ニュース

トヨタ、新型「RAV4 PHV」発表。306PS&航続距離1300km以上の新システム「THSII Plug-in」搭載

発売は“間もなく”

2020年6月4日 発表

“まもなく発売”とアナウンスされた新型「RAV4 PHV」(写真は「BLACK TONE」)

 トヨタ自動車は6月4日、「RAV4」の最上級モデルとなる新型「RAV4 PHV」を発表した。発売は間もなくとしており、グレードは「G」「G“Z”」「BLACK TONE」の3種類が設定される。

 RAV4は1994年に初代モデルを発売して以来、クロスオーバーSUVのパイオニアとして新たな市場を切り拓き、先導し続けてきたモデル。2019年4月には5代目のRAV4を発売し、ダイナミックトルクベクタリングAWDをはじめ3種類の4WDシステムがすぐれた走行性能を発揮。SUVらしい力強さと洗練さを融合したデザイン、広いラゲッジスペースなどで高い人気を誇っている。

 今回の新型RAV4 PHVは、RAV4が目指した“Fun to Drive”をさらに突き抜けるべく、新開発のプラグインハイブリッドシステム「THSII Plug-in」を採用。RAV4のハイブリッドシステムよりもフロントモーターとインバーターを高出力化し、大容量・高出力の新型リチウムイオンバッテリーと組み合わせることでシステム最高出力225kW(306PS)を達成し、スポーティで力強い走行を可能とした。また、EVモードでの「走りの楽しさ」を長く楽しめるように、クラストップレベルのEV走行距離95kmを実現。すぐれた環境性能も両立させている。

新開発のプラグインハイブリッドシステム「THSII Plug-in」を採用
リダクション機構付きTHSII「Plug-in」主要諸元
「A25A-FXS」型エンジン排気量:2487cc
最高出力:130kW(177PS)/6000rpm
最大トルク:219Nm/3600rpm
フロントモーター(5NM)最高出力:134kW(182PS)
最大トルク:270Nm
リアモーター(E-Four:4NM)最高出力:40kW(54PS)
最大トルク:121Nm
システム最高出力225kW(306PS)

新型RAV4 PHVの特長

PHVならではの走りの楽しさ

 新開発のプラグインハイブリッドシステム“THSII Plug-in”を搭載して「走りの楽しさ」を追求。システム最高出力225kW(306PS)を達成し、モーターを最大活用することで瞬時の加減速を可能にした。さらにPHVならではのエンジンによるアシストも加わり、0-100Km/h加速は6.0秒と力強い加速を実現する。また、TNGAプラットフォーム(GA-K)を採用し、大容量リチウムイオンバッテリーを車体中央の床下に搭載。さらなる低重心化、重量バランスの最適化を追求している。また、大型リチウムイオンバッテリーに加え、スペアタイヤ(緊急用)を搭載しながらも、荷室容量490L(VDA法)のラゲッジスペースが備わり、SUVとして十分な広さを確保している。

車体中央の床下に搭載される大容量リチウムイオンバッテリー、DC/DCコンバーター、充電器

 新開発プラグインハイブリッドシステムが生み出すパワーは、E-Four(電気式4WDシステム)によって四輪に分配され、高い走行安定性を実現するとともに、コーナリング中をはじめ、降雪時や雨天時の走行でも安心感を向上させた。また、満充電状態でのEV走行距離は95㎞を可能とし、ハイブリッド燃費は22.2km/Lを達成。ガソリンタンク容量も55Lを確保したことで最長航続距離1300㎞以上を実現したのも大きな特徴になっている。

 エンジンを使うHVモード走行では、バッテリーパワーを活用することでエンジン回転数を抑え、加速時のエンジンノイズを低減。EVモード走行だけではなく、HVモード走行の際も上質なドライビング空間を構築したという。また、モーター主体の走りがもたらす静粛性をさらに追求し、ボディへの入念なノイズ対策を実施。吸遮音材の最適配置のほか、ダッシュパネルやフロアの吸音材範囲を拡大。さらに接合部の隙間も細部まで埋めることで、車内への音の進入を抑制した。高遮音性ガラスを採用し、風切り音も低減させている。

エアコンにはヒートポンプシステムを採用

 また、エアコン冷媒の活用によりリチウムイオンバッテリーの温度管理を徹底。劣化を促進する高温下での使用を避け、充電状態を適切に制御することでバッテリー本来の性能を発揮。また、エアコンにはヒートポンプシステムを採用し、ヒートポンプが外気の熱を使ってエンジン冷却水を温め車内を暖房。エアコンを使用した際の消費電力を抑え、EV走行距離の低下を抑制する。

