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トヨタ、国内初型式認証を取得した量販型FCバス「SORA」市場投入

2020年に向けて東京を中心に100台以上のFCバスを導入予定

2018年3月28日 発表

FC(燃料電池)バス「SORA」

 トヨタ自動車は3月28日、FC(燃料電池)バス「SORA」の型式認証をFCバスとして国内で初めて取得し、3月7日に販売を開始したと発表した。

 SORAは、FCV(燃料電池自動車)「MIRAI」向けに開発した「トヨタフューエルセルシステム」を採用し、走行時にCO2や環境負荷物質を排出しない優れた環境性能と、騒音や振動が少ない快適な乗り心地を実現したというFCバス。

 SORAの開発にあたって、ユーザーに移動の自由を提供し、街のアイコンとして親しまれるバスを追求。従来の路線バスに見られる箱形とは異なる立体的な造形とし、前後ランプにLEDを採用するなど、ひと目でFCバスと分かる特徴的なデザインとした。

箱形の路線バスとは異なる立体的なデザインを採用

 SORAは、タンク内容積600Lの高圧水素タンクを10本(公称使用圧力:70MPa)搭載し、最高出力114kW×2(155PS×2)の「トヨタFCスタック(固体高分子形)」を採用。モーターに交流同期電動機を採用して、最高出力113kW×2(154PS×2)、最大トルク335Nm×2(34.2kgm×2)を発生する。

 ボディサイズは10525×2490×3350mm(全長×全幅×全高)で、定員は座席22名、立席56名、乗務員1名の計79名。高出力かつ大容量の電源供給能力(最高出力9kW、供給電力量235kWh)を備えた「大容量外部給電システム」を搭載して、災害時に電源としての利用も可能となる。

 未使用時には自動的に格納される「自動格納機構付き横向きシート」や、車内外に配置した8個の高精細カメラの画像を運転席モニターに表示して、バス停車時に周囲の歩行者や自転車などの動体を検知すると運転手へ音と画像で知らせる「視界支援カメラシステム(バス周辺監視機能)」、急加速を抑制し緩やかな発進を可能とする「加速制御機能」といった日本初採用となる機能を搭載し、利便性や安全性を向上させている。

ユニバーサルデザインを用いたSORAの車内
接続する給電器の性能や水素残量、消費電力によって給電可能な電力と電力量は異なるが、非常時などに活用できる最高出力9kW、供給電力量235kWhの「大容量外部給電システム」を搭載
ベビーカーや車いす利用者と一般利用者の居住性を両立する「自動格納機構付き横向きシート」を日本初採用
車内外に配置した8個の高精細カメラの画像を運転席モニターに表示する「視界支援カメラシステム(バス周辺監視機能)」も日本初採用

 トヨタは、自動車会社からモビリティサービス会社への変革を目指すグローバル企業チャレンジ「Start Your Impossible」を開始。今後、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、東京を中心に100台以上のFCバス導入を予定している。