「RAV4」を筆頭に、SUVのカスタマイズカーがオートサロンに増殖中

市場の人気に合わせてオートサロンでもSUVのカスタマイズカーが増殖中!?

　幕張メッセ（千葉県美浜区）で開幕した「東京オートサロン2020」（1月10日～12日）。今回のオートサロンで、着実に存在感を増しているクルマのカテゴリーがSUVだ。その中でも主役は2019年デビューしたトヨタ「RAV4」。さまざまなスタイルの、さまざまな志向性のデモカーが展示され、SUVカスタムの多様性を見ることができた。

　世界的に見てもSUVは人気で、マセラティやランボルギーニ、果てやアストンマーティンやロールス・ロイスまでSUVをラインアップする時代だ。日本も変わらずSUVは人気で、“SUV人気”を一般的なものとした「CX-5」のマツダをはじめ、メーカー各社、漏れなくSUVをラインアップしている。現在は、2019年に復活デビューを果たしたRAV4が人気で、「2019-2020 日本カー･オブ･ザ･イヤー」のイヤーカーに選ばれるなど評論家からの評価も高い。また、スズキの「ジムニー」「ジムニーシエラ」も人気で、デビューして間もないトヨタ「ライズ」、ダイハツ「ロッキー」の販売も好調と伝えられる。

今後の要注目車種になるか!?　ダイハツブースの「ロッキー」

総合チューニングメーカーのトラストも「ジムニーシエラ」をカスタマイズ

　ではカスタムの世界ではどうか？　さすがにライズ、ロッキーはデビューして間もないため、これからなのは間違いない（製作に前向きの社があるとの情報アリ）。一方RAV4は、ようやくパーツが出そろった感がある。機能パーツのみならず外装パーツもそろい、好みの仕上げを追求する土壌ができたと言えるだろう。だからこそRAV4を展示するメーカーが多かったのだ。

　そして、SUVのカスタムでポイントになるのが車高。スポーツカーやミニバンなどをカスタムする際、車高は「下げる」のが一般的だ。しかし、SUVでは「上げる」という選択肢も入ってくる。今回のオートサロンでも、ローダウンとリフトアップの2パターンのRAV4を見ることができた。また、ローダウン路線でカスタムしてきたメーカーの中には、「リフトアップするデモカーを製作予定」と話すトコロも。この辺りは、SUV特有の事情と言えるかもしれない。

4WD車のカスタムのスペシャルショップ、ロードハウスによるRAV4。タフさをイメージさせる車高上げ路線でのメイク

スポーツカー、ミニバンのイメージが強いクールだが、最近はSUVにも積極的。RAV4用エアロは、車高を上げても下げても似合うデザインを追求。デモカーは思い切ったローダウンだが、隣のC-HRが低すぎて、車高が高く見える!?

SUVのカスタムも得意なクライメイトのRAV4。リフトアップ＋4WDらしいホイール＆タイヤをセレクトした

オリジナリティ度の高いカスタムを得意とするロェンもRAV4に着手。エアサスによるローダウン仕様で、「リフトアップ仕様も製作する予定」と打ち明けてくれた

エムズコレクションのRAV4。悪路を走り切る姿がイメージできる仕様

TRD仕様のRAV4。ガード風バンパーなど、四駆の力強さを連想させるスタイル

　やはり、車高上げ系メイクは、悪路の走破性の高さを連想させる、いわゆる“四駆系”の仕上げが多い。エムズコレクションのデモカーはガードバーを装着したタフネス路線で、TRDブースに展示されたRAV4も、ルーフラックに荷物を載せたアウトドア仕様だ。一方で車高を下げ、街中をお洒落に走るのが似合う路線で仕上げられたモデルも多かった。RAV4もそうだが、SUVの多くは上げても下げてもどちらでも仕上げることができる。SUVは、仕上げに多様性のあるカテゴリーなのだ。それはつまり、オーナーのさじ加減1つで、個性的な1台が完成するということ。クルマ趣味でも個性を求める人が多い時代だからこそ、SUVは多くのユーザーの心を掴むのかもしれない。

ホシノインパルが持ち込んだエクストレイル

クールが製作したC-HR。これでもか、というほどのローダウン仕様だ

クライメイトが製作したCX-5。スポーティな仕上がりが特徴的