【CES 2018】トヨタ、豊田章男社長がCESでプレゼン。自動運転技術を活用したモビリティサービス専用EV「e-Palette Concept」発表

米国ネバダ州ラスベガスで開催される世界最大のテクノロジーイベント「CES 2018」に出展されたモビリティサービス専用次世代EV（電気自動車）「e-Palette Concept」

　トヨタ自動車は1月8日（現地時間）、自動運転技術を活用したモビリティサービス専用次世代EV（電気自動車）「e-Palette Concept」を公開。新たなモビリティサービスを実現するためAmazon、Didi Chuxing、Pizza Hut、Mazda、Uberなどと提携して2020年代前半にサービス実証を目指す。

　e-Palette Conceptは、4～7m前後の全長を想定したEV。低床・箱型のバリアフリーデザインによるフラットかつ広大な空間に、ライドシェアリング仕様、ホテル仕様、リテールショップ仕様といったサービスパートナーの用途に応じた設備を搭載する。

　荷室ユニット数に応じて全長が異なる計3サイズの車両を用意。なお、CES 2018出展モデルは4800×2000×2250mm（全長×全幅×全高）。走行距離によってレンジエクステンダータイプも想定しており、レンジエクステンダーの発電機には、コンパクトなマツダのロータリーエンジンの搭載を考えているという。

　e-Palette Conceptは、車両制御インターフェースを開示して、他社開発の自動運転制御キットが搭載可能。また、モビリティサービスプラットフォーム上でサービス事業者が必要とするAPIを公開する。

車両制御インターフェースの開示による自動運転の仕組み

　トヨタはe-Palette Conceptを活用した新たなモビリティサービスを実現するモビリティサービスプラットフォーム（MSPF）の構築を推進するため、初期パートナーとして複数の企業とアライアンスを締結を発表。

　Amazon.com, Inc.、Didi Chuxing、Pizza Hut, LLC、Uber Technologies, Inc.がモビリティサービスパートナーとして、Didi Chuxing、マツダ、Uber Technologies, Inc.が技術パートナーとして参加。サービスの企画段階から参画して、実験車両による実証事業を進めていく予定。

e-Palette Conceptを活用したモビリティサービスビジネスにおけるモビリティサービスプラットフォーム

　今後、2020年代前半には米国を始めとした様々な地域でのサービス実証を目指すとともに、2020年には一部機能を搭載した車両で東京オリンピック・パラリンピックのモビリティとして投入を目指す。

　プレスカンファレンスに登壇した代表取締役社長の豊田章男氏は「自動車産業は今、電動化、コネクティッド、自動運転などの著しい技術の進歩により、100年に一度の大変革の時代を迎えています。トヨタは、もっといいクルマをつくりたい、すべての人が自由に楽しく移動できるモビリティ社会を実現したいという志を持っています。今回の発表は、これまでのクルマの概念を超えて、お客様にサービスを含めた新たな価値が提供できる未来のモビリティ社会の実現に向けた、大きな一歩だと考えています」とコメントした。

　1月9日～12日に米国ネバダ州ラスベガスで開催する2018 International CESに出展する。

自動運転技術を活用したモビリティサービス専用次世代EV（電気自動車）「e-Palette Concept」