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2019 DTM 第4戦レポート。アウディのレネ・ラストが今季3勝目。ランキングトップを堅守

レース2でBMWのブルーノ・スペングラーが今季初優勝

2019年7月6日~7日(現地時間) 開催

アストンマーティンのセーフティカー

 DTMの第4戦が7月6日~7日(現地時間)、ドイツのノリスリンク(2300m)で開催された。DTMカレンダーの唯一のストリートサーキットとなるノリスリンクは、ドイツのニュルンベルグ郊外の道路を閉鎖したコース。第4戦のレース1とレース2がそれぞれ18台で69周と70周で行なわれた。

 レース1は、アウディのレネ・ラストが優勝、2位はアウディのニコ・ミューラー、3位にBMWのジョエル・エリクソンが入った。2018年のレース2で優勝したニュルンベルグ近郊出身のBMWのマルコ・ウィットマンは振るわず8位。

 レース2は、BMWのベテラン ブルーノ・スペングラーが2017年のノリスリンク以来の2年ぶりの勝利で今季初優勝を飾った。2位にアウディのジャミー・グリーン、3位にアウディのマイク・ロッケンフェラーが入りベテラン勢が表彰台を独占した。

 2レースを終えた時点でレネ・ラストが127ポイントでトップを堅守。2位はアウディのニコ・ミューラーで102ポイント、1ポイント差でBMWのフィリップ・エング(101ポイント)が3位。BMWのブルーノ・スペングラーが7位から4位に浮上している。

レース1はアウディのレネ・ラストが今季3勝目

 アウディのレネ・ラストが93ポイントでトップ、2位はBMWのフィリップ・エング(83ポイント)、3位はアウディのニコ・ミューラー(76ポイント)で迎えた第4戦のレース1。

 予選2番手を獲得していたBMWのフィリップ・エングは、予選中にアウディのマイク・ロッケンフェラーの走行を妨害したとして3ポジション降格のペナルティで5番グリッドからスタート。また、予選で3番グリッドを獲得したアウディのロイック・デュバル、8番グリッドを獲得していたアウディのマイク・ロッケンフェラーはともにその後の検査でセッション中にブレーキの冷却水を足したレギュレーション違反(途中でブレーキの冷却システムに液体を足すのは禁止)でタイムを抹消されて最後尾グリッドからのスタートとなった。

ポールポジションはアウディのニコ・ミューラー
ベテランBMWのブルーノ・スペングラーが2番グリッド
3番グリッドスタートはレネ・ラスト
スタート前のBMW
観客席の様子

 ポールポジションはアウディのニコ・ミューラー。BMWのブルーノ・スペングラーが2番グリッド。3番グリッドスタートのレネ・ラストがスタートに失敗して出遅れる。

 ニコ・ミューラーがトップでターン1をクリアして先行。その後ろでは2番手スタートのブルーノ・スペングラーと5番手スタートのフィリップ・エングがBMW同士の2位争い。ブルーノ・スペングラーが2位をキープ。

スタート
ニコ・ミューラーがトップでターン1をクリア
フィリップ・エング(No.25)とブルーノ・スペングラー(No.7)の2位争い
各車し烈なポジション争い
アストンマーティンのポール・ディレスタがピエトロ・フィッツパルディ(No.21)を押し出した形に

 各車し烈なポジション争いで右側から押されたアストンマーティンのポール・ディレスタがピエトロ・フィッツパルディに接触して押し出した形に。ピエトロ・フィッツパルディはピットに戻るが、ダメージが大きくリタイアに終わった。

3周目に10位に浮上するレネ・ラスト(No.33)ら
2位を走行するブルーノ・スペングラー(No.7)、左は16位を走行するマイク・ロッケンフェラー(No.99)
レース中盤、10位を走行するフィリップ・エング(No.25)
レース中盤のシェルドン・ヴァンデーリンデ
レース中盤のジャミー・グリーン
レース中盤のジョナサン・アバディン
アストンマーティンのジェイク・デニス

 スタートで出遅れたレネ・ラストだったが、1周目に13位に、2周目には10位、11周目には5位と快進撃で、26周目に2位に浮上すると30周目にトップに立ちレースをリードして優勝。今季3勝目を挙げた。

トップを走行するレネ・ラスト
レース中盤3位を走行するマルコ・ウィットマン

 BMWのティモ・グロックを含む数台がターン4でクラッシュしてティモ・グロックがリタイアするなど、レースは13台が完走。ドイツのトップモデルのレナ・ゲアケさんのチェッカーフラッグでレースが終了。

チェッカーフラッグを振るドイツのトップモデルのレナ・ゲアケさん
今季3勝目を挙げたレネ・ラスト(中央)、左は2位のニコ・ミューラー、右は3位のジョエル・エリクソン
トロフィーのプレゼンテーターも務めたのレナ・ゲアケさん
表彰台。優勝のレネ・ラスト、2位のニコ・ミューラー、3位のジョエル・エリクソン
レース1のパルクフェルメ

