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受注開始直後の新型「X3 M」「X4 M」も展示した「BMW MOTORSPORT FESTIVAL 2019」レポート

2019年6月23日 開催

イベントのオープニングセレモニーであいさつしたBMW M Sales&Marketing担当執行役員 ピーター・クィントス氏(左)とビー・エム・ダブリュー株式会社 代表取締役社長 ペーター・クロンシュナーブル氏(右)

 ビー・エム・ダブリューは6月23日、富士スピードウェイ(静岡県駿東郡小山町)でファンイベント「BMW MOTORSPORT FESTIVAL 2019」を開催した。

 駐車場料金の支払いだけで入場できるこのイベントでは、富士スピードウェイの場内全域を使って試乗イベントや車両展示などを行ない、BMWモデルの持つ魅力を紹介。また、同日に受注を開始したばかりの新型ハイパフォーマンスSUV「X3 M」「X4 M」を車両展示した。なお、新型X3 M&X4 Mの詳細は関連記事の「BMW、サーキット走行も想定する新型『X3 M』『X4 M』。新開発の直6エンジンは480PS発生」を参照していただきたい。

BMW M Sales&Marketing担当執行役員 ピーター・クィントス氏

 一般公開に先だって行なわれた報道関係者向けの会見では、BMW M Sales&Marketing担当執行役員 ピーター・クィントス氏から車両解説が行なわれた。

 クィントス氏はX3 MとX4 Mを日本市場にも導入した理由について、よく知られているようにSUVは世界的に好調となっているほか、2018年に導入した比較的コンパクトなモデルである「X3」と「X4」もセールスが好調であることを明らかにして、ハイパフォーマンスモデルにも潜在的な需要が見込めると語った。

 開発では他のMモデルと同様、俊敏性を重視して「最も俊敏でダイナミックなクルマを造る」という目標を立てているという。これを実現した大きな特長として、「これまでのエンジンから100%新しくした」直列6気筒DOHC 3.0リッターの“Mツインパワー・ターボエンジン”を搭載していることを紹介。ベースバージョンでは最高出力353kW(480PS)/6250rpm、最大トルク600Nm/2600-5600rpm、コンペティションバージョンでは最高出力375kW(510PS)/6250rpm、最大トルク600Nm/2600-5950rpmをそれぞれ発生しており、0-100km/h加速は4.0秒、最高速は285km/hを実現。これは競合他車に対して非常に速いものであるとクィントス氏はアピールしている。

 駆動系では全車で4WDシステムを採用するが、Mモデル共通の特徴として後輪駆動を中心にしており、後輪がスリップしてから前輪に駆動力を伝達。これによって俊敏なハンドリングを実現しているという。8速ATのトランスミッションは「M5と同じようなギヤボックス」と表現され、Mディファレンシャルとの協調制御で走破性を高めている。

 外観では高出力エンジンの冷却要求を満たす大型のインレットを備え、Mモデル共通のモチーフであるキドニーグリル内のダブルバーなどを採用して一見してMモデルであると分かるようにしているという。インテリアではMモデルとしてのスポーティさに加え、シート表皮にメリノレザーを設定してラグジュアリーな魅力も演出。コンペティションバージョンではオレンジやグレーといった特別な色を用意している。

 さらにステアリングには、「M5」から導入したオレンジ色の「マルチファンクション・ボタン」を設定。このボタンを使ってドライビングに関わるさまざまなセッティングをステアリングを握りながら変更できることなどを紹介した。

「X3 M」と「X4 M」の魅力について解説するクィントス氏

X3 M Competition

X3 M Competition
タイヤサイズはフロントが255/40ZR21、リアが265/40ZR21
X3 M Competitionのインパネ。レザーステアリングにはパドルシフトに加え、オレンジ色の「マルチファンクション・ボタン」を配置
3種類のシフトプログラムから好みのものを選べる8速 M ステップトロニック・トランスミッションを採用
メーターパネルはフルデジタルタイプ

X4 M Competition

X4 M Competition
タイヤサイズはフロントが255/40ZR21、リアが265/40ZR21
「S58B30A」型の直列6気筒DOHC 3.0リッターターボエンジンは最高出力375kW(510PS)/6250rpm、最大トルク600Nm(61.2kgfm)/2600-5950rpmを発生
ドアミラーに「M カーボン・ミラー・キャップ」を装備
高速走行時の空気抵抗を抑えつつ、リアアクスルの駆動力を向上させる「M カーボン・リヤ・スポイラー」を標準装備
X4 M Competitionのインテリア。メーターパネルはX3 Mと同じくフルデジタルタイプ
8速 M ステップトロニック・トランスミッションのシフトセレクターにモードセレクトのボタンをレイアウト
センターコンソール上段に10.25インチの高解像度カラーワイドディスプレイを備えるHDDナビゲーションシステムを採用
アクセルペダルはオルガン式
コンペティションバージョン専用の「LKHV アデレード・グレー/サキール・オレンジアクセント」のメリノレザーシートを装着している

