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トヨタ、新型「RAV4 PHV」発売。全3グレードで469万円~539万円

新開発のプラグインハイブリッドシステムを搭載し、よりパワフルでスポーティに

2020年6月8日 発売

G 469万円

G“Z” 499万円

BLACK TONE 539万円

 トヨタ自動車は6月8日、高い基本性能をベースにプラグインハイブリッドシステムの潜在能力を活かした、RAV4ブランドの最上級モデルとなる新型「RAV4 PHV」を発売した。グレードは全3種類となり、価格は「G」が469万円、「G“Z”」が499万円、「BLACK TONE」が539万円となる。

 主な特長は関連記事(新型「RAV4 PHV」発表。306PS&航続距離1300km以上の新システム「THSII Plug-in」搭載)を、走行性能に関しては試乗レポート(トヨタの新型「RAV4 PHV」は環境性能だけじゃない、スポーティなドライビングも楽しめる)なども参照して頂きたいが、ここでは正式に明らかにされた詳細スペックを紹介する。

スポーティな走りを支えるTNGAプラットフォーム(GA-K)

GA-Kプラットフォームとプラグインハイブリッドシステム“THSII Plug-in”が採用されたRAV4 PHV

 TNGA(Toyota New Global Architecture)プラットフォームのGA-Kタイプを採用し、新開発のプラグインハイブリッドシステム“THSII Plug-in”と、大容量リチウムイオンバッテリーを車体中央の床下に搭載したこと、RAV4から搭載されたダイナミックトルクベクタリングAWDにより「走りの楽しさ」を実現したRAV4 PHV。高剛性のボディに、サスペンションはフロントにマクファーソンストラット式、リアにダブルウィッシュボーン式を採用。さらなる低重心化と重量バランスの最適化により、ドライバーの感性を重視した上質な乗り心地とすぐれた操縦安定性を両立した。また、モーター主体の走りがもたらす静けさをさらに追求し、高剛性のボディへの入念なノイズ対策を実施、接合部の隙間も細部まで埋めることで、車内への音の進入を抑制している。

フロント:マクファーソンストラット式サスペンション
リア:ダブルウィッシュボーン式サスペンション
高剛性ボディ

 PHVのGのボディサイズは、4600×1855×1690mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2690mm、車両重量は1900Kg、これは2019年に発売されたRAV4 ハイブリッド G(4WD)とほぼ同サイズだが車両重量は1690kgと、PHVはハイブリッドよりも210kgほど重い。但しPHVはフロントモーターとインバーターの高出力化により、ハイブリッドよりもシステム全体で62kw(84PS)ほどパワーがあり、重量差を感じさせることのない走りを実現している。

BLACK TONEフロントビュー
BLACK TONEリアビュー
モデルRAV4 PHV GRAV4 ハイブリッド G
全長4600mm4600mm
全幅1855mm1855mm
全高1690mm1685mm
重量1900Kg1690Kg
ホイールベース2690mm2690mm
タイヤサイズ225/60R18225/60R18
ドレッド(フロント/リア)1605/1625mm1605/1625mm
最小回転半径5.55.5
最低地上高195mm190mm
室内(長さ/幅/高さ)1890mm/1515mm/1230mm1890mm/1515mm/1230mm
エンジン型式A25A-FXSA25A-FXS
排気量2487cc2487cc
最高出力130kW(177PS)/6000rpm131kw(178PS)/5700rpm
最大トルク219Nm/3600rpm221Nm/3600~5200rpm
フロントモーター型式5NM3NM
最高出力134kW(182PS)88kw(120PS)
最大トルク270Nm202Nm
リアモーター型式4NM4NM
最高出力40kW(54PS)40kw(54PS)
最大トルク121Nm121Nm
システム最高出力225kW(306PS)163kw(222PS)
駆動方式E-FourE-Four
燃料消費率(WLTCモード)22.2㎞/L20.6㎞/L

