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トヨタのラリー活動を率いるGAZOO Racing Company President 友山茂樹氏に聞く。「ようやくここまでこれたという気持ちでいっぱいです」
2019年11月9日 11:40
- 2019年11月7日~10日 開催
11月7日~10日の4日間にわたり、愛知県、岐阜県を舞台に「セントラルラリー愛知・岐阜2019」が開催されている。このセントラルラリーは、2020年に開催されるラリージャパンのテストラリーとして位置づけられており、この4日間を使って、ラリーを開催しながらさまざまなテストを行なっていく。
このセントラルラリーやラリージャパンの10年ぶりの開催が決まった背景には、トヨタ自動車のWRC参戦がある。トヨタは豊田章男社長の「TOYOTA GAZOO Racingは“負け嫌い”。WRCでも負けたくはない」という宣言のもと、2016年12月13日フィンランド ヘルシンキで「2017年 WRC参戦体制発表会」を開催。2017年からWRCに参戦することを発表した。
その参戦発表会からトヨタのラリーチームを引っ張ってきたのが、GAZOO Racing Company Presidentでありトヨタの副社長でもある友山茂樹氏だ(参戦発表時点では、TOYOTA GAZOO Racing Factory副本部長)。記者はその参戦発表会で友山プレデントに話を聞く機会があり、WRC日本開催についての可能性を尋ねた際に「うーん、できれば日本の真ん中でやりたいね」(友山氏)との言葉が強く記憶に残っていた。
セントラルラリーでセレモニアルスタートを静かに見守る友山プレジデントを見かけ、少しだけ話をうかがうことができたので、ここにお届けする。
──今、セレモニアルスタートを見て、どのような気持ちですか?
友山プレジデント:ようやくここまで来たなと。本当になんというのでしょうか、自治体をはじめ官民一体となった誘致活動、内外のラリー関係者のみなさまの努力のたまものだと思います。本当にお祝いを申し上げたいです。感謝しています。今回テストイベントを迎えられて本当によかったと思います。
また、うちの(Toyota GAZOO Racing WRT)のWRCでの活躍が少しでもお役に立てたとすれば、それもうれしいと思っています。
2016年から豊田章男社長の思いもあり、トミ・マキネン氏と一緒に(WRC参戦の)準備をしてきて、日本でWRCを開催できるとは想像はしていませんでした。もちろんやりたいと思っていました。日本人ドライバーが日本のメーカーがWRCに出ることを含めてですね。ようやくここまでこれたという気持ちでいっぱいです。
──シェイクダウンでのヤリスWRCの走りを見ましたが、ものすごく速いですね。
友山プレジデント:やはりWRカーは速いですね。日本のメーカーがWRCという場所で国際的なライバルと戦っているシーンを身近に感じてもらえるという意味では、本当によい機会をいただいたと思います。ありがたいです。
──フィンランドのWRC参戦発表会では、ラリーの現場でヤリスWRCによってモデルベース開発を進めていくとおっしゃっていましたが。
友山プレジデント:進めています。ラリーの現場では従来得られなかったようないろいろなデータが得られていますよ(笑)。
記者としては、ニコニコとセレモニアルスタートを見守る友山プレジデントの姿が、一つのステップを乗り越えたという雰囲気で印象的だった。ラリージャパンの開催は来年が本番。トヨタが世界を相手に日本でどのような戦いを見せてくれるのか楽しみに待ちたい。