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タイムズ24、カーシェアサービス「タイムズカーシェア」にEV100台導入

導入車両は日産「リーフ」。EVカーシェアの運用体制を構築へ

2019年6月26日 発表

「タイムズカーシェア」に導入されるEV(電気自動車)の日産「リーフ」。タイムズ24株式会社 タイムズカーシェア事業部長 齋藤章氏

 タイムズ24は6月26日、同社が運営するカーシェアリングサービス「タイムズカーシェア」において、EV(電気自動車)100台を導入すると発表した。今後、8月~10月に30台、11月~2020年1月に70台を配備。埼玉県・東京都・神奈川県を皮切りに、大阪府など全国広範囲への展開を検討していく。

 導入される車両は日産自動車のEV「リーフ」で、今後新型EVの登場があればリーフに限らず採用を検討していくという。配備場所は、短時間利用ニーズの多いエリアや、一次交通との組み合せ利用のニーズが高い駅近くを予定。利用料金などの具体的なサービス内容については現在検討中で、世界的なEVシフトに備えてEVカーシェアの運用体制の構築を目指すという。

タイムズ24株式会社 タイムズカーシェア事業部長 齋藤章氏

 同日開催された記者発表会では、タイムズ24 タイムズカーシェア事業部長 齋藤章氏が登壇して100台のEVを導入する狙いなどについて話した。

タイムズカーシェアの事業規模は全国47都道府県に約2万5000台を配備。会員数は約120万人に

 齋藤氏のプレゼンテーションでは、現在のタイムズカーシェアの事業規模については、全国47都道府県に約2万5000台の車両を配備し、会員数は約120万人に成長していることが示された。今回、100台のEVを導入する狙いについて、齋藤氏は「環境負荷の低いクルマの稼働率を高めると、環境にとってとてもいいことになり、われわれも環境に貢献できるのではないかと考えました」と説明した。

タイムズカーシェア会員におけるEVに対するイメージ

 また、カーシェアをきっかけにクルマを購入する人もいると言い、齋藤氏は「会員に対するアンケートで“どういうきっかけでEVを購入しますか?”と聞いたところ、“ステーションが増えたら”“不安がなくなったら”などなど。このまま手をこまねいているとまた(一時的な)ブームで終わるのではないかという懸念もあり、誰かが何かに取り組むのは意義があることではないかと、カーシェアをきっかけにクルマを購入する方もいますので、実際にEVを体験していただくことでいろいろな不安を解消することに繋がると思い、ある程度思い切って100台導入することを決めました」と、EVを普及するためのきっかけづくりにもつなげていきたいとの考えを話した。

自動車業界におけるEVシフトの動きを紹介するスライド

 同社ではこれまでにも、カーシェアリングサービスにおいてEVの導入、国内外の自動車メーカーや自治体と連携した実証実験などを通じてEVカーシェアリングの提供に取り組んできたという。今回の取り組みでは、これまでに把握した課題の解消、活用の幅を広げることで、これまで以上に利用しやすいEVカーシェアリングの運用体制を構築することも狙いとしている。

EVカーシェアへの課題や対応
100台のEVの導入展開

 具体的には、貸出時間を最大化するため「電池残量に応じた予約可能時間の変動」、航続距離に対する不安解消のため「充電カードの活用による充電場所の確保」、空間活用としての利便性向上として「一部車両へのWi-Fi設置」、新たなソリューションとして「自治体や鉄道事業会社、スマートシティとの共同施策の連携」への取り組みを検討している。

 導入するEV100台については、タイムズパーキングへの配備のほか、鉄道、行政や企業との連携、社用車のEVカーシェア化などを検討。災害対策用の蓄電池としての活用の可能性などについても検討していくとしている。

 今後の計画については齋藤氏は「万が一の場合に駆けつけられる準備体制、タイムズ以外の充電スタンドがあるかなども踏まえて、関東や大阪を中心に展開しながら、お客さまの支持を得ながら導入を増やしていきたい」との意気込みを示した。

EV100台の導入計画