レース2はBMWのブルーノ・スペングラーが今季初優勝

予選2
予選2でマシンがストップ。赤旗中断の原因になったティモ・グロック
ポールポジションはレネ・ラスト
バイエルン州長のマルクス・ゼーダー氏が激励

 レース2(70周)は、アウディのレネ・ラストがポールポジション。スタートでレネ・ラスト、2番グリッドからスタートしたニコ・ミューラー、3番グリッドスタートのロイック・デュバルのアウディの3台が横並びでターン1へ。

レネ・ラスト(No.33)、2番グリッドからスタートしたニコ・ミューラー(No.51)、3番グリッドからスタートのロイック・デュバル(No.28)のアウディの3台が横並びでターン1へ
その後ろは、ブルーノ・スペングラー(No.7)、フィリップ・エング(No.25)、ジャミー・グリーン(No.53)、ロビン・フリジン(No.4)の4台が横並びでポジション争い
ブルーノ・スペングラーが立ち上がりで3台のアウディの隙をつきインから一気にトップに浮上
し烈なポジション争いのターン1の立ち上がり

 5番グリッドからスタートしたBMWのブルーノ・スペングラーが立ち上がりで3台のアウディの隙をつき、インから一気にトップに浮上すると中盤のタイヤ交換で順位が変動するが、ほとんどトップを走行して優勝。今季初優勝を飾った。

トップを走行するブルーノ・スペングラー
順位を上げるマイク・ロッケンフェラー(No.99)
フィリップ・エング(No.25)
一時ブルーノ・スペングラーの前に出るニコ・ミューラー(No.51)
4位を走行するロビン・フリジン(No.4)
ジョナサン・アバディン(No.27)とティモ・グロックの8位争い
フィリップ・エング(No.25)とジャミー・グリーン(No.53)の2位争い
アストンマーティン勢
6位を走行もリタイアに終わったシェルドン・ヴァンデーリンデ(No.31)
最後尾に落ちるも猛進撃により7位でレースを終え、ポイントランキングトップを堅守したレネ・ラスト(No.33)
トップを走行するブルーノ・スペングラー
トップを走行するブルーノ・スペングラー

 レネ・ラストは、ターン1の立ち上がりでブルーノ・スペングラーに先行を許すも2位をキープしていたが、ターン2で3位のニコ・ミューラーに接触されターン2の立ち上がりでバランスを崩してストップし、最後尾となる。しかし、猛進撃を続け7位でレースを終え、ポイントランキングトップを堅守した。完走は16台。

今季初優勝を飾ったブルーノ・スペングラー
表彰台でジャンプするなどさまざまな喜びの表情を見せたブルーノ・スペングラー
優勝のブルーノ・スペングラー、2位ジャミー・グリーン、3位マイク・ロッケンフェラーのベテラン勢が表彰台を独占した

 レース前にはポールポジションのレネ・ラストにバイエルン州長のマルクス・ゼーダー氏が激励に訪れ、レース後にITR代表のゲルハルト・ベルガー氏と抱き合って別れを惜しんでいた。

バイエルン州長のマルクス・ゼーダー氏と抱き合って別れを惜しむITR代表のゲルハルト・ベルガー氏

女性限定の「Wシリーズ」。マルタ・ガルシア(スペイン)が優勝

Wシリーズ

 2019年からスタートしたドライバーを女性に限定したフォーミュラカー(F3)の「Wシリーズ」。DTMのサポートレースとして6レースが開催されている。チェアマンはデビッド・クルサード氏。

1回目のフリー走行1でクラッシュした小山美姫のマシン
小山美姫
予選でクラッシュしたシア・ホルブロック

 Wシリーズの第4戦(土曜日決勝)は19台で36周のレースで行なわれ、ポールポジションからスタートしたマルタ・ガルシア(スペイン)が優勝。2位ベーツク・ビセー(オランダ)、3位ジャミー・チャドウィック(イギリス)の3人が表彰台に上がった。日本の小山美姫は9番グリッドからスタートして6位だった。完走は15台。

スタート
トップはポールポジションスタートのマルタ・ガルシア
小山美姫の走り
サラ・ムーア(No.26)とシア・ホルブロック(No.67)が接触してスピン
トップを走るマルタ・ガルシア

 ドライバーズポイントのトップはジャミー・チャドウィックで83ポイント、2位はベーツク・ビセーの73ポイント、3位はマルタ・ガルシアの60ポイント。小山美姫は30ポイントで6位につけている。

優勝したマルタ・ガルシア
抱き合う2位のベーツク・ビセー(左)と3位のジャミー・チャドウィック
ジャミー・チャドウィック(左)とベーツク・ビセー
ジャミー・チャドウィックと抱き合う優勝したマルタ・ガルシア
優勝したマルタ・ガルシア
優勝したマルタ・ガルシア、2位のベーツク・ビセー、3位のジャミー・チャドウィック
パルクフェルメのマシン