ニュース
SUPER GT第4戦 もてぎ、38号車 ZENT GR Supra(立川祐路/石浦宏明組)がQ1繰り上がりから大逆転でポールポジション
GT300は360号車 RUNUP RIVAUX GT-R(青木孝行/柴田優作組)
2020年9月12日 16:48
- 2020年9月12日~13日 開催
SUPER GT 第4戦「2020 AUTOBACS SUPER GT Round4 FUJIMAKI GROUP MOTEGI GT 300km RACE」(以下、第4戦もてぎ)が、9月12日~13日の2日間にわたって、ツインリンクもてぎ(栃木県芳賀郡茂木町)で開催されている。12日の午後に予選が行なわれ、日曜日の決勝レースのスターティンググリッドが決定した。
ポールポジションを獲得したのは、GT500は38号車 ZENT GR Supra(立川祐路/石浦宏明組、BS)。38号車は予選Q1を9位で敗退したが、他車にイエローフラッグでのタイム更新があったことにより、繰り上がってQ2に進んだ。Q2でも他車よりもウェットタイヤに交換するのが遅れたが、トップタイムをマークして大逆転でポールポジションを獲得した。
GT300は360号車 RUNUP RIVAUX GT-R(青木孝行/柴田優作組、YH)が、2位に対して0.9秒差という大差をつけてポールポジションを獲得した。
YouTube 2020 AUTOBACS SUPER GT Rd.4 FUJIMAKI GROUP MOTEGI GT 300km RACE Qualifying
GT300クラス 360号車 RUNUP RIVAUX GT-Rがポール獲得
14時半からスタートしたGT300の予選1回目(Q1)はAグループ、Bグループの2つのグループで行なわれた。気温は25℃、路面温度29℃と、事前の予想よりも低い気温、路面温度の中での戦いとなった。朝の公式練習でも降雨により路面が濡れたり、乾いたりというのを繰り返している路面状況。予選開始時でもパラパラと雨が降ってきており、なんとかドライタイヤで走ることができるという中で予選がスタートした。
ドライコンディションで行なえたグループAでトップタイムをマークしたのは11号車 GAINER TANAX GT-R(平中克幸/安田裕信組、DL)。11号車は前戦優勝したことで、ハンデウェイトが規定の最大である100kgに達しており、今回出走している車両の中で最も重くなっている。
それでありながらトップタイムを出し、驚きをもって迎えられた。2位は65号車 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟組、BS)で、3位は31号車 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT(嵯峨宏紀/中山友貴組、BS)。
グループBもスタートの段階ではドライコンディションでスタートした。いつ雨が増えてきてウェット路面になるか分からないため、各車とも早くコースインできるよう準備しスタートを迎えることになった。
ランプがグリーンになると、各車とも一斉にコースイン。路面が濡れる前にタイムを出すことを狙っていた。そのような状況の中、S字コーナーで2号車 シンティアム・アップル・ロータス(加藤寛規/柳田真孝組、YH)がスピンしてグラベルに埋まるというインシデントが発生し、車両排除のために赤旗中断となってしまった。
残り8分でセッション再開。レインタイヤを装着して出走した車両とドライタイヤのまま出走した車両に分かれた。
最初にトップタイムを出したのは、レインタイヤを履いたARTA NSX GT3(高木真一/大湯都史樹組、BS)。そのトップタイムを破ったのは、ドライタイヤを履いた9号車 PACIFIC NAC D'station Vantage GT3(藤井誠暢/ケイ・コッツォリーノ組、MI)。ドライタイヤに熱が入ってくると、タイムが出てくるようになったようだ。
その9号車のタイムを破ったのが96号車 K-tunes RC F GT3(新田守男/阪口晴南組、BS)で、結局96号車がトップタイムのままセッションが終了した。
2位は同じくドライタイヤの244号車 たかのこの湯 RC F GT3(久保凜太郎/三宅淳詞組、YH)、3位は9号車で、4位は35号車 arto RC F GT3(佐々木雅弘/堤優威組、YH)とドライタイヤを選択した4台が上位となった。レインタイヤを選択してQ1を突破したのは55号車と61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組、DL)だけだった。
予選2回目(Q2)でも引き続きダンプ(ドライとウェットが混在している)状況だったが、ほとんどの車両はドライタイヤで出て行った。徐々にコンディションが改善していき、1周ごとにタイムが更新される激しい予選になった。
その難しい予選状況のなかでポールポジションを獲得したのは、360号車 RUNUP RIVAUX GT-R(青木孝行/柴田優作組、YH)。2位に対して0.9秒差という大きな差をつけた。2位は25号車 HOPPY Porsche(松井孝允/佐藤公哉組、YH)、3位は前戦ポールの31号車 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT。
4位は61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組、DL)、5位が88号車 JLOC ランボルギーニ GT3(小暮卓史/元嶋佑弥組、YH)、6位が96号車 K-tunes RC F GT3(新田守男/阪口晴南組、DL)となった。
YouTube 2020 AUTOBACS SUPER GT Round4 FUJIMAKI GROUP MOTEGI GT 300km RACE GT300 #360
GT300 予選結果
