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ソフトバンク、5Gの車両間通信で車間距離を自動制御する実証実験に世界で初めて成功

新東名高速を70km/hで走行する3台のトラックで車間距離自動制御

2019年6月11日 発表

新東名高速道路で行なわれた「トラック隊列走行」実証実験の様子

 ソフトバンクは6月11日、5Gの新たな無線方式「5G-NR」の無線伝送技術にもとづく車両間通信の屋外フィールド試験として、先頭車両を有人運転し、後続車両が自動運転で先頭車両を追従する「トラック隊列走行」の実証実験を新東名高速道路で実施。高速道路を隊列走行するトラックの車両間で制御情報を共有し、車間距離を自動制御することに世界で初めて成功したと発表した。

 ソフトバンクでは今回の成功を「トラック隊列走行の早期実用化に寄与するもの」と位置付け、引き続き実験を推進するとしている。

 5G-NRの高信頼・低遅延という特長を活用して行なわれた今回の実証実験では、新東名高速に設定された約14kmの試験区間で3台のトラックが約70km/hで走行。3台が5Gの車両間通信(4.5GHz帯使用、無線区間の伝送遅延1ms以下)を行ない、位置情報や速度情報などを共有して、リアルタイムで「CACC(Coordinated Adaptive Cruise Control、協調型車間距離維持制御)」を実施した。

実証実験の概要

 実験は一般の車両も走行する高速道路(公道)という実用的な環境で行なわれ、試験区間でCACCによる安定した隊列維持に成功した。

 今後もソフトバンクでは、5G-NRの無線伝送技術にもとづく車両間通信で特有な電波伝搬環境や技術的な要求条件を把握することを目的として、車両間通信の標準化に先駆けて実証試験を進めていくとのこと。また、トラック隊列走行の早期実現に向けて、引き続き技術検証、実証評価を行なっていくとしている。