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写真で見る トヨタ「RAV4 PHV」(プロトタイプ)
2020年6月8日 09:28
トヨタ自動車「RAV4」はミドルサイズのクロスオーバーSUV。2019年に登場したガソリンエンジン車、ハイブリッド車に加え、新たにプラグインハイブリッド車が設定された。同じGA-Kプラットフォームを採用する「ハリアー」が乗用車ライクな都市型SUVを目指しているの対し、こちらはアウトドアテイストを強めたキャラクターとなっているのが特長だ。なお、今回紹介するのはプロトタイプで、市販モデルとは装備や細部が異なる可能性があることをお断りしておく。
初代RAV4のデビューは1994年。当時はRVブームまっただ中で、「ランドクルーザー」や「ハイラックス」といった本格オフロード4駆が人気の主流。そこに、「もう少しライトで」「街乗りでも扱いやすい」性格を持つ同車の登場は、幅広いユーザーからの人気を集めた。当初は3ドアのみのラインアップだったが、オールマイティに使える5ドアが追加されたことで、乗用車からの乗り換えユーザーが増加。SUV市場における人気を不動のものとした。
2000年に2代目、2005年に3代目、そして2013年には4代目へとモデルチェンジを遂げるものの、RV市場の縮小などに伴い、この4代目が日本市場に投入されることはなかった。これで国内におけるRAV4の歴史にピリオドが打たれたかと思いきや、2019年に登場する5代目において奇跡的な復活を遂げる。この新型は3種類の4WDシステムを用意するなどオフロード色を強めるとともに、ガソリンエンジン車だけでなくハイブリッド車をラインアップするなど、クロスオーバーSUVの新たな方向性を示した。
そして2020年。RAV4ならではの「走る楽しさ」をさらに追求するべく、追加となったのがプラグインハイブリッドモデルとなる「PHV」だ。車両コンセプトを「“E”-Booster」(RAV4の魅力を電気の力で加速させる)とし、PHV車の位置付けとすることで「Enjoy(楽しさ)」「Electric(電気を使う)」「Environment(環境)」を実現するとした。
1つ目の楽しさの点では、新開発となるプラグインハイブリッドシステム「THSII Plug-in」を採用することで、ハイブリッド車よりフロントモーター出力とインバーターを高出力化。システム最高出力を163kWから225kW(306PS)へとアップすることで、0-100km/h加速は6.0秒と優れた動力性能を手に入れている。
RAV4 諸元比較
RAV4(ハイブリッド) | RAV4(PHV) | |
---|---|---|
システム最高出力(kW) | 163 | 225 |
エンジン出力(kW) | 131 | 130 |
モーター出力(フロント/リア) | 88/40 | 134/40 |
バッテリー容量(kW) | - | 18.1 |
EV走行距離 WLTCモード(km) | - | 95 |
ハイブリッド燃費 WLTCモード(km/L) | 20.6 | 22.2 |
電気を使うことによる快適性の向上もPHVモデルならでは。ヒートポンプ式エアコンを採用するとともに、スマホアプリやリモコンキーでのエアコン起動を実現。最大20分間の冷暖房を可能としている。また、車内に最大1500W(AC100V)のコンセントを備えており、最大使用時に電池のみで7時間、エンジンを併用することで3日間の電源供給が可能。また、充電用インレットに付属の「ヴィークルパワーコネクター」を差し込むことで、ここからの外部給電にも対応している。なお、普通充電は付属のケーブルで行なうことができ、満充電にはAC100Vで約27時間、AC200Vでは約5時間30分を要する。
環境面では大容量リチウムイオンバッテリーの搭載が大きい。EV走行距離は95kmとクラストップの数値を獲得しており、ハイブリッド燃費は22.2km/Lを達成。フル充電時の航続可能距離は1300km以上(WLTCモードによる計算値)と、SUVの常識を打ち破る環境性能も実現している。
グレードは「G」「G“Z”」「BLACK TONE」の3タイプ。駆動方式は「E-Four」のみとなっている。ボディカラーは専用色となるエモーショナルレッドIIなど全6色。BLACK TONEはアティチュードブラックマイカをベースとした2トーンカラーが5パターン用意される。