PHVならではの利便性の追求

 停電・災害時など緊急時やアウトドアに役立つ、最大1500W(AC100V)の外部給電機能を標準装備。ラゲッジ内に設置されたアクセサリーコンセントに加え、付属のヴィークルパワーコネクターを車両後方右側の普通充電インレットに差し込むことで、外部給電用のコンセントとして利用可能となっている。

車両後方右側に充電・給電のインレットが設置される

 使用目的に合わせて選べる「EV給電モード」と「HV給電モード」の2つの外部給電モードが設定されており、バッテリーだけを使って給電するEV給電モードに対し、HV給電モードはバッテリー残量が所定値を下まわるとエンジンが起動し、ガソリン満タン状態なら3日程度の電力を供給可能という(1500Wの最大値出力で使い続けた場合)。

 また、自宅でも外出先でも充電可能な普通充電にも標準対応。付属の充電ケーブル(AC200V・AC100V兼用)をコンセントに接続するだけで充電ができ、さらに外出先ではPHV充電サポートに加入することで、G-StaTion(充電器)が設置されているトヨタ車両販売店(約4200基)をはじめ、全国の普通充電スポット(約1万800基)での充電が可能となる。

 また、新型RAV4 PHVはリモート空調システムを採用していて、スマートフォンのアプリやスマートキーを用いてエアコンの起動が可能。リチウムイオンバッテリーの電気を活用し、最大20分間車室内の冷暖房を可能としている。

スポーティで洗練されたRAV4 PHV専用デザイン
ボディ下部、ルーフ、ドアミラーをアティチュードブラックマイカでコーディネイトした2トーンカラーはBLACK TONE専用色

 エクステリアは専用のフロントグリルとロアモールが個性を際立たせ、低重心で踏ん張り感のあるスポーティな表情を訴求。専用LEDデイライトは先進感を強調し、RAV4ブランドの最上級モデルとして、先進かつスポーティなイメージをより強めたフロントビューとなっている。

 さらに新意匠の19インチ専用アルミホイールを設定し、切削光輝仕上げのスポークとサイドのブラック塗装が特徴になる。また、ボディカラーにはRAV4 PHV専用色「エモーショナルレッドII」を含む全6色を設定。ボディ下部のアティチュードブラックマイカとの組み合わせが、スポーティに引き締まったエクステリアを演出する。

 なお「BLACK TONE」には専用色として、ブラックが映える2トーンカラーの全5タイプを設定。2トーンカラーは、ボディ下部に加えルーフとドアミラーをアティチュードブラックマイカでコーディネイトし、洗練された都会的なイメージを表現している。

 一方、天井やピラー、オープントレイなどもブラックで統一した室内空間は、スポーティさとともに上質感を醸し出すレッドステッチを採用。インストルメントパネルをはじめ、ドアトリム、シート、ステアリングホイール、シフトブーツ、センターコンソールにレッドステッチを施し、室内をコーディネイト。合成皮革シート表皮採用のスポーティシートを全車標準装備し、「BLACK TONE」と「G“Z”」には陰影を際立たせる横基調のキルティング意匠とレッドリボン加飾で上質さの中に力強さを演出。また、「G」はメイン材にファブリックの快適性と革のような質感を合わせ持ったレザテックを採用し、スポーティ感とシート全体の質感を向上させている。

「快適・便利」「安全・安心」な先進装備

 新型RAV4 PHVの運転席と助手席には快適温熱シート、後席左右にはシートヒーターを標準装備。さらに「BLACK TONE」と「G“Z”」の運転手・助手席にはベンチレーション機能も搭載し、快適さを向上。また、大型9インチのディスプレイオーディオとDCMを標準装備していて、SmartDeviceLinkに加え、新たに「Apple CarPlay」と「Android Auto」といったコネクティッドサービスを標準装備し、スマートフォンとの連携機能を強化。スマートフォンをUSBケーブルで接続することで、マップ、電話、メッセージ、音楽アプリをディスプレイオーディオで利用可能となる。ヘッドアップディスプレイも採用しており、ドライバーの目線移動を低減し運転疲労軽減にも寄与する。

 安全・安心機能も充実していて、歩行者や(昼夜)や自転車運転者(昼間)を検知対象に加えたプリクラッシュセーフティ採用の予防安全パッケージ「Toyota Safty Sense」を装備。駐車場など低速走行時における衝突緩和、被害軽減に寄与するインテリジェントクリアランスソナー「パーキングサポートブレーキ(静止物)」などの安全・安心をサポートする。また、車両を上から見下ろしたような車両全周囲の映像をディスプレイオーディオに表示する「パノラミックビューモニター」を採用し、後方視界や目視しにくい周囲の安全確認をサポートする。