イベントレポート 東京オートサロン 2020
東京オートサロン2020で注目のカスタム スープラまとめ
会場内はスープラが大盛り上がり、2台3台と複数台展示するチューナーも多数!
2020年1月12日 00:00
- 2020年1月10日~12日 開催
- 入場料:特別入場券3500円、大人一般入場券2500円、中・高校生一般入場券1800円(全日とも保護者同伴に限り小学生以下無料)
幕張メッセ(千葉県美浜区)で開幕した「東京オートサロン2020」(1月10日~12日)。今回のオートサロンで存在感を誇示したのは、やはりトヨタ「スープラ」のカスタマイズされた姿だろう。2019年にデビューしたばかりだが、パーツメーカーやショップに車両が回り、ここにきてパーツが続々と発表されているのだ。2020年のチューニングを語る上で、スープラが外せない存在になることは確実だ。
2019年はSUVが注目された年だった。きっと2020年もSUVが話題のクルマの中核を担うことだろう。しかし、クルマ趣味、カスタム業界という側面で見ると、スポーツカーからも目が離せない。これまでもさまざまなクルマの流行があったが、“スポーツカー”と“チューニング”という流れは止まることなく存在し続けている。
最近では「コペン GR SPORT」がデビューしたし、今回のオートサロンでも「GRヤリス」、「新型レヴォーグプロトタイプSTI Sport」が公開されるなど、スポーツモデルの話題には事欠かない。そうした中にあって、2020年のスポーツカーの主役はやはり「スープラ」が担うことになるであろう。先述のとおり、今年一気にパーツが出そろう気配なのだから。
では、オートサロンを見て分かったスープラのカスタマイズの状況を見てみると、現時点では、ようやくパーツが出そろいはじめたところというのが現状。会場でもさまざまな機能パーツが展示されていたが、まだ開発段階で「発売予定」というものも少なくなかった。エクステリアパーツでも、「11月末に納車で、ようやくマスター(製品になる手前の段階)ができ上がった」といった声もあった。大手総合チューニングメーカーでもコンピュータの解析は済んでおらず、また、ブッシュなどの細部に渡ったパーツが出回るのにもまだ時間が掛かると思われる。それでも、車高調などの「サスペンション」「吸排気系」「補強系」「エアロパーツ」などは、各ブースで開発が進んでいる様子を見ることができた。スープラを自分好みにカスタマイズできる日も近いだろう。
クルマのカスタマイズを手がける多くのメーカー、ショップがスープラに熱視線を送っている。では、彼らはスープラをどのように見ているのだろうか? それぞれのブースで話を伺ったので紹介していきたい。
HKS
チューニング業界のビッグネームであるHKSは、3台ものスープラを持ち込んだことからもその意気込みがうかがえる。ワイドボディキットを開発し、市販も視野に入れているが、「(市販向けで)ここまで本格的なボディキットを手掛けるのは初めて」(HKS 坂詰氏)なのだ。レーシングカー向けにボディパーツを製作した経験はあるが、市販品には市販のために調整しなければならない部分がある。つまりHKSにとってこのスープラは“大きな挑戦”でもある。
BLITZ
ブリッツの小林氏は「久しぶりに出た激しいスポーツカーベースのクルマ」と熱く語る。ブリッツでは3グレード計3台を導入しパーツ開発を進めている。ブースで展示していたのはRZが1台でワイドボディ仕様。現時点での同社の開発テーマは「ゴリゴリのレーシングカーのようなチューニングカーではなく、ストリートをカッコよく走れること」なのだという。だから、車高調(3月発売予定)のアッパーマウントは、快適性を念頭においてピロボール式ではなく、強化ゴム式(ピロ式アッパーは別途購入できるようにする計画)だ。もちろんパワーアップ系も忘れない。「SZグレードをベースに、RZに負けない走りを与えたい」と小林さん。ブリッツは近い将来、スマート路線とスポーツ路線、この2本立てになっていくことを示唆していた。
Varis
エアロパーツはどうか? 競技車両にもアイテムを供給するバリスの矢作氏にうかがった。「デザインはやりにくいですね。屋根が凹んでいるから。(バリスでは)ボンネットを作り、ボンネットにキャラクターラインや屋根に通じる凹みを設定することで、屋根の違和感を感じにくくしています」と話す。機能面に関しては、「できたばかりで、走らせていない。でも、バラしてどこにダクトを設けるか検討している。これまで培ったノウハウをベースに、これから走らせて行きます」と、今後煮詰めていくとのこと。
KUHL Racing
大胆なイメージチェンジ、クルマ1台をトータルで仕上げた“コンプリートカーの販売”で有名なクールレーシングの片岡氏は新型スープラを「ベースとしてはよい。カスタムすると映える」と評価。そんなクールのデモカーは、「ノーマルよりもシンプルに」をコンセプトに製作されている。フロントの両サイドに備わるディフューザーを、フェンダーを被せることでシンプル化。ワイドフェンダーでクルマをワイド&ローに見せているが、フェンダーにキャラクターラインを通したり、下端をリブ的に立ち上げたりすることでシャープに見えるようにしている。
多数のメーカー、ショップが展示
そのほかにもさまざまなメーカー、ショップがデモカーを展示していた。具体的に発売されているパーツもあるが、現時点では「まだこれから」というのが大半だということも分かった。まだスープラのカスタムは始まったばかりなのだ。
いくらスープラが話題と言っても、日本でのスポーツカーの販売台数が急激に増えることはないだろう。けれど世界的に見ればどうだろう? そしてBMWを筆頭に、日本でも輸入車でカスタムの人気が高いモデルもある。高額車だからと言って、スープラのカスタムが流行らないということはないだろう。「クルマに魅力があれば手を入れる人はいます」と語っていたのはHKSの坂詰氏だが、なるほど、たしかに「MINI」やスバル「WRX」などでも、決して安いクルマではないが、カスタム人気は高い。
なにはともあれ、ここにきて勢いのついた感のあるスープラのカスタムの流れ。果たしてこれからどのようになっていくのか? 気になるところである。