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トヨタ、東京2020オリンピック・パラリンピックを「最先端モビリティ」と「トヨタ生産方式」でサポート
自動運転「SAE レベル4」の実証実験を臨海副都心地区、羽田地区で実施
2018年7月23日 16:02
- 2018年7月23日 発表
トヨタ自動車は7月23日、2020年7月~8月に開催される「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会」で提供する3種類のモビリティソリューションに関する取り組みについて発表した。
トヨタは2015年から「ワールドワイドオリンピックパートナー」となっており、2020年の東京オリンピック・パラリンピックでは「すべての人に移動の自由を(Mobility for All)」「水素社会の実現を核としたサステナビリティ(環境・安全)」「トヨタ生産方式を活用した大会関係者輸送支援」という3つのテーマを掲げ、「従来の車両供給の枠を超えたモビリティソリューションの提供を目指す」としている。
「すべての人に移動の自由を(Mobility for All)」では、障がいのある人も含めたすべての人に「移動の自由」を提供することにチャレンジ。具体策として、東京都内の臨海副都心地区や羽田地区の特定エリアで自動運転「SAE レベル4」相当の実証実験、デモンストレーションを実施して、誰でも自由に移動できる未来のモビリティを提示。また、2017年1月に世界初公開したAI(人工知能)を搭載するコンセプトカー「TOYOTA Concept-愛i」のデモンストレーション走行を実施して、AIを活用した人の感情認識や嗜好推定、人と会話する「エージェント機能」などを行なう“新しい移動体験”について紹介する。
さらにMaaS専用次世代EV(電気自動車)「e-Palette」によって選手村における選手や大会関係者の移動を支援し、大会スタッフが警備などに使う「立ち乗り型モビリティ」「TOYOTA i-ROAD」などの小型モビリティを提供する。
「水素社会の実現を核としたサステナビリティ(環境・安全)」では、トヨタは3000台以上となる大会公式車両に、FCV(燃料電池自動車)「ミライ」、FCバス(燃料電池バス)「SORA」、豊田自動織機製の「FCフォークリフト」といった走行中にCO2を排出しないFCVのほか、ハイブリッドカーやPHV(プラグインハイブリッドカー)などを提供。さらに大会公式車両には予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」「Lexus Safety System+」といったADAS(先進運転支援システム)搭載車を採用して、環境負荷の低減、交通事故の低減に努める。
「トヨタ生産方式を活用した大会関係者輸送支援」では、トヨタ生産方式などのノウハウを提供し、組織委員会の円滑な大会運営を支援。大会公式車両に車載通信機の「DCM」(Data Communication Module)を搭載し、収集した走行データをMSPF(モビリティサービス・プラットフォーム)で分析。交通状況を把握して、会場間の安全・安心でスムーズな輸送運営を実施。また、大会の輸送拠点を中心に、現場で効率的な車両の配車、輸送オペレーションを支援して、安全で効率的な大会関係者の輸送を実現する。
この発表の中で、トヨタ自動車 代表取締役社長の豊田章男氏は「高齢の方や障がいのある方が、より社会に参画するためには、移動の自由が鍵を握ると思います。誰かが何かに挑戦したいと思っている時、もし、移動が障害になっているのであれば、トヨタは、その課題に正面から向き合いたい。移動が挑戦するための障害ではなく、夢をかなえるための可能性になってほしい。だからこそ、私たちトヨタは“Mobility for All”を目指します。それは、『世界中のあらゆる人が、安全・安心で、自由に移動を楽しむことができるモビリティ社会』の実現に向けて、あらゆる努力を惜しまないということです」。
「私は、オリンピック、パラリンピック、スペシャルオリンピックスという、スポーツを通じた3つのグローバルなムーブメントに積極的に関わっていくことで、トヨタに関わるすべての人が、世の中に存在するさまざまな違いをお互いの個性として尊重しあい、多様性を受け入れることができるようになることを願っております。それが実現できた時に初めて、私たちは“Mobility for All”という目標に近づき、そして、『移動が夢をかなえるための可能性になる』世界にも近づくことができると信じております」とコメントしている。