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BMW、625PS/750NmのV8ターボエンジンで0-100kmh加速3.2秒を実現する新型「M8」発表会

「M8 コンバーチブル」は2019年第4四半期に提供予定

2019年6月25日 受注開始

2230万円~2433万円(消費税10%)

6月25日から受注を開始した新型「M8」。発表に先立ち、6月23日に富士スピードウェイで行なわれた「BMW MOTORSPORT FESTIVAL 2019」の会場で、報道関係者向けの発表会が行なわれた

 ビー・エム・ダブリューは6月25日、BMW Mの新しいフラグシップモデルとなる新型「M8」「M8 Competition」の受注を開始した。納車は12月以降に順次開始の予定となっており、価格は2230万円~2433万円(消費税10%)。

 2018年11月に日本導入が開始された「8シリーズ」をベースとするM8は、8シリーズの優雅なスタイリングを備えつつ、BMW Mのテクノロジーによってピュアスポーツカーとしての力強さを融合させている。

モデルエンジン変速機駆動方式価格(消費税10%)
M8V型8気筒 4.4リッターツインパワーターボ8速AT4WD22,300,000円
M8 Competition24,330,000円
新型「M8 Competition」
ボディサイズは4867×1907×1362mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2827mm、車両重量は1885kg

 搭載するV型8気筒 4.4リッターツインパワーターボエンジンは「BMW Mが培ってきた最先端技術を余すことなく採用し、BMW Mが開発したエンジンで最も力強い」と表現されるもの。2基のターボチャージャーに排出ガスを供給するエキゾーストマニフォールドに「クロスバック型」を使い、排気エネルギーを最大限に活用して俊敏なアクセルレスポンスを実現。ダイレクトインジェクションシステムの燃料噴射圧力を最大350barまで高め、燃料を極めて微細に霧化して燃焼効率を向上させている。

 これにより、M8では最高出力441kW(600PS)/6000rpm、最大トルク750Nm/1800-5600rpmを発生。また、よりアグレッシブなスポーツ走行に対応するモデルとして位置付けられたM8 Competitionでは特別なセットアップが施され、25PSアップの最高出力460kW(625PS)/6000rpm、最大トルク750Nm/1800-5600rpmを実現する。

 このほかにパワートレーンでは、トランスミッションに「ドライブロジック」を備える8速スポーツAT「8速 M ステップトロニック」を採用し、BMW Mが手がけたインテリジェント4輪駆動システム「M xDrive」によって駆動力をタイヤに伝達。これらにより、M8 Competition(欧州仕様)では0-100km/h加速で3.2秒を達成した。

 前後のタイヤに無段階かつ可変的にトルクを振り分けるM xDriveはリアタイヤに優先的に駆動力を配分するセッティングを採用。車両の安定性維持に必要なタイミングを見極めてフロントタイヤに駆動力を配分するシステムとなっている。また、ドライバーの好みに応じた設定変更も可能としており、初期設定の「4WD」モードのほか、さらに後輪駆動に近づく「4WD SPORT」モード、DSC(ダイナミック・スタビリティ・コントロール)までOFFにして完全な後輪駆動状態にする「2WD」モードが用意されている。

M8 Competitionのエンジンは最高出力460kW(625PS)/6000rpm、最大トルク750Nm/1800-5600rpmを発生
フロント275/35ZR20、リア285/35ZR20のミシュラン「PILOT SPORT 4 S」を装着
ルーフやリアスポイラーがカーボン製となる

 BMWの「Mモデル」で特徴的となっているドライブモードの設定変更機能では、これまでのエンジンレスポンス、ステアリング、サスペンション特性に加えてブレーキシステムの設定変更が可能となった。また、センターコンソールに「M MODE」のボタンを追加している。これにより、すべての運転支援システムが有効となる「ROAD」、前車接近警告と衝突回避・被害軽減ブレーキ以外のブレーキやステアリングに関する介入を無効化できる「SPORT」を選択可能。さらにM8 Competitionでは専用モードとして、快適性や安全性に関するすべての運転支援システムをキャンセルできる「TRACK」モードが用意されている。

