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いすゞ、東京モーターショー 2019でショーモデル「FL-IR」や新型「ギガ」など世界初公開

EV化でウォークスルー構造を実現する「エルフ EV ウォークスルーバン」も

2019年9月27日 発表

ショーモデル「FL-IR」(世界初公開)

 いすゞ自動車は、東京 お台場臨海副都心エリアで開催される「第46回 東京モーターショー 2019」(一般公開日:10月25日~11月4日)の出展概要を発表。東京ビッグサイト 青海展示棟 Aホール(青海エリア)のいすゞブースでは、3台の参考出品車を世界初公開するほか、日野自動車と共同開発した国産初のハイブリッド連節バス(参考出品)、2018年10月に“クラス初コネクテッドトラック”として発売した小型トラック「エルフ」など5台を車両展示する。

ショーモデル「FL-IR」(世界初公開)

“サメをモチーフにロボットのイメージを付与した”というFL-IR

「安心・安全で生き生きとした長距離ドライバーの新しい働き方」をコンセプトに、未来の物流ネットワークを創造するトラックを表現したショーモデルの「FL-IR」。車名は「FUTURE LOGISTICS INTELLIGENT RELAY」の頭文字を並べたもの。

 魚類などが持つ超音波を使った会話や行動習性が、コネクテッドや隊列走行といった技術と類似性があることに着目。エクステリアデザインはサメをモチーフとしつつ、ロボットのイメージを付与したバイオデザインとして採用。有機的な“前絞りキャブ”で風を切り裂くイメージを表現し、周囲に硬質なエアロデバイス設定してスタイルを対比させ、フロントマスクの特徴としている。

有機的な“前絞りキャブ”と周辺の硬質なエアロデバイスを対比させたスタイルが外観の大きな特徴

 インテリアでは運転モードを「手動」「自動」で変更することに合わせ、ダッシュボードが入れ替わる「レイヤーデザイン」を採用。シートはセンターに配置して、快適な操作性と居住性を兼ね備えている。

大型トラック「ギガ」(世界初公開)

いすゞのフラグシップモデル「ギガ」

 大型トラックの「ギガ」はいすゞのフラグシップモデル。先進安全システムでは歩行者や自転車を検知する「プリクラッシュブレーキ」、右左折時の巻き込み事故を抑制し、車線変更も支援する「ブラインドスポットモニター」や「可変配光型LEDヘッドライト」などを採用して安全運転をサポート。

 また、全車速で先行車に追従する「全車速ミリ波車間クルーズ」を搭載し、「新ハイルーフキャブ」を導入したことなどによってドライバーの疲労軽減を図り、安全性と疲労軽減の両輪で性能に磨きをかけている。

 さらに、いすゞ独自のクラウド型運行管理サービス「MIMAMORI」に車両コンディションの項目を拡充。新たに先進安全システムの作動状況もモニタリングして、ユーザーの安心稼働を支えるという。

「エルフ EV ウォークスルーバン」(世界初公開)

EV化によってウォークスルー構造を実現した「エルフ EV ウォークスルーバン」

“次世代の小型配送車”として位置付けられる「エルフ EV ウォークスルーバン」。
EV(電気自動車)が持つゼロエミッション走行や低騒音といったメリットに加え、EV化によってウォークスルー構造を実現。集配作業の効率化に寄与してドライバーの労働環境を改善する。また、運転席には回転シートを採用し、ドライバーの車内移動をサポートする。

 安全面では、一般的なミラーよりも広い範囲を映すことが可能な電子ミラーシステム「CMS」、車両の全周囲を確認できる「3Dサラウンドマルチビュー」を搭載し、ドライバーの安全確認をサポートする。

ハイブリッド連節バス「エルガデュオ」(参考出品)

 いすゞと日野の共同開発によって国産初のハイブリッド連節バスとして生み出された「エルガ デュオ」。2つのキャビンを連節機で接続し、1人のドライバーでより多くの乗客を運ぶ効率的な大量輸送を実現。パワートレーンにはハイブリッドシステムを採用し、環境負荷も低減する。

 また、ドライバーが体調不良などにより運転を続けられなくなった場合に、乗客や乗務員が非常ブレーキスイッチを押すことで車両を減速、停止させることができる「EDSS」(ドライバー異常時対応システム)を路線バスとして世界初搭載。

 これ以外にも、車両をバス停に自動誘導する「プラットホーム正着制御」、先行車との車車間通信を利用して自動的に加減速を行なう「CACC」(協調型車間距離維持支援システム)、車外の移動物を検知する「視覚支援システム」などを両社で開発。ART(次世代都市交通システム)を想定した技術として採用している。

2018年10月に発売した小型トラック「エルフ」
後処理装置のエンジン近接搭載などによって環境性能を高め、高出力化と燃費向上も両立させた新型ディーゼルエンジン「4JZ1」型

 車両やエンジンなどの展示に加え、いすゞブースでは新型エルフで採用するコネクテッド機能などを活用し、車両コンディションを遠隔把握して整備スケジュールの調整を行ない、故障発生を未然に防ぐ稼働サポート「PREISM(プレイズム)」の紹介、いすゞが続けている天然ガス自動車開発の取り組みや技術方針などの解説、トラックドライバーになった気分で記念撮影できる「フォトブース」などが用意される。