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トヨタ「RAV4」がイヤーカーに選ばれた「2019-2020 日本カー・オブ・ザ・イヤー」最終選考会・表彰式

「もっといいクルマを作ろうと“勇気をいただいた”」RAV4チーフエンジニア 佐伯氏

2019年12月6日 開催

第40回 2019-2020 日本カー・オブ・ザ・イヤーのイヤーカーが決定

「第40回 2019-2020 日本カー・オブ・ザ・イヤー」最終選考会が12月6日、東京国際交流館(東京都江東区青海)で開催され、トヨタ自動車「RAV4」がイヤーカーに輝いた。

 日本カー・オブ・ザ・イヤーは、その年を代表するクルマを決定するイベントとして2019年で40回目の開催。選考対象は、2018年11月1日~2019年10月31日に発表または発売され、年間の販売台数が500台以上見込まれている乗用車が対象となり、2019年のノミネート車は35台。

 その中から一次選考によって選ばれた上位10車「10ベスト」に対して、自動車評論家、ジャーナリスト、有識者からなる60名の選考委員によってイヤーカーを決定する最終選考の投票が行なわれた。

 会場で公開された得票結果は、トヨタのRAV4が436点を獲得、2位はマツダの「MAZDA3」で328点。3位はBMW「3シリーズ セダン」の290点となり、同モデルはインポート・カー・オブ・ザ・イヤーに輝いた。

2019-2020 日本カー・オブ・ザ・イヤー得点表

1位:トヨタ「RAV4」:436点
2位:マツダ「MAZDA3」:328点
3位:BMW「3シリーズ セダン」:290点
4位:トヨタ「カローラ」/「カローラツーリング」:118点
5位:ジャガー「I-PACE」:109点
6位:ジープ「ラングラー」:56点
7位:ホンダ「N-WGN」/「N-WGN Custom」:54点
8位:メルセデス・ベンツ「Aクラス」/「Aクラス セダン」:53点
9位:日産「デイズ」/三菱「eKクロス」「eKワゴン」:35点
10位:ダイハツ「タント」/「タントカスタム」:21点

10ベストカーの表彰式

 RAV4の授賞理由としては「日本市場に復活となったグローバルカーのトヨタRAV4は新時代のSUVとしてあらゆるニーズに高いレベルで対応した。3種類の4WDシステムなどのパワートレーンと最新のプラットフォームの組み合わせによる走りは快適性、楽しさともに秀逸。またラゲッジスペースは広く、使い勝手も良好。さらにDCMを全車標準装備とした上でリーズナブルな価格設定としたことも高く評価した」としている。

トヨタ自動車株式会社 MS製品企画 ZD チーフエンジニア 佐伯禎一氏

 受賞したRAV4の開発責任者となるトヨタ自動車 MS製品企画 ZD チーフエンジニア 佐伯禎一氏は「4月にRAV4を出して、ここにおられる皆さまといろんな話をさせていただきながら、いいアドバイスもあれば、辛口なコメントもいただきました。今日の受賞で、RAV4の良し悪しよりもトヨタもっと頑張れよという皆さんの思いや期待を感じました。今回40回目の記念すべきタイミングでRAV4が賞をいただいて、クルマづくり、ものづくりのわれわれがもっともっといいクルマを作ろうと、明日から頑張ろうという勇気をいただいた気持ちです」とコメントした。

第40回 2019-2020 日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したトヨタ「RAV4」

2019-2020 インポート・カー・オブ・ザ・イヤー

2019-2020 インポート・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したBMW「3シリーズ セダン」

 輸入車に与えられる「2019-2020 インポート・カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞したBMW「3シリーズ セダン」の授賞理由は「7代目となるBMW3シリーズは“スポーツセダン”という生来の個性を維持しながら、時代のニーズに合わせて素晴らしい進化を遂げた。ダイナミックで気持ちがいい走行フィールには磨きがかかり、それに加えて日本初の高速道路渋滞時ハンズ・オフ・アシストや搭載カメラをドライブレコーダーにも使える機能など、安全・快適装備の充実化を図ったことも大いに評価した」としている。

2019-2020 イノベーション部門賞

2019-2020 イノベーション部門賞を受賞した日産「スカイライン」

 部門賞となる「2019-2020 イノベーション部門賞」に日産自動車「スカイライン」が選ばれた。授賞理由は「『プロパイロット2.0』の搭載により自動運転の将来的な大きな可能性について一般に正しく知らしめた功績は大きい。技術的には3D高精度地図データと多くのセンサーにより高速道路同一車線内でハンズオフを可能にしたことに注目。これによりドライバーの負担を減らし安全に貢献する点も評価した」としている。

2019-2020 エモーショナル部門賞

2019-2020 エモーショナル部門賞を受賞したジープ「ラングラー」

 2019-2020 エモーショナル部門賞には、ジープ「ラングラー」が選ばれた。授賞理由は「11年振りにフルモデルチェンジされ、本来持つオフロード性能の高さをさらに向上させた上に、オンロードにおけるパフォーマンスも大幅にアップ。これにより幅広いユーザーが様々なシチュエーションで多彩な走りが楽しめるようになった。また、本格オフローダーをイメージさせるデザインも大きな魅力だ」としている。

2019-2020 スモールモビリティ部門賞

2019-2020 スモールモビリティ部門賞を受賞した日産「デイズ」と三菱自動車「eKクロス」「eKワゴン」

 2019-2020 スモールモビリティ部門賞には、日産自動車「デイズ」と三菱自動車工業「eKクロス」「eKワゴン」が選ばれた。授賞理由として「軽自動車としての操縦性、安全性、運転支援システムなどの基本性能を従来のモデルから大きく向上させたのが、この日産と三菱による共同開発車だ。また、スペースを有効に活用して決められたサイズの中でも高い居住性を確保した点も評価した。さらにスタイリングも個性的でありそれぞれ好感が持てる」とされた。

実行委員長の荒川雅之氏(モーターマガジン社 取締役 編集局長)

 締めくくりに挨拶をした、日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員会 実行委員長の荒川雅之氏は「昨年に続いて、トヨタからは2モデルが10ベストに選ばれました。このことにも大きな価値がありますが、今年はイヤーカーにもトヨタ車のRAV4が選出され、これはもうお見事というほかありません。このところのトヨタのクルマづくりの素晴らしさは、折り紙つきということになるかと思います」と、RAV4の受賞についてコメント。

 また、荒川氏は「そして輸入車ではBMW3シリーズが圧倒的な得票数でインポートカー・オブ・ザ・イヤーを獲得しました。日本で最もポピュラーな輸入車というBMW3シリーズの強さをあらためて実感しました。そして部門賞を獲得した日産自動車、三菱自動車、FCAジャパンの皆さま、それぞれの部門を代表するにふさわしいクルマが選ばれたと思います。そして、賞の獲得はならなかったとしても、そのほかのモデルに選考委員の方々が入れた点数の重みに変わりはありませんので、本日の結果はすべて前向きに捉えていただければ幸いでございます“ノーサイド”です」と総括した。