走破性も高く、使いやすいモード切替

 RAV4 PHVは全モデル電気式4WDシステムE-Fourを搭載し、コーナリング中はもちろん、降雪時や雨天時の走行での安心感を向上。また、ぬかるんだ道や凸凹道では、各タイヤの駆動力を絶妙に分配することで出力のコントロールが滑らかになり走破性を高める「TRIALモード」を搭載。さらに、坂道発進をサポートしてくれるヒルスタートアシストコントロールも搭載する。

 さらに電子スロットルを制御することで、走りの性能を好みに合わせて使い分けできる走行モードが全3種類あり、シフトレバー右隣にあるダイヤル式ドライブモードセレクトを操作することで変更できる。左に回せば「ECO(エコ)モード」となりモードセレクトと合わせてメーター内のカラーもエコをイメージするグリーンとなる。また、モードセレクトを右に回すと「SPORT(スポーツ)モード」となり、メーター内もスポーティなレッドに。モードセレクトをプッシュすることで、瞬時にノーマルモード(カラーはブルー)に戻すことが可能となっている。

ダイヤル式ドライブモードセレクト
給電・充電

 停電・災害時など緊急時やアウトドアに役立つ、最大1500W(AC100V)の外部給電機能を標準装備。ラゲッジ内に設置されたアクセサリーコンセントに加え、付属のヴィークルパワーコネクターを車両後方右側の普通充電インレットに差し込めば、外部給電用のコンセントとして利用可能となっている。なお、満充電にかかる時間は200Vで約5時間30分、100Vでは約27時間となっている。

充電ポート/給油口
ヴィークルパワーコネクター
ヴィークルパワーコネクター(電気製品コンセント差込ロ)
充電ポート(車両側充電装備)
AC200V・AC100V兼用の7.5m充電ケーブルは標準装備(15mはメーカーオプションで価格は8800円)
電源プラグコードのAC200V用コンセント側
電源プラグコードのAC100V用コンセント側

力強くスポーティなフロントビュー

 フロントビューは専用フロントグリルとロアモールが、低重心で踏ん張り感のあるスポーティさを訴求。オートレベリング機能付きBi-Beam LEDヘッドランプ、先進感を強調しつつ、スポーティなイメージをより強める専用LEDデイライトは全グレード標準装備され、フロントフォグランプ(ハロゲン)とLEDリアフォグランプはオプション設定となる。また、艶ありブラック塗装が施されるフロントバンパー、リアバンパー、フロントグリル(ダーククロームメッキモール付)、リアスキッドプレート、ホイールアーチモール、リアサイドスポイラーをはじめ、金属調に塗装されたフロントバンパーロアモール、バックドアガーニッシュなども全グレード標準装備となる。

 ボディ下部、ルーフ、ドアミラーをアティチュードブラックマイカでコーディネイトした2トーンのボディカラーはBLACK TONE専用色となり、5つの色が設定される。さらに19インチ切削高輝+ブラック塗装専用アルミホイールを装着し、個性的な出で立ちを持つ。GおよびG“Z”は、シンプルなモノトーンで、全6色が設定される。

BLACK TONE
ルーフとボディ下部がアティチュードブラックマイカに塗られ、洗練された都会的なイメージが表現されている
アティチュードブラックマイカ×ホワイトパールクリスタルシャインはプラス7万7000円
アティチュードブラックマイカ×シルバーメタリックはプラス5万5000円
アティチュードブラックマイカ×ダークブルーマイカはプラス5万5000円
アティチュードブラックマイカ×グレーメタリックはプラス5万5000円
アティチュードブラックマイカ×エモーショナルレッドIIはプラス9万9000円
19インチのBLACK TONE専用ホイール。装着されるタイヤのサイズは前後とも235/55R19
G/G“Z”
G/G“Z”はシンプルな単色で全6色が設定される。
エモーショナルレッドIIはプラス5万円
ホワイトパールクリスタルシャインはプラス3万3000円
シルバーメタリック
グレーメタリック
ダークブルーマイカ
アティチュードブラックマイカ
G/G“Z”は18インチホイールとなり、装着されるタイヤのサイズは前後とも225/60R18となる

