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トヨタ、FCバスのコンセプトモデル「SORA」公表。東京モーターショー2017に出展
コンセプトモデルをベースにした市販型は2018年から発売を予定
2017年10月18日 15:37
- 2017年10月18日 発表
トヨタ自動車は10月18日、FCバス(燃料電池バス)のコンセプトモデル「SORA」を公表した。
SORAは、開発コンセプトを「受け継がれていく街のアイコン」としてFCユニットの特性を最大限に生かしたバスで、ネーミングは「Sky」「Ocean」「River」「Air」の頭文字をつなげて地球の水の循環を表している。
ボディサイズは10525×2490×3340mm(全長×全幅×全高)で、定員は座席22名、立席56名、乗務員1名の計79名。タンク内容積600Lの高圧水素タンクを10本(公称使用圧力:70MPa)搭載し、FCスタックには最高出力114kW×2(155PS×2)の「トヨタFCスタック」を採用。モーターに交流同期電動機を採用して、最高出力113kW×2(154PS×2)、最大トルク335Nm×2(34.2kgm×2)を発生する。
SORAには2つの思いが込められており、1つめの「社会の“奉仕車”」として、「世のため人のために働くクルマであるからこそ、環境に配慮するとともに、モビリティサービス以外でも社会に貢献できるバスを目指した」としている。
具体的には、FCV(燃料電池自動車)「MIRAI」向けに開発した「トヨタフューエルセルシステム」を採用し、走行時にCO2や環境負荷物質を排出しない環境性能を実現。また、大容量外部給電システムを搭載して最高出力9kW、供給電力量235kWhの電源供給能力を備え、災害時に電源として利用できるようにした。
2つめの「人を中心に据えた、ユニバーサルデザインと機能」としては、不特定多数のお客様が利用するからこそ「利便性」と「安全・安心」にこだわり、すべてのお客様に「乗ってよかった。また乗りたい」と思われるバスを目指したとして、日本初の機能や制御を採用。
居住性を向上させるため、ベビーカーや車いすのスペースに自動格納機構付き横向きシートを新設。ベビーカーや車いす利用者がいない場合は一般利用者が座れるようにしたほか、車内外に配置した8個の高精細カメラがバス周囲の歩行者や自転車などの動体を検知して、ドライバーへ音と画像で知らせる周辺監視機能を搭載し、安全性を向上させた。
また、モーター走行により変速ショックがないことに加え、車内で立っている乗客の安全性に配慮して、急加速を抑制して緩やかな発進を可能とする加速制御機能を採用。さらに、カメラで路面の誘導線を検知して自動操舵と自動減速を行なうことでバス停とバスの隙間を約3cm~6cm、バスの停車位置から前後約10cmの精度で停車させる自動正着制御も採用して、車いすやベビーカーの乗客の乗降性を向上させた。
さらに、車車間通信や路車間通信により安全運転を支援する「ITS Connect」に、バス同士の車群走行の支援やバス優先の信号制御(PTPS)を追加したシステムを導入することで、バスの輸送力や速達性、定時性を向上させて利便性を高めている。
なお、コンセプトモデルをベースにした市販型は2018年から発売を予定しており、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、東京都を中心に100台以上のSORAが導入される予定。
コンセプトモデルSORAは、10月25日~11月5日(プレスデー:10月25日~26日、一般公開日:10月27日~11月5日)に東京ビッグサイト(東京都江東区有明)で開催される「第45回東京モーターショー2017」に出展を予定している。
主要諸元 | ||
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車両 | 車名 | SORA(コンセプトモデル) |
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 10,525mm×2,490mm×3,340mm | |
定員(座席+立席+乗務員) | 79(22+56+1)人 | |
FCスタック | 名称(種類) | トヨタFCスタック(固体高分子形) |
最高出力 | 114kW×2(155PS×2) | |
モーター | 種類 | 交流同期電動機 |
最高出力 | 113kW×2(154PS×2) | |
最大トルク | 335Nm×2(34.2kgm×2) | |
高圧水素タンク | 本数(公称使用圧力) | 10本(70MPa) |
タンク内容積 | 600L | |
駆動用バッテリー | 種類 | ニッケル水素 |
外部電源供給システム | 最高出力/供給電力量 | 9kW/235kW |