オープニングセレモニー

オープニングセレモニーでクロンシュナーブル社長とクィントス氏はBMWの最新レースモデルに乗車してホームストレートに姿を現わした

 イベントの幕開けとしてホームストレートで実施されたオープニングセレモニーでは、ビー・エム・ダブリュー 代表取締役社長 ペーター・クロンシュナーブル氏とクィントス氏の2人がBMWの最新レースモデル「M6 GT3」「M4 GT4」に乗って登場。

 まずあいさつしたクロンシュナーブル社長は「日本の人が持つ熱意や精緻な物へのこだわりに私は魅了され、皆さんが持つ愛情を応援したいと思っています。日本人は自分たちの国を愛するのと同じようにクルマに対して情熱を持っていて、それは私たちBMWも同じです。だからこそ、2017年に続いて2回目となるこのフェスティバルを開催することにしたのです。ご存じのとおり、BMWは『駆け抜ける歓び』を体現しています。今日1日はそれらをすべて体感できる絶好の機会となっています」とコメント。

 続いてあいさつしたクィントス氏は「2回目となるM フェスティバルを行なうことができ、たくさんの人に来場していただいて非常に嬉しく思っています。2年前に世界初のM フェスティバルを日本で開催し、それ以来、世界各国で同じようなイベントを行なってきました。BMWを知ってもらうために、さまざまなスポーツカーやレーシングカー、ヒストリックカーをこちらに用意して、皆さんにご覧いただけることが非常に嬉しいです。また、Mモデルも多数用意しており、初めてご覧いただくモデルも用意しています。今日は同乗走行や体験走行でBMWの魅力を体感いただけます」とイベントについて紹介している。

クロンシュナーブル社長
クィントス氏

同乗プログラム

「RACING CAR TAXI.」

 オープニングセレモニーでも登場したM6 GT3、M4 GT4のレースマシン2台を荒聖治選手などがドライブして富士スピードウェイを同乗走行できる「RACING CAR TAXI.」は、当日申し込みの限られた走行枠に多数の応募者が集まった注目のプログラム。また、同乗できなかった人もそれぞれのレースマシンが披露する迫力の走行を楽しんだ。

M6 GT3
M4 GT4
同乗走行の当選者は、ロールバーなどによって補強された助手席に身をかがめながら乗り込み、2周弱の同乗走行を楽しんだ
「M TOWN TAXI.」

 BMWが用意する仮想空間「M TOWN」に登場する「M TOWN TAXI.」を富士スピードウェイで再現。当日抽選で当選した来場者を同乗させながら、ホームストレートでスピンターンやスラローム走行などを披露した。

イエローの「M3」をベースとしたM TOWN TAXI.の走行シーン
「BMW M TAXI DRIVE.」

 プロドライバーが運転する各Mモデルに同乗試乗できる「BMW M TAXI DRIVE.」。Mモデルが持つ高いポテンシャルを体感できるプログラムとなっていた。

市販状態のBMW Mモデルだが、プロの運転でサーキット走行にも対応する高いポテンシャルを披露した
「xDrive ZONE.」

 パドックエリアで行なわれた「xDrive ZONE.」では試乗車として「X3」を用意。BMW独自の4輪駆動システム「xDrive」の走破性を披露した。

角度の急なバンク路ではタイヤが宙に浮くような姿勢になることもあるが、駆動力を適切に配分してしっかりと走り抜ける
ローラーを備えるラダーを走り抜けるシーン。空転するローラーで低μ路を再現しているが、こちらもしっかりと段差を越えていく

展示プログラム

「BMW CLUB JAPAN」の協力で行なわれた「M HISTORIC COLLECTION.」
「BMW 3.0 CSL」(左)と「BMW M1」
「BMW M4 GTS」
「BMW E30 M3 DTM グループA」
「BMW E34 M5 DTM グループN」
「BMW 2002 TURBO」
「BMW E30 M3」
「BMW E36 M3」
歴代Mモデルのエンジン展示も行なわれた
「Team Studieによるレースマシン展示
現行モデルのラインアップ展示も行なわれた

その他パドックプログラム

「ファンステージ」に荒聖治選手が登壇
特設のファンステージではレーシングドライバーの荒聖治選手などによるトークショーや試乗プログラムの抽選会などが行なわれた
「BMW Motorrad」の2輪車展示
「BMW HP4 RACE」
「BMW S 1000 RR」
ブリヂストンブース
ブリヂストンブースでは「エアフリーコンセプト」のタイヤを装着した自転車を展示。会場の都合で自由に走らせることはできなかったが、ゴムローラーに突起を設定して乗り心地を体感できるようにしていた
ブリヂストン製のランフラットタイヤ装着車の試乗も行なわれた
ポテンザ S001を製品展示
横浜ゴムブース
横浜ゴムブースでは新型「X5」を使い、運転席側の前後にスポンジ付きタイヤ、助手席側前後に純正タイヤを装着。直線コースの片輪側だけに突起を設置して、コースの往復で車内の騒音の違いを体験できるようにしていた