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ヤマト運輸、世界初の「IoT電球による高齢者見守りサービス」の実証実験を開始

怪我や病気などで動けなくなった独居高齢者の早期発見に貢献する

2020年6月1日発表

見守り実証実験のイメージ

 ヤマト運輸とハローライトは、東京都多摩市にあるヤマト運輸ネコサポステーションにて、多摩市在住の独居高齢者を対象とした見守りサービスの実証実験を6月22日から開始すると発表した。これは、LEDとSIMが一体化となった世界初のIoT電球「HelloLight」を活用したもの。

 近年、地域における独居高齢者の数は年々増加。加えて家族形態の変化などによって家の中で怪我や病気などで動けなくなった場合の発見遅れが増え、すみやかな安否確認ができる機器やサービスへのニーズが高まっている。また、自身に何か発生した場合に親族や知人に知らせる「見守りグッズ」を自ら準備する高齢者も増えているという。一方で、地域包括支援センター、介護事業者などの人手不足が深刻化しており、高齢者の「見守り」を効率的に行なう仕組みが求められている。

 そこで地域の課題解決に取り組んでいるヤマト運輸のネコサポステーションは、ハローライトと連携し、同社が開発した外部との通信が可能なIoT電球「HelloLight」を活用し、ネコサポ会員向け見守りサービスの実証実験を開始。住民が安心して快適に暮らせる街づくりの貢献を目指すという。

HelloLight(ハローライト)のイメージ

取り組み概要

 ネコサポ会員の宅内に設置されたIoT電球「HelloLight」が一定時間ON/OFFしない場合、この電球が自律的にネコサポ会員の指定した親族や知人、そしてヤマト運輸ネコサポステーションに異常検知のメールを発信。異常検知のメールを受信した際に、親族や知人はネコサポ会員に確認をとり、その際に連絡が取れない場合は、同ステーションに連絡、ネコサポ会員の自宅訪問を指示することで、同ステーションスタッフが訪問の上、安否確認し、応答がない場合や異常がある場合は、高齢者向けの相談窓口である地域包括支援センターや、必要に応じて警察などに連絡を行なう。

ネコサポとは

 ネコサポは「暮らしのために、できること、いろいろ」をコンセプトに、ヤマトグループの経営資源を活用し、地域住民のより快適な暮らしをサポートするサービス。団地内や近隣の商業施設内に設置したコミュニティ拠点「ネコサポステーション」において地域情報の発信や交流イベントを行ない、地域コミュニティの活性化を図るとともに、自治体、地域事業者と協力して地域住民の生活をサポートする家事・買い物代行などの生活関連サービスを提供する。また、デリバリーだけでなくイエナカサービスとコミュニティも合わせて地域に提供し、それらを地域のオープンプラットフォームとして多種多様なパートナーと新しい付加価値を共創することを目指している。

HelloLightとは

 HelloLightは、LEDとSIMが一体化した世界初のIoT電球で、電球1つで点灯状況の通信が可能となる。LPWA(Low Power Wide Area)に対応しているためWi-Fiは不要。点灯と消灯をチェックして、点灯と消灯の動きがない場合に限り、翌日に指定したメールアドレスに通知する仕組みとなる(特許出願済:特開2016-218969)。LPWAのデータ通信を高感度で実現するアンテナと発光ダイオード(LED)の電球に不可欠な意匠権(意匠権登録第1652106号)も取得している。

 2019年5月末に初出荷を開始して以降、独居高齢者などの自然な見守りに役立つとして、民間から公共の住宅など導入先が増えている。ハローライトは、これらからも既成概念を変える革新的な機能に挑戦し、さらなるサービスの向上を目指すとしている。

家族のための安心家電!点灯がわかる電球「ハローライト」(49秒)