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ブリッツが作り上げたトヨタ「ライズ」「GRスープラ」の最新デモカーをチェック
GRスープラでは減衰力をフルオートで調整するサスペンションも
2020年6月15日 17:38
クルマ好きのユーザーに向けたアフターパーツの企画、製造、販売を手がける「ブリッツ」。同社は1980年に自動車部品商社の中の事業部としてスタートし、当時は主にドイツのKKK製ターボチャージャーを日本のスポーツカーユーザーに向けて販売していた。
その後もカスタマイズの規制緩和を受けて取り扱い製品を拡充していっただけでなく、トヨタディーラーにてブリッツ製のスーパーチャージャーキットを装着したコンプリートカーを販売するなど、多角的にクルマ好きユーザーのカーライフを楽しくするための事業を進め、現在も保安基準に適合するのはもちろんのこと、耐久性があり高品質なカスタマイズパーツを大手カー用品店や新車販売店、カーショップ、インターネット通販など多くのチャンネルで販売している。
純正の特性を基準にした32通りの乗り味が選べるサスキット
では、ここからはブリッツの製品が装着されたデモカーの紹介をしていこう。まずはトヨタ自動車「ライズ」から。このライズはダイハツ工業「ロッキー」と兄弟車なので、以下で紹介するブリッツパーツはすべてロッキーにも性能、保安基準ともに同条件で装着可能だ。
さて、ライズだが、このクルマは取りまわししやすいサイズのボディに1.0リッターターボエンジンを搭載してキビキビとした走りのよさを持っているのが特徴。日常的な利用が便利なだけでなく、運転する楽しさを味わうことができるクルマだ。
そんなライズに対して、ブリッツは全長調整式のサスペンションキット「DAMPER ZZ-R」の装着による走行性能向上とローダウンスタイルを提案。その姿が写真のデモカーである。デモカーで設定している車高はキットの標準値であり、数値はノーマル車高からはフロントが52mmダウン、リアが54mmダウン。最低地上高はフロントのロアアーム固定ボルト(車両で最も低い位置)での計測で150mmとなっている。
なお、DAMPER ZZ-Rではブラケットとダンパー本体をネジ位置の調整で上下に動かせる機能があるので、フロントに関しては最も下げた位置では純正車高から-95mmまで低くできる。リアはサスキットを装着した状態で純正より-35mmとなり、最大で純正車高から80mm下げることができる。ちなみにブリッツでは純正のタイヤホイール、純正マフラー、およびブリッツ製マフラーを装着した状態を開発車両の基準としているので、純正と外形が変わらないタイヤ、ホイール交換やブリッツ製マフラーを装着していれば地上高の確保は確実に行なえる。
つぎに乗り味に関して、ブリッツのDAMPER ZZ-Rは乗り心地の硬さや突き上げ感の緩和、それにカーブを曲がるときに起こるロールの量とロールスピードを適正にすることを狙いとしているが、こうした部分は乗り手ごとに好みがあるし、走る場所によっても感じ方が違ってくるものだ。そこでDAMPER ZZ-Rは32段の減衰力調整機構を備えているのだが、この設定に特徴があった。
クルマの乗り心地は「硬い、柔らかい」ということだけではなく、急激な動きにはグッと踏ん張るとか、路面にうねりがある道ではマイルドな動きで追従するなど運転の状況に対して自動車メーカーがクルマごとに「適切」とした設定がある。
そして、その動きに大きく関わるのがダンパーの減衰力。自動車メーカーはクルマごと一般的な走行に対して最適な減衰力を設定しているわけだが、市販されているサスキットはスポーツ走行派に向けたものが多いため、純正の減衰力とは違った特性のダンパーに仕上げることが多いのだ。
そのため、街乗りが多いユーザーには例え減衰力調整ダイヤルを柔らかい方へ設定しても硬く感じる部分があったりと、乗り手が持つ純正の特性を基準としたイメージと合わない部分が出てきたりする。
そこで、DAMPER ZZ-Rでは開発時にノーマルダンパーをテスターにかけて減衰力の特性を実測。その特性に対して、同じような変化をする別の特性(減衰力設定の段数)を硬い側、柔らかい側ともに作り、それを切り替えて使えるようにしている。
こうすることよって、どの段数を選んでも乗員が感じる基本的な特性が(ほぼ)変わらないので、サスペンションを入れ換えていても違和感を感じにくくなっている。また、この設定であれば純正の乗り心地に対して「もうちょっとだけロールを抑えたい」とか「後席の乗り心地だけ少し柔らかめにしたい」などという要望に合わせやすいということだ。
ブーストアップで最高出力は約12PS向上
デモカーには「Power Con(パワコン)」というブーストアップ装置が装着されている。以前ではターボエンジンのブーストを上げる際はタービンのアクチュエーター(ウエストゲート)の作動を任意で制御するためのコントローラーを使用していたが、現在のエンジンではこの方法は使えない。そこで、エンジンの他の制御と協調できるコントローラーを用いてブーストを安全、正確に制御する。パワコンはそのための装置である。
ほかにも電子制御スロットルの動作を変更できる「Thro Con(スロコン)」も装着されている。こちらはアクセル開度、経過時間によりスロットル制御マップを自動で選択する「AUTOモード」が5パターン。燃費重視の「Ecoモード」が5パターン。そしてスムーズな加速感を狙った「SPORTモード」が10パターンの全20パターンから切り替えができる。
ちなみに、ブリッツにはパワコンとスロコンを一体化した「Power Thro(パワスロ)」というアイテムもあるので、ブーストアップとスロットル制御の変更の両方を行ないたい場合は、パワスロを選ぶ方が取り付けの手間や価格面でもメリットがある。
GRスープラは減衰力をフルオートで調整する機能付きサスペンションを装着
続いては「GRスープラ」(RZ)のデモカー。ブリッツでは東京オートサロン2020でワイドボディのスープラ SZを展示していたが、あちらがショー用モデルなのに対してこのモデルはスープラオーナーに向けたライトカスタムの提案車で、グランツーリスモ志向に仕上げてある。
ブリッツではスープラ導入前に兄弟車であるBMW「Z4 M40i」を購入して先行開発していたので、そのときのノウハウを活かしてノーマルのよさを引き出しながら走りの楽しさがアップするフィーリングに仕上げたという。
以上がブリッツのデモカー紹介だ。ブリッツの製品は合法のものだけなので、純正アクセサリー同様にカーライフを楽しむために選ぶことができる。