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F1日本GPを前に、ホンダ 商品・技術広報 三浦氏がF1の取り組みを解説
今週末はロシアGP、そして鈴鹿へ
2019年9月27日 14:55
本田技研工業は9月25日、本社内においてホンダのF1活動についての説明会を開催した。この説明会は、10月11日~13日に鈴鹿サーキットで開催される「2019 F1日本グランプリ」をより楽しく見てもらうため、ホンダの取り組みについて解説を行なったもの。
本田技研工業 広報部 商品・技術広報課 主任 三浦元毅氏がF1活動の概略を、本田技術研究所 HRD Sakura センター長 兼 F1プロジェクト LPL 浅木泰昭氏が技術的な詳細を語った。本記事では、三浦氏によるF1活動の概略をお届けする。
ホンダは、2019年シーズンにおいてレッドブル・トロロッソ・ホンダの10号車 ピエール・ガスリー選手、26号車 ダニール・クビアト選手、そしてアストンマーティン・レッドブル・レーシングの33号車 マックス・フェルスタッペン選手、23号車 アレクサンダー・アルボン選手の2チーム4台にエンジン供給を行なっている。
ホンダのF1活動は大きく4期に分けられ、過去にはエンジン+シャシーのコンストラクター(製造者)で参戦した1964年~1968年の第1期、エンジンサプライヤーとして参戦した1983年~1992年の第2期、途中からエンジン+シャシーのコンストラクター参戦となった2000年~2008年の第3期がある。現在の第4期では、エンジンサプライヤーとして2015年からマクラーレンとともに開始。2018年からはトロロッソと、そして今シーズンはトロロッソに加え、レッドブルとも組むという形での参戦になっている。
また、この第4期ではF1のルールが大きく変更になっており、エンジンも内燃機関だけではなく、運動エネルギーを回生・アシストするMGU-Kや熱エネルギーを回生して運動エネルギーとしてアシストするMGU-Hなどのハイブリッド機構を持ったものとなり、PU(パワーユニット)と呼ばれている。このPUは、ハイブリッド機構を持っていることから高効率なものとなっており、このような高効率PUの開発競争ができることも、ホンダ復帰の理由になっていると三浦氏は語る。
第4期の復帰当初はパフォーマンス不足も見られたが、2019年シーズンは大躍進。すでに2勝を挙げ、表彰台の常連になっていると言ってもよいだろう。三浦氏は「F1には10チーム20台が参戦しているが、その勝利には片寄りがある」と言い、メルセデス、フェラーリ、レッドブルで勝利を分け合い、それ以外のチームで表彰台に乗ったのはホンダエンジンを搭載するトロロッソのみと、ホンダエンジンの戦闘力がライバルと戦える3強の一角であるとする。
ただ、F1選手権ランキングにおいては、ドライバー部門、コンストラクター部門とも第15戦 シンガポールグランプリ終了時でメルセデスがリード。レッドブル、トロロッソとも2018年シーズンよりはよい結果なのだが、後塵を拝する状態にある。
残るF1開催は、今週末のロシアグランプリ、そして10月11日~13日の日本グランプリなど6戦。ホンダがこのような説明会を開いた背景には、この残り6戦、とくに日本グランプリに力を入れていくという姿勢の表われだろう。実際に、今週末に行なわれるロシアグランプリでは、ペナルティを受けるもののエンジンを交換。これはその次、つまりホンダの地元となるF1日本グランプリにおいて、最善を尽くして戦うためのものと見られている。
2019年シーズンのホンダの好調を受けて、鈴鹿サーキットのF1チケット販売も好調と聞く。3日間の延べ人数で2017年は13万7000人、2018年は16万5000人と回復傾向にある中、鈴鹿サーキットを運営するモビリティランドによると今年はさらにチケットの売れ行きは伸びているとのことだ。とはいえ、まだ売り切れているわけではなく、1コーナーの争いが見られるA2席、最終コーナーの争いが見られるR席などは購入可能。1万円を切るチケットとして人気のある西エリアチケットもあり、こちらではスプーンカーブの戦いやバックストレートのスピード競争が楽しめる。
開催まで1か月を切ったF1日本グランプリ。決勝翌日の10月14日が体育の日で3連休となるため、旅行課程に組み込みやすいのもありがたいところ。ホンダがロシアグランプリの不利を受けてまで挑むだけに、その戦いが楽しみだ。