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トヨタ、FCバス「SORA」改良モデルにバリアフリー機能「自動正着制御」採用
ITS機能の活用により安全性、輸送力、速達・定時性を向上
2019年8月6日 15:25
- 2019年8月6日 発表
トヨタ自動車は8月6日、FC(燃料電池)バス「SORA」の改良モデルを8月から販売開始すると発表した。改良モデルでは、車イスやベビーカーの利用者の乗降性を向上させるバリアフリー機能として自動操舵と自動減速による「自動正着制御」をオプション採用した。
オプション採用された自動正着制御は、路面の誘導線をカメラが検知し、自動操舵と自動減速により、乗降場の所定位置にバス停から隙間を開けずに停車させ、車イスやベビーカーの利用者の乗降性を向上させる。
そのほか改良モデルでは、ITS機能の活用により安全性、輸送力や速達・定時性を向上。新たに交差点の右折時にドライバーへの注意喚起を促す機能や、ドライバーに急病などの異常が発生した際に、乗客が非常停止させられるシステムなどを搭載。また、輸送力の向上と速達・定時性の両立を目指してバスが連続して走行する際に、車両間の情報を相互に共有して、信号やバス停での分断を防ぐ機能を搭載した。
今回の改良で追加された機能は、以下のとおり。
安全性の改良でドライバー異常時対応システム「EDSS:Emergency Driving Stop System」などを採用
安全性に関する改良では、路側装置と車両の通信により取得した、対向車・歩行者情報、信号情報などを活用し、ドライバーに注意喚起を促すITS Connect 路車間通信システム「DSSS:Driving Safety Support Systems」を採用。
また、ドライバーに急病などの異常が発生した際、ドライバー本人あるいは乗客が非常ブレーキスイッチを押すことで減速して停止する「ドライバー異常時対応システム EDSS:Emergency Driving Stop System」を採用した。
そのほか、車両前方に搭載されたミリ波レーダーが、進路上の先行車や障害物との衝突の危険性を検出した場合、ドライバーに警報ブザーやモニター画面で警告する「衝突警報」を採用している。
ITS機能の活用により輸送力を向上
輸送力に関する改良ではITS Connect 車群情報提供サービスを採用。車車間通信とミリ波レーダーにより、区間ごとの最大車群台数の範囲内で、車群を構成する車両、順序、車群長などの情報を認識し、ドライバーに車群の台数を通知する「車群認識機能」、車群を構成する車両間で利用者の乗降状況を把握してバス停からの同時発車を支援する「バス停発車可能情報」により、信号やバス停での車群の分断を防ぎ、輸送力の向上と速達・定時性の両立を支援する。
また、全車速レーダークルーズコントロールを搭載する「ITS Connect 通信利用型レーダークルーズコントロール」により円滑な加減速を支援。さらに先行車が通信利用型レーダークルーズコントロール対応車であれば、車車間通信により取得した先行車の加減速情報に素早く反応し、スムーズな追従を可能にして、バス専用道での車群走行時の車間距離の保持、後続車の速度安定に貢献するとしている。
ITS専用無線で青信号の延長や赤信号の短縮を路側装置に要求
速達・定時性に関する改良では、ITS Connect電波型PTPS(Public Transportation Priority System:公共交通優先システム)により、ITS専用無線で青信号の延長や赤信号の短縮を路側装置に要求。車群走行時には、最後尾車両から青延長の要求を発信することで、赤信号により車群が分断されるリスクを低減する。