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シャープ、プラズマクラスター技術で「新型コロナウイルス」の減少効果を実証

プラズマクラスターイオンの約30秒照射で感染価が90%以上減少

2020年9月7日 発表

空気中に浮遊する新型コロナウイルスの減少効果

 シャープは9月7日、空気中に浮遊する「新型コロナウイルス」にプラズマクラスターイオンを約30秒照射することにより、感染価(感染性を持つウイルス粒子の数)が90%以上減少することを世界で初めて実証したと発表した。

 長崎大学感染症共同研究拠点 安田二朗教授(兼 熱帯医学研究所教授)、同研究拠点 南保明日香教授(日本ウイルス学会理事)、島根大学医学部 吉山裕規教授(日本ウイルス学会理事)と共同でプラズマクラスター技術搭載ウイルス試験装置を作成し、感染症研究の世界的権威である長崎大学の協力の下、実証を行なった。

 今回の発表について、長崎大学感染症共同研究拠点 教授 安田二朗氏は「付着したウイルスへの対策としては、アルコールや洗剤(界面活性剤)等の消毒薬が有効ですが、エアロゾル(マイクロ飛沫)を介した感染を想定した対策としてはマスク等の着用以外に有効策がありません。今回、プラズマクラスター技術が空気中に浮遊した状態の新型コロナウイルスを不活化することが実証されたことは、一般家庭だけでなく医療機関などの実空間で抗ウイルス効果を発揮する可能性があると期待されます」と述べている。

実証試験の概要

 シャープはプラズマクラスター技術について、2004年にコロナウイルス科の「ネココロナウイルス」に対する効果を実証、翌2005年には「新型コロナウイルス」と姉妹関係にある「SARSコロナウイルス(SARS-CoV)」に対する効果も実証しており、今回新たに、空気中に浮遊する新型コロナウイルスに対する効果を実証した。

 シャープでは2000年より約20年にわたってプラズマクラスター技術の効果を世界の第三者試験機関と共同で実証するアカデミックマーケティング(技術の効能について、先端の学術研究機関と共同で科学的データを検証し、それをもとに商品化を進めるマーケティング手法)を実施しており、これまで多数の第三者試験機関で「新型インフルエンザウイルス」「薬剤耐性細菌」「ダニアレルゲン」などの有害物質の作用抑制や、小児喘息患者の気管炎症レベルの低減効果などの臨床効果を実証している。

「プラズマクラスターイオン」発生の仕組み
浮遊菌の活動抑制メカニズム