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こくみん共済と金沢大学、子供の交通事故を防ぐ共同研究「7才の交通安全プロジェクト」

歩行中の交通事故の死傷者、24年間連続で7才が最多

2019年12月26日 発表

 こくみん共済(全国労働者共済生活協同組合連合会)は、2019年3月にスタートした子供の交通事故を減らすための取り組みである「7才の交通安全プロジェクト」において、金沢大学理工研究域地球社会基盤学系の藤生慎准教授と共同研究を開始する。この協力によって7才児の交通事故を減らすためのより具体的な施策の実施と、産学での共創の輪を広げていくと発表。

日本の交通課題の解決に向けた取り組み

 歩行中の交通事故による死傷者数を年齢別にみると、7才児の死傷者数が際立って多く、この傾向は1994年から2017年の調査までの24年間変わることがなく、日本の交通事情における大きな課題であり続けてきた。交通事情の統計を調査する交通事故総合分析センターは、この理由を「小学校への入学後に登下校中の事故が増加するためである」と推定している。

 保育園までは保護者や園の関係者が送迎、幼稚園・保育園から帰宅後も保護者が付き添って過ごす場合が多いものの、小学校入学とともに子供たちだけで登下校を行ない、また登下校中以外でもこの頃から子供だけで行動する機会が増えるため、小学校入学を境に交通事故の発生リスクが高くなると考えられている。

 交通安全教室などにより、子供に通行ルールの啓蒙を施す努力が重ねられてきたが、頭では危険や予防策を理解していても、子供は年齢が低いほど実際の安全行動につながりにくいのが現実で、こうした実情を踏まえ、こくみん共済は金沢大学との共同研究によって、新たな改善策を生み出すことで、日本の交通が抱える長年の課題を解決することを目指す。

金沢大学が賛同。共同で実証実験を実施

 金沢大学の理工研究域地球社会基盤学系、金沢大学理工学域環境デザイン学類、金沢大学大学院自然科学研究科の研究者らが「小学校低学年児童の交通安全に関する基礎的研究」として、金沢大学人間社会学域学校教育学類附属幼稚園と共同して実証実験を実施した。年長年次の男女園児を被験者にアイマークレコーダーを用いて、交差点での挙動を調査した結果、現状の「とまれ」標識の設置位置や表記の方法が子供の注意喚起には不充分であると判明。また、同幼稚園園長へのヒアリング調査で「小学生になる前に、幼児教育の専門家が交通安全について教えるべきとの回答を得た」という。

 今回の調査では、一般的な標識の配置とデザインでは、危険を知らせるサインも子供の目に留まりにくいこと、さらには交通の専門家や親だけでなく幼児教育の専門家による交通安全教育が必要だと判明。園児や小学校低学年にとって目を引く標識をつくり、幼児とのコミュニケーションの専門家による交通安全教室の開講などが、7才児の事故率の高さという積年の課題への具体的な対策となりうる可能性が示唆された。

【訂正】2020年1月16日、リリースに訂正があったため、記事を一部訂正いたしました。