約1時間30分のプログラム後に初級の参加者に話を聞いたところ、「いつも同じ相手との練習なので、プロの選手や強い方とできてとてもよかったです。いろいろな人と練習することは自分にとっていい経験として残ると感じました。めったにない機会なので、これからも参加したいです」と語ってくれた。
そして11時よりシングルス決勝戦がスタート。望月勇希選手と鈴木昂選手の対戦となった。接戦が続き、観客席からは拍手やどよめきが多く上がり、特にラストはデュースが続き手に汗握るシーンの連続に。チャンピオンとなった望月勇希選手は優勝が決まった瞬間、大きな喜びを表わした。同時に会場全体から拍手も湧き起こり両選手を祝福。試合結果は6-4、4-6、6-2だった。
トロフィプレゼンテーションでは、準優勝の鈴木昂選手に軽井沢会 理事 テニス部委員会委員長 諸戸清郎氏より準優勝賞金、ポルシェジャパン 執行役員 営業部長 増田勝也氏から副賞のポルシェドライバーズセレクションを贈呈。鈴木昂選手は、スピーチの冒頭に軽井沢会とポルシェジャパンに感謝し、大会を支えてくれた関係者へ謝意を示した。そして一番最初の軽井沢での思い出や、勝てなかった時期についても言及。これからも試合に携わっていきたいことを表明した。
続いて本大会チャンピオンの望月勇希選手に、ポルシェ軽井沢オープン 大会会長の横澤規佐良氏より優勝トロフィを授与。そして諸戸清郎氏より優勝賞金が、ポルシェジャパンの増田勝也氏よりポルシェドライバーズセレクションがそれぞれ贈呈された。望月勇希選手はスピーチで軽井沢会、ポルシェジャパン、関係者や対戦相手、ボールパーソンらに感謝。そして「本大会は優勝するつもりで来ました。1週間よいプレーができて本当によかったです」と話し、翌週からの海外遠征への抱負を述べた。
なお、観客ならびにボールパーソンでの参加者に試合後に話を聞いたところ、「自分の試合では、こんなに何本も決めることができないけれど、鈴木選手や望月選手はすごい確率で決めていたのがすごかった」「ボールパーソンの人に優しかったのが何よりもうれしかった」「追い込まれてもしっかり攻めていてとても勉強になりました。自分ならば守ってしまいがちなので、すごいと感じました」と、それぞれ得たものが大きかった様子。
軽井沢とポルシェの抜群の親和性。今後も若手のはじめの1歩に
今回、ポルシェ軽井沢オープン2019に特別協賛したポルシェジャパンのマーケティング部エクスペリエンシャルマーケティングマネージャー 秋葉琴絵氏にスポンサードの意義について伺うことができた。特に2019年はジュニアプログラム(テニス教室)を初開催と、未来を担う子供たちへのサポートを強化しているという。
秋葉氏は「ポルシェはクルマも販売していますが、夢も同じく売っていると思っています。子供たちの夢もサポートしたいと考え、ジュニアプログラムを2019年から開催することにしました。すでにゴルフの分野でも2018年にジュニア教室を行ない、とても好評でした。開催することで子供たちのモチベーションがアップし、次につながることはとてもよいと考えています」。
「弊社は70年以上にわたるスポーツカーの歴史があります。ですのでモータースポーツだけでなく、テニスやゴルフなどのスポーツとの関わりはとても自然なこと。技術はどんどん進歩し、ポルシェのクルマも進化しますが、伝統的な部分は常に息づいています。進化と伝統が商品作りやスポンサードなどをはじめとする活動に共鳴しているのです」。
「今後もポルシェ軽井沢オープンでのいろいろな広がりを考えています。2020年もジュニアプログラムなどを開催予定ですので、最寄りの販売店、公式サイト、SNSでの告知をチェックしていただけたらと思います。ポルシェがお好きでしたら、ぜひご応募ください」と話してくれた。
また、ポルシェ軽井沢オープン トーナメント・コーディネーターの八田修孝氏にも話を聞くことができた。同氏は本大会を若手のテニススレーヤーが4大大会を目指すための「世界への1歩目の大会」としての機能を強調。また、「スポーツへの理解が非常にあるポルシェジャパンの特別協賛は非常に喜ばしいことです。選手へのリターンも可能になり、例えば練習中や試合中のニューボールの提供の頻度、控え室における栄養補給などが可能となります。選手へのホスタピリティが格段に上がるのです。今後も良好な関係を築いていきたいです」とコメントしてくれた。