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DTM 第2戦レポート。ダブル表彰台のBMW フィリップ・エングがポイントトップに

女性ドライバー限定のフォーミュラカーレース「Wシリーズ」も開催

2019年5月17日~19日(現地時間) 開催

37年前のF1 第5戦ベルギーGPの予選2日目に事故死したジル・ヴィルヌーブのモニュメント

 DTMの第2戦が5月17日~19日(現地時間)に、ベルギーのゾルダーサーキットで(1周:約4km)で開催された。レース1とレース2でそれぞれ18台による39周のレースが行なわれた。ゾルダー開催は2002年以来17年ぶり。

 レース1はBMWのフィリップ・エングが優勝。2位もBMWのジョエル・エリクソンで、BMWがワンツー。3位にアウディのニコ・ミューラーが入った。

 レース2の優勝はアウディのレネ・ラスト、2位はBMWのフィリップ・エング、3位はアウディのジェミー・グリーン。

 ドライバーズポイントはフィリップ・エングのダブル表彰台により、トップはBMWのフィリップ・エング(59ポイント)に続き、2位アウディのレネ・ラスト(54ポイント)、3位BMWのマルコ・ウィットマン(43ポイント)となっている。

レース1優勝はBMWのフィリップ・エング

 BMWのマルコ・ウィットマン(34ポイント)、2位アウディのロビン・フリジン(31ポイント)、3位アウディのレネ・ラスト(25ポイント)で迎えた第2戦のレース1。

ポールポジションはBMWのマルコ・ウィットマン(No.11)
2番グリッドはレネ・ラスト(No.33)

 ポールポジションはBMWのマルコ・ウィットマン。3番グリッドのベテラン BMWのブルーノ・スペングラーが絶妙なスタートを決めると、マルコ・ウィットマン、ブルーノ・スペングラー、レネ・ラストの3台が横並びで1コーナーへ。

スタートでマルコ・ウィットマン(右)、ブルーノ・スペングラー(中)、レネ・ラスト(左)の3台が横並びになり1コーナーへ

 ブルーノ・スペングラーがトップを取ると19周までトップを走行。12周目に12位を走行していたアストンマーティンのジェイク・デニスがコース上でストップしたためセーフティカーが入る。ブルーノ・スペングラーは、ピットインを後半の20周目にしたのが裏目に出て、結果10位に終わった。

ブルーノ・スペングラー(No.7)がトップ
ロビン・フリジン(No.4)とティモ・グロック(No.16)
2周目に6位に浮上したロビン・フリジン(No.4)とフィリップ・エング(No.25)の5位争い
12周目にピットに入るフィリップ・エング(No.25)、ニコ・ミューラー(No.51)、ロイック・デュバル(No.28)
12周目にセーフティカーが入る
14周目のマイク・ロッケンフェラー(No.99)のピット作業
14周目、ピットアウトするポール・ディレスタ(No.3)
ブルーノ・スペングラー(No.7)がトップがトップでリスタート
ジョエル・エリクソン(No.47)、ピエトロ・フィッツパルディ(No.21)、フィリップ・エング(No.25)の中盤の7位争い
ブルーノ・スペングラー(No.7)、ティモ・グロック(No.16)、シェルドン・ヴァンデーリンデ(No.31)、ロビン・フリジン(No.4)らは20周目にピットイン

 一方、セーフティカーが入るまで5位を走行していたBMWのフィリップ・エングは、セーフティカーが入るとすぐにピットイン(12周目)を済ませ、後半25周目にトップに立つとレースをリードして優勝。

ジョナサン・アベルデイン(左)とロイック・デュバル(右)
23周目、ジョエル・エリクソン(No.47)がレネ・ラスト(No.33)をかわす
25周目、レネ・ラスト(No.33)のピットイン
27周目、ジョナサン・アベルデイン(No.27)、レネ・ラスト(No.33)がリタイア

 2番グリッドからスタートしたアウディのレネ・ラストは前半上位を走行するも、22周目あたりからペースが落ちて27周目にピットに戻りリタイアした。開幕戦のレース2でリタイアに終わったアウディのロイック・デュバルは4位に入った。

バックショット
優勝したフィリップ・エング
プレゼンターの、元F1ドライバーのデビッド・クルサード氏(左)とベルギーの元F1ドライバーのエリック・ヴァン・デ・ポール氏(右)
表彰台。優勝のフィリップ・エング、2位のジョエル・エリクソン、3位のニコ・ミューラー
パルクフェルメ。2位のジョエル・エリクソン(No.47)、優勝のフィリップ・エング(No.25)らのマシン
日曜日のピットウォーク

 アストンマーティンはポール・ディレスタがアストンマーティン最上位の総合8位。完走は14台。

レース2でアウディのレネ・ラストが今季2勝目。BMWのフィリップ・エングはレース1に続きダブル表彰台

レース2のグリッドに出て行くマシンら

 レース2(39周)はBMWのシェルドン・ヴァンデーリンデがポールポジション。スタートでシェルドン・ヴァンデーリンデがインを取り、3番グリッドからスタートしたBMWのフィリップ・エング、2番グリッドからスタートしたアウディのレネ・ラストが並んで1コーナーへ。

レース2のスタート。シェルドン・ヴァンデーリンデ(No.31)がトップでフィリップ・エング(No.25)、レネ・ラスト(No.33)と続く
ピエトロ・フィッツパルディ(No.21)とフェルディナンド・ヴォンハブスブルグ(No.62)