順位 | カーナンバー | 車両 | ドライバー | Q1 | Q2 | タイヤ | ウェイトハンデ |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 360 | RUNUP RIVAUX GT-R | 青木孝行/柴田優作 | 1'48.304 | 1'48.546 | YH | ー |
2 | 25 | HOPPY Porsche | 松井孝允/佐藤公哉 | 1'48.253 | 1'49.448 | YH | ー |
3 | 31 | TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT | 嵯峨宏紀/中山友貴 | 1’47.838 | 1'50.065 | BS | 15 |
4 | 61 | SUBARU BRZ R&D SPORT | 井口卓人/山内英輝 | 1'55.418 | 1'50.205 | DL | 69 |
5 | 88 | JLOC ランボルギーニ GT3 | 小暮卓史/元嶋佑弥 | 1'55.559 | 1'50.271 | YH | ー |
6 | 96 | K-tunes RC F GT3 | 新田守男/阪口晴南 | 1'51.011 | 1'50.737 | DL | ー |
7 | 9 | PACIFIC NAC D'station Vantage GT3 | 藤井誠暢/ケイ・コッツォリーノ | 1'51.740 | 1'51.002 | MI | 6 |
8 | 244 | たかのこの湯 RC F GT3 | 久保凜太郎/三宅淳詞 | 1'51.486 | 1'51.020 | YH | ー |
9 | 87 | T-DASH ランボルギーニ GT3 | 高橋翼/山田真之亮 | 1'48.970 | 1'51.431 | YH | ー |
10 | 55 | ARTA NSX GT3 | 高木真一/大湯都史樹 | 1'53.087 | 1'51.632 | BS | 45 |
11 | 35 | arto RC F GT3 | 佐々木雅弘/堤優威 | 1'52.217 | 1'51.992 | YH | ー |
12 | 11 | GAINER TANAX GT-R | 平中克幸/安田裕信 | 1’47.671 | 1'51.999 | DL | 105 |
13 | 65 | LEON PYRAMID AMG | 蒲生尚弥/菅波冬悟 | 1’47.694 | 1'52.102 | BS | 57 |
14 | 34 | Modulo KENWOOD NSX GT3 | 道上龍/ジェイク・パーソンズ | 1'48.854 | 1'52.149 | YH | 21 |
15 | 5 | マッハ車検 GTNET MC86 マッハ号 | 坂口夏月/平木湧也 | 1'55.883 | 1'53.197 | YH | 33 |
16 | 18 | UPGARAGE NSX GT3 | 小林崇志/松浦孝亮 | 1'48.467 | 1'56.537 | YH | 45 |
17 | 60 | SYNTIUM LMcorsa RC F GT3 | 吉本大樹/河野駿佑 | 1'48.985 | ー | MI | ー |
18 | 4 | グッドスマイル 初音ミク AMG | 谷口信輝/片岡龍也 | 1'56.030 | ー | YH | 15 |
19 | 6 | ADVICS muta MC86 | 阪口良平/小高一斗 | 1'49.063 | ー | BS | 9 |
20 | 48 | 植毛ケーズフロンティア GT-R | 田中優暉/飯田太陽 | 1'56.200 | ー | YH | ー |
21 | 10 | TANAX ITOCHU ENEX with IMPUL GT-R | 星野一樹/石川京侍 | 1'49.216 | ー | YH | 39 |
22 | 7 | Studie BMW M6 | 荒聖治/山口智英 | 1'57.050 | ー | YH | ー |
23 | 52 | 埼玉トヨペットGB GR Supra GT | 吉田広樹/川合孝汰 | 1'49.498 | ー | BS | 75 |
24 | 33 | エヴァRT初号機 X Works R8 | ショウン・トン/木村武史 | 1'57.503 | ー | YH | ー |
25 | 30 | TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT | 永井宏明/織戸学 | 1'49.511 | ー | YH | ー |
26 | 21 | Hitotsuyama Audi R8 LMS | 川端伸太朗/近藤翼 | 1'58.346 | ー | YH | ー |
27 | 50 | ARNAGE AMG GT3 | 加納政樹/山下亮生 | 1'49.603 | ー | YH | ー |
28 | 56 | リアライズ 日産自動車大学校 GT-R | 藤波清斗/J.P.デ・オリベイラ | 1'58.890 | ー | YH | 48 |
29 | 22 | アールキューズ AMG GT3 | 和田久/城内政樹 | 1'50.627 | ー | YH | ー |
- | 2 | シンティアム・アップル・ロータス | 加藤寛規/柳田真孝 | 予選タイム抹消 | ー | YH | 93 |
GT500クラス Q1落ちから繰り上がってQ2へ、大逆転でポールを獲得した38号車 ZENT GR Supra
GT500の予選1回目(Q1)は、GT300のQ1 グループBに引き続き霧雨は降っていたが、コースはギリギリドライで走れる路面状況。Q1の間にも雨の量が増えて状況が変わることも予想できるだけに、GT500の各車もスタート早々にコースインしていった。
各車ともドライタイヤ装着と考えられていたが、24号車 リアライズコーポレーション ADVAN GT-R(高星明誠/ヤン・マーデンボロー組、YH)が残り5分でピットに入りウェットタイヤに交換した。雨が増えることに賭けていたと思われるが、そのギャンブルは逆に出てしまったようだ。
この状況でトップタイムをマークしたのはWedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/宮田莉朋組、YH)。午前中の公式練習でもトップタイムをマークした19号車がQ1でもトップタイムとなった。
2位は前戦でポールを獲得した64号車 Modulo NSX-GT(伊沢拓也/大津弘樹組、DL)。3位は17号車 KEIHIN NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット組、BS)。なお、NSXは8位までに参加する5台全部が入るというこれ以上ない予選Q1となった。
Q1終了のチェッカー後に、16号車 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT(武藤英紀/笹原右京組、YH)が裏ストレート終わりのコーナーで飛び出してしまい、そのコーナーにおいてイエローが振られることになった。各車減速したが、減速しながらもギリギリ7位に上がってQ1を通過したのは3号車 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手晃平/千代勝正組、MI)で、ニッサン勢のトップに立った。しかし、その3号車のトップ8入りで、皮肉にもQ1落ちとなってしまったのが、前戦の優勝車両である23号車 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組、MI)だったのは、日産陣営としては痛し痒しというところだった。
ただし、3号車はイエローフラッグ中にタイムを更新したとして予選Q1で敗退となり、9位の38号車 ZENT GR Supra(立川祐路/石浦宏明組、BS)が繰り上がることになった。
GT500の予選2回目(Q2)は、これまでで最も雨が強くなっている状況。1周してくるとほとんどのクルマが一斉にピットに入りウェットタイヤに交換して出て行った。しかし、38号車だけがドライタイヤのままステイアウトする戦略に出た。しかし、その1周後に結局38号車も入り、ウェットタイヤに交換。全車がウェットタイヤでQ2を戦った。
ところがトップタイムをマークしたのはその38号車。タイヤ交換が遅れたことでコース状況の改善タイミングにドンピシャとあって、圧倒的なタイムをマークしてポールポジションを獲得した。2位は17号車 KEIHIN NSX-GT、3位は8号車 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺組、BS)、4位は39号車 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(ヘイキ・コバライネン/中山雄一組、BS)、5位は64号車 Modulo NSX-GT、6位は100号車 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐組、BS)となった。
GT500 予選結果
順位 | カーナンバー | 車両 | ドライバー | Q1 | Q2 | タイヤ | ウェイトハンデ |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 38 | ZENT GR Supra | 立川祐路/石浦宏明 | 1'39.191 | 1'43.878 | BS | 24 |
2 | 17 | KEIHIN NSX-GT | 塚越広大/ベルトラン・バゲット | 1'38.192 | 1'44.079 | BS | 46 |
3 | 8 | ARTA NSX-GT | 野尻智紀/福住仁嶺 | 1'39.015 | 1'45.153 | BS | 8 |
4 | 39 | DENSO KOBELCO SARD GR Supra | ヘイキ・コバライネン/中山雄一 | 1'38.682 | 1'45.692 | BS | 34 |
5 | 64 | Modulo NSX-GT | 伊沢拓也/大津弘樹 | 1'37598 | 1'46.569 | DL | 18 |
6 | 100 | RAYBRIG NSX-GT | 山本尚貴/牧野任祐 | 1'38.209 | 1'46.944 | BS | 52 |
7 | 16 | Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT | 武藤英紀/笹原右京 | 1'38.240 | 1'48.584 | YH | 2 |
8 | 19 | WedsSport ADVAN GR Supra | 国本雄資/宮田莉朋 | 1'37.499 | 1'49.624 | YH | 6 |
9 | 14 | WAKO'S 4CR GR Supra | 大嶋和也/坪井翔 | 1'39.481 | ー | BS | 48 |
10 | 3 | CRAFTSPORTS MOTUL GT-R | 平手晃平/千代勝正 | 1'39.620 | ー | MI | 24 |
11 | 23 | MOTUL AUTECH GT-R | 松田次生/ロニー・クインタレッリ | 1'39.695 | ー | MI | 44 |
12 | 12 | カルソニック IMPUL GT-R | 佐々木大樹/平峰一貴 | 1'39.785 | ー | BS | ー |
13 | 37 | KeePer TOM'S GR Supra | 平川亮/ニック・キャシディ | 1'40.086 | ー | BS | 66 |
14 | 36 | au TOM'S GR Supra | 関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ | 1'40.106 | ー | BS | 82 |
15 | 24 | リアライズコーポレーション ADVAN GT-R | 高星明誠/ヤン・マーデンボロー | 1'43.366 | ー | YH | 2 |