ニュース
マツダ、新型SUV「CX-30」を使ったインスタレーション・アートを東京ミッドタウンに展示
「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2019」に出展。10月27日まで
2019年10月21日 18:24
- 2019年10月18日~27日 開催
マツダは、10月18日~27日に東京ミッドタウン(東京都港区)で開催されている「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2019(東京ミッドタウン デザインタッチ 2019)」に出展し、プラザ1階 キャノピー・スクエアにて新型クロスオーバーSUV「CX-30」を使ったデザインインスタレーションのブース展示を行なっている。開場時間は各日11時~21時で、入場料は無料。2007年から開催する「DESIGN TOUCH」への参加は今回で8回目、「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH」は2018年に引き続き2回目となる。
今回のテーマは「ART OF LIGHT -reflection-」。光のうつろいを、デジタルCGを映し出す複数台の大型LEDモニター、ハーフミラー、ミラーなどを使い表現。クルマに命を吹き込むという“魂動デザイン”の考えを具現化したとされるCX-30の流麗なボディに、さまざまな模様の反射を映し出し、クルマを通して見るものに新しい体験を与え、創造力をかき立ててくれるインスタレーションとなっている。
アート制作は、これまでも数々のビジュアル・インスタレーションを手がけてきた「WOW(ワウ)」のチーフディレクター 於保(おほ)浩介氏がディレクション。初日の報道陣向けの公開では、マツダ 常務執行役員 デザイン ブランドスタイル担当 前田育男氏とのトークセッションが行なわれた。
ブース全体は囲まれ感があるので、外から眺めるのと内側で体感するのでは大きく違う。CGは、自然をモチーフにしたと思われるデザインの動きから構成されているが、「意図的に具体性はなくしている(於保氏)」との言葉どおり、抽象的なデジタルカラーの強いラインなどを多用したアート。自然の風景よりメリハリがあるので、CX-30のボディ造形への映り込みがハッキリと見えて、より曲面の美しさが際立っている。ブース内側にいると、この色とラインの動きが強烈で、視覚が揺さぶられるほど。またミラーパネルも多用され、迷路のような作りにもなっているので、錯覚も起こしやすく五感を刺激する。ぜひ開催時間内に内側に入ってしばし反射のインスタレーション体験をしてみていただきたい。
実物のミニカーによって完成したデジタルアート
初日はブース内で、ディレクションした「WOW」のチーフディレクター 於保浩介氏とマツダ 常務執行役員 デザイン ブランドスタイル担当 前田育男氏とのトークセッションが行なわれた。
ビジュアルデザインスタジオ「WOW」は、インスタレーションやデバイス、アプリのUIなどの映像全般を手がけている。2016年オートモービルカウンシルでのマツダブースのビジュアルアートで出展したのが於保氏とマツダとの最初の繋がりで、前田常務は「光のアーティストと早く会いたかった」と語り、最初の出会いから意気投合し、うまくかみ合って面白い空間表現が実現できたということのようだ。
止まった環境では何かが周囲で動かないとダイナミックに見えないので動くモノが必要なのだが、どちらかが主張し過ぎないようにしないとならない。50mほどある巨大スクリーンを使ったLAオートショー 2018での展示を、前田常務は「ここでの映像は圧巻で、映像が勝ちクルマが負けてしまった」と冗談交じりに紹介。今回もこのコンセプトの流れのまま、映像を映し込むことを考え、「ボディラインの美しさを、いかに際立たせるかに腐心した(於保氏)」とのことだ。遠方から眺めると、「なにかやってるな」と興味をひくような作りにもなるよう工夫がされている。
制作予算が限られる中、「RX-VISION」のミニカーを使って精巧なブースのミニチュアを作成し、ミラーとハーフミラーの乱反射の繰り返しを実際に確認しながら微調整をしたエピソードも紹介。於保氏いわく、「3Dのデジタルシミュレーションでは、映り込みの再現や効果は、完全には分からない。やはりアナログな検証手法は有効。だが、普段はあまりやらない手法。塗装も含めて精巧なミニカーがあったので実現できた」とのこと。前田常務は「ミニカーありませんか? と聞かれた時は驚いた。デジタルアーティストでも、細かな調整にはフィジカルに頼るのかと。われわれのクルマ作りにとても近いと感じた」と話し、かなり緻密に作られた空間であることが分かる。
セッション終了後に、2人からコメントもいただくことができた。
前田常務は「今回の展示は新しいCX-30に絞りました。これまでの世代のデザインではなかったデザインの美しさを、反射を通して感じていただけるはずです。ブース内には映えるシーンがとても多く用意されています。それを探しながら楽しんでもらいつつ、マツダがなぜこのようなアーティスティックなインスタレーションを実施しているのか、という意図を、ほかのDESIGN TOUCHの作品展示を見ながら、感じとっていただけるとありがたいと思います」と見どころを語ってくれた。
WOWの於保氏は「あまりポジションを決めずに(※)、とにかくブース内を歩き回っていただきたい。映像も動いていて、映り込みも目線を変えると絶えず変化します。視点を変えながら1周してみて、ベストポジションを探してインスタレーションを楽しんでいただければと思います。表情豊かな作品が楽しめる思います」とのこと。
※ブース内には写真撮影のベストポジションを示すインスタグラムのマーキングポイントが用意されている。迷ったらそこから探し初めてみてほしい。
また、CX-30のデザインを担当したマツダ デザイン本部 チーフデザイナー 柳澤亮氏からもコメントをいただけた。
「われわれは、もともとリフレクション(映り込み)を意図してデザインをしています。それが今回はインスタレーションの中で、自然や街中の景色とは違った別のリフレクションを見られるとてもいい機会だと思います。アートとしてのCX-30の美しさをぜひ今回鑑賞してみて、それを今度は街中で見かけた時にどうなのかと見比べて、アートが街中を走っているという楽しさを感じてもらえたらうれしいです。ほかの車種ではなかなか起きにくいことが起きているんだと、感じていただけるはずです」とのこと。ぜひ実際に訪れて、自身の五感で体感してみていただきたい。
柳澤デザイナーには、CX-30のデザインについて以前にインタビューした記事が公開されている。車両のデザインに関しては、そちらを参照してほしい。