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トヨタ、プラグインハイブリッドの「RAV4 Prime」世界初公開。2020年夏に日本導入

EV航続距離は約62km。クラストップレベルの0-96km/h加速5.8秒を実現

2019年11月20日 発表

2019 ロサンゼルスオートショーで世界初公開される「RAV4 Prime」

 トヨタ自動車は、11月23日(現地時間)から開催される「2019 Los Angeles Auto Show(ロサンゼルスオートショー)」で、クロスオーバーSUVの「RAV4」をPHV(プラグインハイブリッドカー)とした「RAV4 Prime」を世界初公開する。このRAV4のPHVモデルは、日本と米国で2020年夏、欧州で2020年後半の発売を予定している。

 RAV4 Primeはパワートレーンに新開発のプラグインハイブリッドシステムを採用。米国でクラストップレベルとなる加速性能を備え、電動車らしい運転の楽しさ、長いEV航続距離による優れた環境性能などを魅力としている。

RAV4 Prime(米国仕様)
RAV4 Prime
RAV4 Primeの走行イメージ

 走行性能ではRAV4が持つ多彩な路面における安定性や意のままになるハンドリングといった基本性能を継承しつつ、新開発のプラグインハイブリッドシステムによってさらなる「Fun to Drive」を目指しているという。

 RAV4 ハイブリッドモデル同様の2.5リッターエンジンを搭載しつつ、新開発の大容量リチウムイオンバッテリーをフロア下にレイアウト。バッテリーの大容量化を受けてモーターの性能も高め、高出力を実現にする新たなプラグインハイブリッドシステムにより、システム出力はRAV4 ハイブリッドモデルを約62kW(83HP)上まわる約225kW(302HP)とクラストップレベルを達成。0-60マイル/h(0-96km/h)加速ではRAV4 ハイブリッドモデルが7.8秒のところ、2秒早い5.8秒として、電動車ならではのパワフルさをアピールしている。

 また、リチウムイオンバッテリーをフロア下に設定したことで、既存のRAV4同様の室内空間を確保しているほか、重量物であるバッテリーを低く配置したことが低重心化にもつながり、走行安定性の向上にも寄与している。駆動方式はRAV4 ハイブリッドモデルと同じ「E-Four」(電気式4WDシステム)で、RAV4の走破性の高さを継承している。

大容量リチウムイオンバッテリーを採用し、システム出力を約225kW(302HP)に強化。0-60マイル/h(0-96km/h)加速は5.8秒をマークする

 環境面では、米国仕様車の米国 EPA試験法に基づいた社内測定値で、EV航続距離は39マイル(約62km)を達成しているほか、充電した電力で走行したエネルギー消費量をガソリンに等価換算し、1ガロンあたり何マイル走行できるかを表した数値である「MPGe」では90MPGeを実現している。

 このほか、同じPHVである「プリウス PHV」にも採用する「ヒートポンプオートエアコン」をRAV4 Prime向けに最適化して搭載。電力消費を高効率して、PHVに期待される高い環境性能を手に入れている。

 近年の大規模な自然災害発生を受けて注目を集めている外部給電機能では、リチウムイオンバッテリーに蓄えた電気を最大1500Wで出力可能としており、災害で発生した停電などの際にさまざまな家電製品に電力供給して役立てられるようにしている。

ボディ側面に充電ポートを用意。PHVであることを示すエンブレムなどを装着する

 外観では専用のミッドグリルとロアバンパーを採用してワイド感や低重心感を演出。メッシュグリルでスポーティさを際立たせ、ピアノブラックのアクセントで高級感を高めている。さらに19インチの専用アルミホイールに大径タイヤを組み合わせ、SUVらしい力強さと安定感を表現する。

 ボディカラーには鮮やかで質感の高い「スーパーソニックレッド」を新規設定。ブラックルーフやボディ下側のブラック塗装と合わせて引き締まった印象をアピールする。

ワイド感や低重心感を演出する専用のミッドグリルとロアバンパーを採用。19インチアルミホイールも専用デザインとなる

 インテリアでは、視認性を高めるヘッドアップディスプレイ、9インチの大型ディスプレイオーディオをRAV4として初採用。スポーティなドライビングをアシストするパドルシフトも装備している。

インテリアの基本的な造形はRAV4から踏襲
ヘッドアップディスプレイや9インチ ディスプレイオーディオをRAV4初採用
シートやステアリング、シフトセレクター、インテリアトリムなどにはレッドステッチが施される