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BMW、ピストン西沢氏監修のドリフト体験レッスン「お台場 POWER SLIDE」2020年2月開講。パイロット版を体験した
参加費は5000円。BMW Mモデルで3段階の独自ライセンス獲得に挑戦できる
2019年12月2日 09:11
- 2019年11月30日 開催
ビー・エム・ダブリューは11月30日、東京 お台場の臨海副都心地域にあるBMW&MINIブランドの体験型販売拠点「BMW GROUP Tokyo Bay」で、2020年2月からの開催を予定しているモータースポーツカルチャープログラム「お台場 POWER SLIDE」の概要を発表。同日にBMW GROUP Tokyo Bayで報道関係者向けのパイロット版体験会を実施した。
ピストン西沢氏が監修・インストラクターを務めるお台場 POWER SLIDEは、BMWのMモデルなどが持つ高度な走行性能を安全が確保された場所で安価に体験してもらうことを目的としたプログラム。散水設備などを備えるBMW M公認のトレーニングコースとなっているBMW GROUP Tokyo Bayのドライビングエリアを舞台に、「ゴールド」「シルバー」「ブロンズ」のレベル別に購入を行ない、独自のライセンスとして認定する。インストラクターはプロドライバーの高橋滋選手や富澤勝選手などが担当。
2020年2月から隔月開催を予定し、参加費は5000円/人。教習車にはBMW 東京が用意する「M3」「M4」といったモデルを利用する。開催日の午前と午後で計2回開催し、約2時間でプログラムを実施。各回12人の参加を募集する。開催が近付いてきたタイミングでBMW GROUP Tokyo BayのWebサイト内で告知を行ない、同サイト内で参加申し込みを受け付ける。
体験会の冒頭でプレゼンテーションを行なったピストン西沢氏は、BMWのMモデルが持つアグレッシブな動力性能を発揮させるのは単純に気持ちのいいことで、そんなクルマを操れることがクルマ好き同士でアイデンティティになると開催の趣旨を説明。BMW Mが本国などで行なっているドライビングエクスペリエンスでもドリフト走行のトレーニングが用意され、BMWが“ハイパワーマシンをコントロールする文化”を持っているブランドであるとアピールした。
トレーニングでは教習車にインストラクターが同乗し、路面に散水してグリップ力を低下させた低μ路を用意。初心者でも気軽に楽しめる内容になるという。2020年2月のスタートに向けて全容を煮詰めている段階とのことだが、例として紹介された初級レベルの「ブロンズ」では、ステアリングをいっぱいまで切って停車した状態からアクセル全開での180度ターンを行なう「アクセルターン チャレンジ」、パイロンを使ってジムカーナ的に設定したコースをターゲットタイムに近付くよう走行する「ターゲットタイム チャレンジ」の2種類のプログラムを実施。後輪が空転してテールが滑ることを体験し、一定のリズムで運転することで「クルマを動かすセンサーを磨く」内容となる。
トレーニング内容についてピストン西沢氏は、「最終的にはドリフト的な走り方を目指すのですが、根本にあるのはアクセルコントロールであるということ。テールが滑る恐怖心を取り除いてアクセルでクルマの姿勢を変えること、同じタイムで走り続けることで運転の正確性を覚えること。僕は20年以上レースをやっていますが、両方とも非常に大事なことだと思っています」と解説している。
このほかにイベント当日は、インストラクターが運転する教習車の助手席に座ってマシンコントロールを体験する「ドリフト エクスペリエンス」、参加者や家族などの同行者が楽しめる「カート講習会」などが行なわれ、ターゲットタイム チャレンジで設定タイムに最も近かったタイムを記録した参加者にはBMWグッズがプレゼントされるという。
このほかにプレゼンテーションでは、参加費は当初1万円という設定になっていたが、BMW 東京と協議を進めた結果、半額の5000円になったというエピソードも紹介。これについてピストン西沢氏は、「これは価格的にも非常に魅力的ですし、正直なところ、BMW 東京側としてもただ善意でやるというわけではありません。お客さまにBMW車の素晴らしさを伝えたいということ、そしてクルマを楽しむ、クルマを運転する文化を作っていかないとお客さまも増えないし、せっかく用意したBMW GROUP Tokyo Bayのような施設を生かしたいということで、出血覚悟でいろいろな人に門戸を開こうといった思いでこのプログラムを行なうことになりました」とコメントしている。
「ブロンズ」レベルのパイロット版を体験
プレゼンテーションの後には、プログラムで初級レベルとしての実施を予定するブロンズのパイロット版を体験することになった。
最初に体験したアクセルターン チャレンジでは、車両のトラクションコントロールをOFFにして、7速M DCTのマニュアルモードで1速を選択。ターゲットとなるパイロンが運転席側(右側)のドアミラー横に来る位置で停車し、ステアリングを右にいっぱいまで切り込んだ状態でアクセルペダルを全開にする。これにより、教習車のM3、またはM4は即座にリアタイヤが空転を始め、車両が逆方向を向いたタイミングに合わせてフルブレーキを掛けるという内容。
教習車が7速M DCTということで、MT車のようなクラッチ操作が不要であるほか、ステアリングがフルロックの状態で7速M DCTはクリープ走行をキャンセルする仕様となっており、ペダルの踏み替えも自分のペースで行なえる。これにより操作がペダルの踏み替えに限定され、ドライバーは車両が動く感覚とブレーキを踏むタイミングに集中できるので、トレーニングの目的であるタイヤが空転して車体が横に滑っていく感覚を体になじませやすい。また、2回、3回と反復する時にコツが掴みやすくなっている。
なお、1回目のチャレンジで参加者がアクセルターンを過不足なくできているとインストラクターが判断した場合、操作に「ターン終盤でアクセルコントロールをしてスムーズに止まる」「カウンターステアを当ててみる」といった項目が追加されるケースもあった。
続いて行なわれたターゲットタイム チャレンジでは、ドライビングエリアを広く使ってパイロンを置き、スラロームや高速コーナー、360度ターンなどを織り交ぜたコースを設定。最初にピストン西沢氏が走行してターゲットタイムを計測し、続けて参加者が3回タイム計測を行ない、ターゲットタイムとの誤差をできるだけ少なくするといった内容で行なわれた。
会場となるBMW GROUP Tokyo Bayはお台場にあり、サーキットなどと比較して交通の便がよく、安全が確保されたスペースでインストラクターとマンツーマンの状態で講習を受けられるこのプログラム。BMW車オーナー以外でも運転スキルを高めたいと考えている人には参加をお薦めしたいと感じるパイロット版となっていた。