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2019 DTM 第6戦 ブランズハッチレポート。レース2はアウディ勢が表彰台独占
「Wシリーズ」参戦の小山美姫選手は7位でシーズン終了
2019年8月19日 16:25
- 2019年8月10日~11日(現地時間)開催
英国 ブランズハッチ(3.916km)で8月10日~11日(現地時間)、2019年シーズンのDTM第6戦のレース1とレース2がそれぞれ42周で行なわれ、レース1はBMWのマルコ・ウィットマンがポール・トゥ・ウィン。2位はアウディのレネ・ラスト、3位はアウディのニコ・ミューラーが表彰台に上がった。レース2はポイントリーダーのレネ・ラストが優勝。2位はニコ・ミューラー、3位はロビン・フリジンで、アウディ勢が表彰台を独占した。
第6戦のレース2を終えた時点でのドライバーチャンピオンシップは、アウディのレネ・ラストが206ポイントでトップを堅守。2位もアウディのニコ・ミューラー(169ポイント)、3位はBMWのマルコ・ウィットマン(147ポイント)となっている。
レース1
予選1は強風で、激しい雨、晴れ間、曇りと変化する天候の中でBMWのマルコ・ウィットマンがポールポジションを獲得。濡れた路面コンディションでBMWのティモ・グロックがパドックヒルベンド(1コーナー)でコースアウト。また、アウディのピエトロ・フィッティパルディがパドックヒルベンドでクラッシュ。
ほぼ同じ周に最終コーナー手前のクリアウェイ(コーナー)でアウディのジョナサン・アバディンもクラッシュ。ピエトロ・フィッティパルディはダメージが大きく決勝レースには出場せず。
レース前の時点でアウディのレネ・ラストが153ポイントでトップ、2位のアウディ ニコ・ミューラーが136ポイント、3位のBMW マルコ・ウィットマンが118ポイントで迎えた第6戦のレース1。予選1から引き続き強風のスタート前には、フォーメーションラップで雨が降り始めるが強くはならず、路面コンディションはドライコンディションで17台がスタート。
4番グリッドからスタートしたアストンマーティンのポール・ディレスタがトップに立ち、レースをリードする。2位マルコ・ウィットマン、3位ロイック・デュバル(アウディ)と続く。15周目までレースをリードしていたポール・ディレスタだったが、ジャンプスタートの裁定でピットストップペナルティが課せられた。ポール・ディレスタは順位を下げ、14位でレース1を終わった。
24周目にそれまで3位を走行していたマルコ・ウィットマンがトップに立ち、そのままゴールして今季4勝目を飾った。アストンマーティンのジェイク・デニスはスタートでティモ・グロックと接触し、マシンのリア部分にダメージを負って0周リタイア。完走は15台。
レース2
レース2のポールポジションはレネ・ラストが獲得し、ロイック・デュバルが2番グリッドでフロントローに付けた。上位8番グリッドまでをアウディ勢が占める展開で、18台が時折強風のドライコンディションでスタート。
スタートでロイック・デュバルがトップに立つが、コース後半でレネ・ラストがロイック・デュバルをパスしてトップに立つ。10周までレースをリードしてピット作業を済ませると23周目に再びトップに立ち優勝、今季4勝目を挙げてドライバーチャンピオンシップを堅守した。
今ラウンドで滑り出し好調のロイック・デュバルは、2周目にニコ・ミューラー、14周目にロビン・フリジンに抜かれて4位に後退するも、後半は迫るフィリップ・エングを抑えて4位フィニッシュと健闘。レース1の予選でクラッシュしたアウディのピエトロ・フィッティパルディが1分18秒169のファステストラップをマーク。完走は16台。
Wシリーズ 第6戦 最終ラウンド
DTMの開催に合わせ、2019年からスタートした女性限定のフォーミュラカー(F3)レース「Wシリーズ」の最終戦が、20台が参戦して21周で行なわれた。
チャンピオンシップリーダーはジェイミー・チャドウィック(98ポイント)、2位ベーツク・ビセー(85ポイント)、3位マルタ・ガルシア(62ポイント)、4位アリス・パウエル(51ポイント)、5位ファビエンヌ・ウォルウェンド(41ポイント)で迎えた最終戦。
1回目のフリー走行は強風、2回目のフリー走行は雨と風と難しいコンディションの中、2回のフリー走行ともエマ・キミライネンがトップタイムをマーク。予選でも前半にエマ・キミライネンがトップタイムをマークする。
中盤にアリス・パウエルがトップタイムを更新するが、しばらくしてポイントリーダーのジェイミー・チャドウィックがアリス・パウエルのタイムをさらに上まわる。残り8分ごろにアリス・パウエルが再びトップタイムをマークしたが、最終ラップでジェイミー・チャドウィックが1分22秒425のタイムでポールポジションを獲得。予選から2人のイギリス人ドライバーによる激しいバトルが繰り広げられた。
30ポイントで7位につけている小山美姫は、2回目のフリー走行で4番手のタイムをマーク。予選でも健闘して7番グリッドを獲得した。
レースでは、スタートでジェイミー・チャドウィックがトップ、2位アリス・パウエル、3位エマ・キミライネン、4位ベーツク・ビセーと続く。7番グリッドからスタートした小山美姫は、スタート後にファビエンヌ・ウォルウェンドと5位争いをするが、スターティンググリッドについた時に枠からはみ出していたためジャンピングスタートの裁定でドライブスルーペナルティを課され、3周目にピットに入り大きく順位を落としてしまう。
1位ジェイミー・チャドウィック、2位アリス・パウエル、3位エマ・キミライネンと続き、少し離れて4位のベーツク・ビセーと気が抜けない戦いが続く。残り20分ごろにパドックヒルベンド(1コーナー)入り口でアリス・パウエルがジェイミー・チャドウィックのインを取ると、続く上りのヘイルウッド ヒルで横並びになり、上りきったブライズ(コーナー)でトップに立つ。これと同時に3位を走っていたエマ・キミライネンも、ブライズ(コーナー)でジェイミー・チャドウィックを抜いて2位に浮上。少し離れていた4位のベーツク・ビセーもジェイミー・チャドウィックの背後に続き、4台が壮絶なバトルを展開する。
同じころ、17位を走行していた小山美姫はパドックヒルベンド(1コーナー)のサンドトラップに入って順位を下げてしまう。さらに残り9分前後、小山美姫はスピンしてしまいコース上にストップ。セーフティカーが導入される。
リスタート後、レース残り3分ごろに4位を走行していたベーツク・ビセーがジェイミー・チャドウィックをパスして3位に浮上。レースはアリス・パウエルがエマ・キミライネンを抑えて優勝。3位はベーツク・ビセー。迫るファビエンヌ・ウォルウェンドを抑えてジェイミー・チャドウィックが4位でチェッカーを受け、3位でチェッカーを受けたベーツク・ビセーに10ポイント差を付け、初のWシリーズチャンピオンに輝いた。
シーズンチャンピオンは110ポイントを獲得したジェイミー・チャドウィック。2位ベーツク・ビセー(100ポイント)、3位アリス・パウエル(76ポイント)。小山美姫の最終戦は全体から2周遅れの19周で20位。シーズンとしては30ポイントを獲得して7位で終えている。