 ブレーキではブースターの圧力を電動アクチュエーターで生成し、バキューム式よりも素早く正確な制御が可能になるほか、約2kgの軽量化にも貢献する「M専用インテグレーテッド・ブレーキ・システム」を初採用。濡れている路面や横方向の加速度が高い状態、ブレーキ温度が高いなどコンディションが変化している状況でもペダルの操作感覚が一定に保たれ、常に正確な制動力をコントロールできる。また、ペダルモードとして快適性を重視する「COMFORT」、素早い反応を重視する「SPORT」の2種類を用意。車両の減速に必要なペダルの操作量を変更可能としている。

リアバンパー下側がディフューザー形状となり、エキゾーストエンドは2×2レイアウト
トランクリッドにM8 Competitionのエンブレムを設置
独立したトランクを備える2ドアクーペボディとなる

 インテリアではBMW Mの新しいフラグシップモデルであることをアピールするべく、アグレッシブさとラグジュアリーテイストを両立。新開発で立体的なデザインを採用するフロントのスポーツシートでは、サイドボルスターや肩まわりのサポートを大きくして乗員の体を快適に包み込む形状を採用。また、“Mモデルらしさ”を表現するため、新デザインのシフトセレクター上部にMのロゴをデボス加工で施し、「Mモデルカラー」のステッチを設定。さらにステアリングホイールの「Mボタン」とセンターコンソールのスタート/ストップボタンをレッドにしてスポーティさを表現している。

M8 Competitionのインテリア
メーターは12.3インチディスプレイによるフルデジタルタイプ
10.25インチのタッチパネルディスプレイをセンターコンソールに装着
ヘッドレストにM8のロゴマークを備えるスポーツシート
アクセルペダルはオルガン式。大型のフットレストも装備する
モード変更用の「Mボタン」
「Mモデルカラー」のステッチが施されたシフトセレクターやレッドのスタート/ストップボタンでスポーティさを表現
ドライブモードを変更する「M MODE」ボタンなどをレイアウト

「M8 コンバーチブル」は2019年第4四半期に提供予定

新型M8の記者発表会が行なわれた

 発表会では、BMW M Sales&Marketing担当執行役員 ピーター・クィントス氏、BMW M Sales&Marketing Manager ローター・シュペッ氏の2人から新型M8について解説が行なわれた。

BMW M Sales&Marketing担当執行役員 ピーター・クィントス氏

 先にプレゼンテーションを行なったクィントス氏は、BMW Mがエキサイティングで高性能なモデルを開発して近年大きな成功を収めており、コンパクトな「M2」から新たにデビューさせるM8まで幅広くラインアップしているほか、BMW車のM スポーツパッケージやオプション、用品、BMW Individualなどを手がけていると紹介。また、ユーザーがBMW Mのモデルを市街地からサーキットまできちんと扱えるようトレーニングする「ドライビングエクスペリエンス」もBMW Mの事業で大きな柱になっているという。

BMW M Sales&Marketing Manager ローター・シュペッ氏

 続いて登壇したシュペッ氏は、新たにデビューするM8を「BMW Mのベンチマーク」と位置付け、625PSを発生するM8 Competitionでは、0-100km/h加速を3.2秒で完了する卓越したパフォーマンスを持っているとアピール。

 また、V型8気筒 4.4リッターのターボエンジンとM xDriveの4輪駆動システムを組み合わせるパワートレーン、コンフォートとスポーツの設定をユーザーが選べるインテグレーテッド・ブレーキ・システム、「フローズンペイント」と呼ばれるマット塗装のボディ、特別なテイストを表現するラグジュアリーなインテリアをM8の持つ特徴として紹介した

 これに加えてシュペッ氏は、オープンエアドライビングを楽しめる「M8 コンバーチブル」について、2019年の第4四半期に提供予定と明らかにしている。

0-100km/h加速タイムは、M8が3.3秒、M8 Competitionが3.2秒
パワートレーンなどの製品ハイライト
M8 Competitionではグリルやドアミラーを光輝ブラック化。カーボンパーツも積極的に使ってハイパフォーマンスモデルであることを表現している
内装の製品ハイライト
「M8 コンバーチブル」は2019年第4四半期に提供予定