 開幕戦のホッケンハイムで2レースとも表彰台をゲットし、ポイントランキング2位のアウディのロビン・フリジンは5位を走行中の21周目、1コーナーで後ろからBMWのマルコ・ウィットマンにヒットされてスピン。リタイアに終わり、ポイントランキングは2位から6位となってしまった。

中盤まで11周に渡るフィリップ・エング(No.25)とロビン・フリジン(No.4)のバトル
中盤、シェルドン・ヴァンデーリンデ(No.31)の前を走るレネ・ラスト(No.33)
ジョエル・エリクソン(No.47)、ジャミー・グリーン(No.53)の中盤のバトル
優勝したレネ・ラスト(No.33)
5位を走るフィリップ・エング(No.25)、ロビン・フリジン、ティモ・グロック、マルコ・ウィットマン、ジャミー・グリーンと続く

 ロビン・フリジンのスピンによってセーフティカーが入り全車の距離が詰まるが、22周目にトップに立っていたアウディのレネ・ラストがリスタート後に2位以下を引き離して優勝。今期2勝目を挙げた。

リスタート直前の各車
優勝したレネ・ラスト(No.33)
フィリップ・エング(No.25)とシェルドン・ヴァンデーリンデ(No.31)
フィリップ・エング(No.25)、シェルドン・ヴァンデーリンデ(No.31)、ジャミー・グリーン(No.53)がつける
37周目、アストンマーティンのジェイク・デニス(No.76)がティモ・グロックをパスする
37周目、ジェイク・デニス(No.76)、ブルーノ・スペングラー(No.7)がティモ・グロックをパス
今期2勝目を挙げたレネ・ラスト
最終ラップで、シェルドン・ヴァンデーリンデ(No.31)を抜いて4位でチェッカーを受けるマイク・ロッケンフェラー(No.99)

 2位はBMWのフィリップ・エングでダブル表彰台。3位はアウディのジャミー・グリーン。グリーンはリスタート後、9位から猛烈な追い上げで32周目に4位に浮上し、最終ラップで前車のシェルドン・ヴァンデーリンデの一瞬の隙を突き3位をゲットした。

優勝したレネ・ラスト。ヘルメットをかぶっているのは3位に入ったジャミー・グリーン
表彰式。優勝したレネ・ラスト、左は2位のフィリップ・エング、右は3位のジャミー・グリーン

 アストンマーティンはジェイク・デニスが6位。完走は14台。

女性ドライバー限定のフォーミュラカーレース「Wシリーズ」

Wシリーズ

 2019年からスタートした、ドライバーを女性に限定するフォーミュラカー(F3)による「Wシリーズ」がDTMのサポートレースとして6レース開催される。その第2戦は19台による19周のレースが行なわれた。

 ポールポジションはジャミー・チャドウィック(イギリス)。スタートで2番グリッドスタートのベーツク・ビセー(オランダ)がトップに立ち、レースをリードし続けて優勝。

優勝したベーツク・ビセー
日本人ドライバーの小山美姫
ポールポジションはジャミー・チャドウィック
スタートでトップをとるベーツク・ビセー
ナオミ・シフ
小山美姫
優勝したベーツク・ビセー
2位を走行するジャミー・チャドウィック。後ろは3位のアリス・ポウェル
サンドトラップにタイヤをとられるジェシカ・ホーキンス
アグレッシブな走りのマルタ・ガルシア
終盤、一時2位に浮上するアリス・ポウェル。後ろはジャミー・チャドウィック
スタートで煙を上げ、スタートできずに終わったサラ・ボヴィーのマシン
表彰。優勝はベーツク・ビセー、2位ジャミー・チャドウィック(左)、3位のアリス・ポウェル

 2位はジャミー・チャドウィック(イギリス)、3位はアリス・ポウェル(イギリス)。日本から出場の小山美姫は、13番グリッドからポジションアップを狙い中盤グループで順位を争うも、後半はペースが上がらずグループからも遅れて8位だった。完走は15台。

Wシリーズのチェアマンはデビッド・クルサード氏

 Wシリーズのチェアマンはデビッド・クルサード氏。マシンはワンメイクで、イタリア・タトゥース製の「T-318」。エンジンはアウトテクニカ・モトーリ製の直列4気筒 1.8リッターターボ。タイヤはハンコック製。ガソリン量も同じ。同マシンはFIA(国際自動車連盟)のフォーミュラ3の承認を受けている。

マシンのカラーリングは5色
イタリア・タトゥース製の「T-318」。エンジンはアウトテクニカ・モトーリ製の直列4気筒・1.8リッターターボ。タイヤはハンコック製のワンメイク。同マシンはFIA(国際自動車連盟)のフォーミュラ3の承認を受けている

 Wシリーズレースエンジニアの安藤博之氏によると、クルマとエンジニアは変わらないが、ドライバーは毎戦くじ引きにより乗る車両が決まるため、コンディションはほぼ同じ。公開はされていないが、コースの練習用に5台のシュミレータが設置されているとのこと。

Wシリーズレースエンジニアの安藤博之氏。モーラ、ARTAほかでの経験が豊富

 選手たちはフリー走行の合間に、コーチとともに縄跳びをはじめ数種類の基礎トレーニングをしている。

優勝したベーツク・ビセー