レッドステッチが映えるブラックインテリア

 ブラックで統一されたインテリアは、インストルメントパネル、ドアトリム、シート、ステアリングホイール、シフトブーツ、センターコンソールにレッドステッチが施され、スポーティさとともに上質感が漂う。また、全グレードにルームランプ、フロントパーソナルランプ、パワースイッチにイルミネーテッドエントリーシステムが標準装備され、BLACK TONEはさらに前席足下照明・フロントカップホルダー・オープントレイにクリアブルー照明のイルミネーテッドエントリーシステムが標準で追加される。

前席足元照明・フロントカップホルダー・オープントレイにクリアブルー照明のイルミネーテッドエントリーシステムが標準装備されるBLACK TONE
G
G“Z”

 シートは全車標準でスポーティシートが採用され、BLACK TONEとG“Z”には陰影を際立たせる横基調のキルティング意匠とレッドリボン加飾で上質さの中に力強さを演出。また、Gはメイン材にファブリックの快適性と革のような質感を合わせ持ったレザテックを採用し、スポーティ感とシート全体の質感を向上させている。

 シートには快適装備も多数備わっていて、BLACK TONEおよびG“Z”の運転手と助手席には、シートポジションを2つまで記憶してくれるシートポジションメモリー機能、快適温熱シート+シートベンチレーションを搭載、助手席にも4ウェイパワーシートが装備される(Gのみ4ウェイマニュアルシート)。運転席の電動ランバーサポートや後席シートヒーターは全グレード標準装備となっている。

BLACK TONEとG“Z”のシート表皮は、合成皮革/パフォーレーション+レッドステッチ付きを採用
Gのシート表皮は、レッドステッチ付きの合成皮革+レザテックとなる

 大きな開口部を持つパノラマムーンルーフは、チルト機能とスライド電動機能(フロント側)、さらに挟み込み防止機能を搭載し、全グレードメーカーオプションで価格は14万3000円。

パノラマムーンルーフ

 挟み込み防止機能、停止位置メモリー機能が付いたハンズフリーパワーバックドアはBLACK TONEは標準装備。G“Z”にもパワーバックドアは標準で装備されるが、ハンズフリー機能はメーカーオプションとなる(プラス2万3100円)、また、Gはパワーバックドアはメーカーオプションで6万500円となり、ハンズフリー機能は選択できない。

安心・便利なコネクティッドサービスを全車標準装備

 全グレードに大型9インチのディスプレイオーディオ+6スピーカーを搭載。DCM(Data Communication Module)を標準装備し「SDL(SmartDeviceLink)」「Apple CarPlay」「Android Auto」「T-Connect」といったコネクテッドサービスを標準装備。また、スマートフォンをUSBケーブルで接続することで、マップ、電話、メッセージ、音楽アプリをディスプレイオーディオで利用できる。

 そのほかにもフロントガラスに情報を投影するカラーヘッドアップディスプレイ、雨滴感応式フロントオートワイパー、スマホを置くだけで充電できる機能、鏡面ミラーモードとデジタルミラーモードを使い分けできるデジタルインナーミラー(G“Z”とGはプラス4万4000円)や、自車両を上から見ているような画像で駐車時の視認性を高めてくれるパノラミックビューモニター(G“Z”は標準装備、Gはプラス6万500円)もBLACK TONEは標準装備となっている。

デジタルインナーミラー(鏡面ミラーモード)
デジタルインナーミラー(デジタルミラーモード)

ハイブリッドでも大容量のラゲッジスペースを確保

 リアシートは6:4の可倒式を採用し、すべてを倒すとフラットで広大なスペースが出現。ラゲッジスペースは大型リチウムイオンバッテリーとスペアタイヤを搭載しながらも、VDA法で490Lの荷室容量を確保している。

ラゲージ寸法
ラゲージスペース(通常時)
ラゲージスペース(後席前倒し時)
ラゲージスペースにはアクセサリーコンセント(AC100V・1500W)とシガーソケット(DC12V・120W)を完備